着席したら自動的に餃子が出てくる! 餃子しかない“純”餃子店『亀戸餃子 本店』で絶品すぎる餃子を食べてきた
2022年5月22日(日)10時49分 食楽web
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日本人にとって、「餃子」はあくまでもおかず。特に日本で独自進化を遂げた「焼き餃子」といえば、ご飯やラーメン、チャーハンのサイドに欠かせない、主役を引き立てる名バイプレーヤーとして長きにわたり愛されているのは周知のとおりです。
ところが先日、東京・亀戸にある有名な餃子のお店『亀戸餃子 本店』に行って、餃子に対する考えがガラリと変わりました。というのも、店に一歩足を踏み入れると、注文するヒマもなく一瞬で餃子が出てきて、どんどん餃子の皿が積み重なっていく、という不思議極まる体験をしたからです。
『亀戸餃子 本店』は亀戸駅から徒歩3分ほどの場所にあります
この体験をしたのが『亀戸餃子 本店(亀戸駅前店)』。行列が絶えない餃子専門店として有名なことはかねがね噂で聞いていました。ただ、耳にしたことはあるものの、食べたことはなかった筆者。5月某日、何の下調べもせず、「餃子定食」でも食べるか、と軽い気持ちでふらりと入店したのです。
カウンターに座ると、目の前の女性店員さんに「お飲み物は?」と聞かれました。まだ仕事が残っているのでビールはやめて、「お冷やください」と伝えます。いざメニューを広げようとテーブルを見渡したその瞬間、目の前にスッと餃子の皿が登場しました。
少しびっくりしましたが、「ははーん、ほかのお客さんの餃子が間違って運ばれてきたんだな」と思いました。なにしろ、まだ何も注文していないので。
「ぎょうざ」1皿5個300円
しかし、店内の壁に貼られているメニューをよ〜く見てみると、そこには「ぎょうざ」(300円)以外の料理はありせん。頼もうと思っていた「餃子定食」など存在すらしていないのです。そして貼り紙には「お召し上がりのお客様は、1人2皿よりお願いします 店主」と書いてあります。
メニューは「ぎょうざ」と飲み物だけ!
つまり、ここにはライスもチャーハンもラーメンもなく、「ぎょうざ」オンリー。そして黙っていても「ぎょうざ」2皿が自動的に出てくるのです。それも最速のスピードで。実際、着席してから1分も経っていないはず。
よく見回せばカウンターの端っこには大きな鉄鍋がありそこで職人さんがたくさんの餃子を次から次へと焼いています。そして別の店員さんが、カウンターにいるお客さんに餃子をスッと差し出していくのです。そういう方式なのか…とかなり衝撃を受けましたが、考えてみればなんとも効率的で、餃子専門店の心意気も感じるシステムです。
理想的な昔ながらの餃子
そして目の前の餃子はカタチも焼き目も美しく、理想的かつ絶対ウマい餃子であることがひと目で理解できます。とにかくこの店、ご飯もラーメンもなし。ひたすら餃子一色。そう、ここでは白飯ではなく餃子が主役なのです。とにもかくにも、まずは何もつけずにひと口食べてみます。
餃子の皮は、中の肉餡を優しくホールドするためだけに生まれたような極薄タイプ。噛めばしっとり&ふんわりした食感。そして中の肉餡は、よく練り込まれたことがわかる繊細なひき肉と、シャキシャキしたキャベツ。このコントラストが心地よく、キャベツと肉の甘みが織りなすジューシーな旨みがじわ〜っと口中に広がっていきます。うーん、ウマい!
小皿には、鮮やかなカラシがたっぷり。これに卓上の酢や醤油、胡椒などを自分で調整してタレを作ります。
小皿にはマスタードが最初からのっており、卓上の酢や醤油、胡椒などを自分で調整してMyタレを作る
餃子にカラシというのが珍しいですよね。これだけペロリと舐めてみると、けっこう酸味が強め。カラシではなくマスタードに近いですね。餃子の端っこに少しつけて食べると、餃子の旨みがよりくっきりと引き立ち、さらに爽やかさも加わって、パクパクと何個でも食べられそうです。餃子にマスタード、かなりイイ感じです!
そうして3つ目の餃子を口に入れた瞬間。目の前にスッと2皿目が登場。そう。1人最低2皿の2皿目の出現です。誰も何も言わない。当然のこととして目の前の餃子に向き合う…もはや“わんこそば”ならぬ“わんこ餃子”です。もう、ワクワクしちゃいますね。
カラになったお皿に2皿目を重ねて食べ続けます
隣で食べていた若い男性の卓上を覗くと、すでに5皿が積み重なっており、6皿目に突入しています。ひょっとしたら「ストップ」と言うまで、どんどん出されるのでしょうか。しかし、筆者も5皿は楽勝だと思いました。
というのも、この餃子、油っこさゼロでめちゃくちゃ軽いんです。しかも、何度も言いますが、ご飯もラーメンもなく、餃子だけをシンプルに楽しむ。となるとけっこう食べられるどころか、もう永遠に食べられそうな気分です。
2皿目を味わっている途中で、お店の人から「どうしますか?」と聞かれました。最低2皿がノルマなので、もうお腹いっぱいなら頼む必要はありませんが、ついつい「もう1枚ください」と口走ってしまいます。
餃子の料金表。最高で37皿と書いているのがすごい!
というわけで、4皿(20個)食べたところで、今回はストップしました。ただ、あまりに美味しかったので、お土産に3人前買って帰ることにしました。お土産は「焼き」と「生」から選ぶことができます。夜に家でも食べてみましたが、かなりハイレベルで美味しかったです。
お土産3人前
というわけで、この日、筆者は餃子を合計7人前(35個)食べましたが、正直、もっとイケると思いました。それほど軽く、オーソドックスながら旨さあふれる餃子でした。餃子好きの人は、ぜひ『亀戸餃子』に行って、“わんこ餃子”を体験してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
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店名:亀戸餃子 本店
住:東京都江東区亀戸5-3-3
TEL:03-3681-8854
営:11:00〜20:00
休:無休