日本の芸能界で#MeTooの先駆けとなった女性・石川優実さんにインタビュー

5月23日(水)11時0分 yummy!

ライターの大久保 舞です。
海外発祥の、#MeTooのハッシュタグで自らの性被害を告発することが、日本でも徐々に広まってきました。
筆者自身も、以前コラム(https://magazine-img.gow.asia/column/work/metoo-damage/)にて自分自身の性被害を告発しました。
筆者が告発する勇気をもらうきっかけとなった、日本の芸能界で早くに声を上げた女性がいらっしゃいます。
グラビアアイドルとしてデビュー、現在は女優、そして、#MeTooをはじめとした性被害に対する運動をされている石川 優実さんという女性です。
石川さんは、note(https://note.mu/ishikawa_yumi/n/n1e73ecf608d1)にて、自身の受けてきた性被害(露出の強要、枕営業詐欺被害など)をありのままに告発されました。
石川さんが、声を上げた理由とは、一体なんだったのでしょうか。
今回は、筆者が石川さんに直接お会いしてインタビューしたことをお伝えします。

——石川さんは、自身が受けた性被害に関してどう考えていましたか。


石川:
10年間ぐらい(グラビアアイドル時代)ずっと悩んでいたというか、モヤモヤしていたものがあって、でも露出も、枕営業も、自分がやってしまったことだし⋯⋯と考えていました。
今ではセカンドレイプ(性被害者に対する二次被害)だったのだと分かりますが、当時は自分が責められると、やはり自分が悪いと思ってしまって。
被害を思い出して悲しくなったりすることはあったのですが、自分のDVDや写真集を買ってくれた方にも、そう思うことは失礼ではないかという気持ちもありました。
女優として『女の穴』という映画で脱いだこともあったのですが、それは自分がカッコいいと思ってやったことなんですね。
今はそのように、やりたいことをやっているから、過去のことは忘れようと考えていました。

——石川さんのその考えが変わり、声を上げようと思ったきっかけはなんでしたか。


石川:
#MeTooの流れが海外からきて、最初は自分には関係ないと思っていたんです。
「海外の偉い女優さんが大変な目にあっているんだな」ぐらいの認識でした。
そうしたら、2017年の末にはあちゅうさんが電通で受けたセクハラ被害を告発されたじゃないですか。
そうしたら、あれ、自分と似ていない?もしかしたら、#MeTooって自分に関係があるのかも?と思いました。
Twitterで#MeTooのハッシュタグを検索してみたら、共感できる内容がたくさんあって。
それで、とりあえずTwitterで自分もハッシュタグをつけてつぶやいてみたんです。
そうしたら「今まで大変だったんですね」といった共感をはじめとした、今まではかけられたことがない言葉を言っていただけて。
やっと「私がつらいと思っていたことを、つらいと言ってもいいとき」がきたのかなと思いました。

——noteでの被害告発はかなり具体的なところまで書かれていますが、その原動力はなんでしたか。


石川:
そのとき、私は全然仕事がなくて。結婚もしていないし、彼氏もいないし、失うものがない、みたいな感覚だったのかもしれません。
今では写真家のアラーキーの「ミューズ」と呼ばれた、モデルのKaoRiさんや、それを受けて、水原希子さんが声を上げられたりしていますが、まだ私のとき(2017年末)は芸能界で声を上げられている方は皆無に等しかったんですよね。
同じ目にあっている人自体は芸能界にたくさんいるんです。ですが、その人たちが性被害に耐えた結果、今は成功しかけている、という段階にいたりして。
その段階だったら、声を上げたくても上げられないじゃないですか。
だからこそ、私じゃないと書けないと思ったんです。自分が受けた被害を記事にしよう、ありのままを告発しようと考えて、実行しました。

——告発された結果、世間の反応はいかがでしたか。


石川:
世間の方からの反応は想像していたより、とてもよかったです。
ネット上で自分の性被害を告発することで、被害の経験を誰にでも見られてしまうのはこわかったから、最初はnoteでの記事は有料にしていました。
ですが、10人ぐらいの方が買ってくれたのですが、その方たちからの反応がすごくよくて。
「大変だったんだね」のように言っていただけたので、これならもう、無料で誰にでも読んでいただいても大丈夫なのではないか?と思うことができました。
無料で公開したところ、女性から「石川さんの告発に勇気をもらいました」と言われたことが、とくにうれしかったです。
セカンドレイプのような言葉は10年間ずっと言われ続けていたから、そちらのほうに慣れていたんですね。

——多くの女性に勇気を与えた石川さんですが、最後に、性被害に悩む女性に対してメッセージをお願いします。


石川:
告発にあたり、私が一番伝えたかったことなのですが、加害者が100%悪いことはもちろんだとして、自分で防ぐことができる被害もあると思うんです。
これは、被害が起きてしまったことで自分を責めろ、という意味ではありません。
そうではなくて、普段から自分のことを一番大切にしてほしい。
自分のやりたい仕事を見極めて、明らかに尊重されないやり方をされているときは怒っていい、怒らないといけないと思います。
誰にでも被害者にも、加害者にだってなる可能性がある。
だからこそ、一人一人が自分のことを一番大切に、そして、他人のことを尊重する世の中になってほしいですね。

まとめ


石川さんのように、声を上げてくれる人によって救われた、という女性も少なくないと思います。
誰もが自分自身の受けた性被害に関して声を上げろ、ということではなく、そもそも性被害がない世の中にするために活動されている石川さんの存在は、これからもたくさんの人に勇気と希望を与え続けることでしょう。
(大久保 舞/ライター)
インタビュー相手:石川 優実
18歳からイメージDVD、映画主演、写真集発売などの活動をしている。
代表作は2014年、吉田浩太監督、ふみふみこ原作『女の穴』
2015年、いまおかしんじ監督『誘惑は嵐の夜に』
2017年末、自身が受けた芸能界の性暴力について告白をし話題となり、以後#MeTooの活動を積極的に行っている。
活動を通じ男女の「性」に対して認識の差の大きさと、発信をする事の大切さを感じ、本当の意味で「男女」という違いをより理解し、楽しめるような活動を信条としている。
Twitterアカウント:https://twitter.com/ishikawa_yumi
ブログ:https://ameblo.jp/ishikawayumi/

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