米軍が宇宙兵器「中性粒子ビーム」を2023年までに開発へ! 気象衛星にレーザー搭載、宇宙から中露のミサイル撃墜!

2019年3月18日(月)18時0分 tocana

画像は「getty images」より引用

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 米国防総省がレーザーやビームを用いた宇宙兵器の開発・実験を進めていることが明らかになった。


 米国防情報サイト「Defense One」(3月14日付)によると、米国防総省はミサイル防衛を目的とした宇宙兵器開発のため2020年度予算として3億4百万ドル(約3400億円)を要求、2023年までにテストを行う意向だという。中国、ロシア、北朝鮮、イランのミサイル攻撃を警戒してのことのようだ。


 現在、米国防総省は2つの研究を行っている。1つはレーザーを搭載した気象衛星の開発だ。これには1500万ドル(約17億円)の予算がつぎ込まれている。2つ目は中性粒子ビーム(neutral particle beam)の開発である。光の速さに近い速度を持つ素粒子をミサイルにぶつけることで無効化する兵器だという。


【その他の画像はコチラ→:https://www.tocana.jp/2019/03/post_88670_entry.html】


 米国はこうした研究を80年代より続けており、1989年には「BEAR」と呼ばれる中性粒子ビーム兵器の実験を宇宙空間で行っている。実験はそこそこの成功を収めたものの、実用の面で困難が生じた。いくつかのプロトタイプが試作されたが、その1つは全長が72フィート(約22m)もあったのだ。


 だが、先週水曜日の会見において米国防総省のスポークスマンは、科学技術の進歩により中性粒子ビームの小型化と低コスト化が可能となり、実戦配備できる段階に来たと語ったという。一方で今回の発表がすぐさま宇宙兵器の運用を意味するものではないとも。


 だが、米国の本心は今すぐにでも最新鋭のミサイル防衛システムが欲しいのではないだろうか? というのも、トカナでも報じたように、米シンクタンク「ランド研究所」のシミュレーションにより、ほとんどの戦闘において米国がロシアや中国に敗北するという結果が出ている。そして、その最たる理由の1つが米国のミサイル攻撃への脆弱性なのだ。


 このタイミングで米国防総省が宇宙ベースのミサイル防衛構想を打ち出したのも、ランド研究所の発表と無関係ではないだろう。


 だが、宇宙からミサイルを迎撃する場合、それは最高高度が100km以上に達する弾道ミサイルに限られるだろう。対北朝鮮であればICBMなどの弾道ミサイルの防衛だけでもいいかもしれないが、ロシアや中国はそうはいかない。


 ロシアが開発している「ツィルコン(ジルコン)」は、ミサイル巡洋艦や原子力潜水艦に搭載可能な巡航ミサイルだ。その速度はマッハ5〜6。射程距離は明らかにされていないが、原子力潜水艦を米国の近くに配備すれば、宇宙からのミサイル防衛は全く意味をなさないだろう。


 元米国国防副長官で軍事と戦略のスペシャリストであるロバート・ワーク氏も、中距離の精密誘導ミサイル(巡航ミサイル)の危険性を上げており、米軍のF-35戦闘機は空においては最強かもしれないが、中国やロシアが基地や艦隊をピンポイントでミサイル攻撃してしまえば、戦闘機は空に飛べず地上で破壊されてしまうと警鐘を鳴らしている。


 とはいえ、米国もただ指をくわえて待つばかりではないだろう。今後さらにミサイル防衛システムの構築に多額の予算をつぎ込んでいくはずだ。第三次世界大戦を未然に防ぐためにも軍事力の強化は怠れない。
(編集部)

tocana

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