「夫源病」と「妻源病」対策は感謝など言葉で伝えるのが重要

5月21日(土)16時0分 NEWSポストセブン

 夫の定年退職をきっかけに、妻がめまいや耳鳴りなど様々な心身の不調をきたす「夫源病」。夫が毎日朝から晩まで家にいる生活が負担となっているためだが、同様の症状に悩まされる男性も急増しており、それは「妻源病」と呼ばれている。


 お互いのために夫婦が一緒にいる時間を制限すべきとはいえ「外出しろ」「趣味を持て」といっても、満足な小遣いも確保できないリタイア後の生活では難しいという声も多いだろう。1日5時間以上は危険だという指摘もある。


 だが、専門家によれば、できることは少なくないという。まずは「寝室を別にする」ことだ。これは夫婦間のストレスを大きく軽減する。住環境研究所の市場調査室長・嘉規智織氏がいう。


「いくら長年連れ添った夫婦とはいえ、男女では就寝時の『快適な温度』が異なります。寝室が同じだと、冷え性の妻が暑がりの夫に無理して合わせたり、その逆だったり、いずれにしてもストレスを強いることになります。また、いびきや歯ぎしりなど嫌悪感に直結しやすいトラブル要因を避けることにも繋がる」


 日中は、家の中に妻から逃れる「避難所」を作りたい。各家庭の居住環境にもよるが、独立して家を出た子供の空き部屋を書斎として活用するのは有効だ。そうしたスペースがない場合、居間の一角に机を設置し、パーテーションで囲んで「簡易的な書斎」を作るだけでも十分だ。それも難しい場合は、近所の図書館などを利用するのもいい。


 大阪樟蔭女子大学教授で更年期外来を開設する石蔵文信医師は、孫や地域コミュニティと積極的に関わることを薦める。


「もし息子や娘の家族が同居していたり、近くに住んでいるならば、孫の送り迎えや遊び相手は積極的に買って出るべきです。保育所不足が社会問題化するなかで家族に対する貢献度が大きいうえ、早朝、夕方に外出機会ができ、生活にメリハリが生まれます」


 近くに孫がいなければ、地域の保育ボランティアやシルバー人材センターに登録するのも一手という。もちろん夫婦一緒の時間を制限する一方で、できる限り夫婦関係を円滑にする努力も必要だ。


「ただし、特別なイベントを作る必要はない。たとえば妻を海外旅行に無理矢理誘っても、旅先でお互いのストレスを増やすだけ。女性は、気を遣う夫より気の合う同性と旅するほうが楽しいんです。“まずはスキンシップ”と強引にセックスに誘うのも、かえってストレスになりかねない」(石蔵医師)


 夫源病にしろ妻源病にしろ、“特効薬”はない。普段からのコミュニケーションが重要なのだ。夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏はこうアドバイスする。


「60代以上の男性の多くが苦手とすることではありますが、奥様に“ありがとう”や“ごめん”という言葉をきちんと伝えることが何より重要です。朝晩の食事の時間だけしか会わないとなれば、その時の会話が何より大事。“美味しかった”というのも素晴らしい感謝の言葉です」


 一日中顔を突き合わせていると、どんな夫婦もお互いの欠点が気になるもの。しかし夫婦が一緒にいる時間を制限して、1日3時間、長くて5時間までと時間を区切れば、新鮮さと緊張感を持って付き合えるはずだ。


※週刊ポスト2016年5月27日号

NEWSポストセブン

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