58歳男性。遺族共済年金の方が金額が高いので受給したいのですが、65歳にならないとできないのでしょうか?

2024年5月24日(金)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、遺族共済年金の受給について、専門家が解説します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、遺族共済年金の受給についてです。

Q:遺族共済年金の方が金額が高いので障害基礎年金と遺族共済年金を受給したいのですが、65歳にならないとできないのでしょうか?

「私は1965年生まれの58歳男性です。現在、障害基礎年金と障害厚生年金を受給しています。また、遺族共済年金の受給権もあり現在は職域部分のみ受給しています。本来なら障害厚生年金より遺族共済年金の方が金額が高いので障害基礎年金と遺族共済年金を受給したいのですが、65歳にならないとできないと聞いております。やはりそういう決まりなのでしょうか」(ポチさん)

A:原則として1人1年金となります。65歳以降は特例的に2つ以上の年金が受けられることがあります

現在、相談者「ポチ」さんは「障害基礎年金と障害厚生年金」と「遺族共済年金」の受給権をお持ちなのですね。今回は遺族共済年金についての質問とのこと。
そもそもの話になりますが、2015年(平成27年)10月以降、会社員などが加入する「厚生年金」と公務員が加入する「共済年金」が一元化されました。
一元化以前である、2015年(平成27年)9月までに共済年金の組合員が死亡したときは遺族に遺族共済年金が支給されており、遺族共済年金として給料に比例した共済年金部分に、職域加算が上乗せされて支給されていました。
一元化のあとには、2015年(平成27年)9月までの共済組合期間を持つ組合員が2015年(平成27年)10月以降に死亡したときには組合員期間に応じた遺族厚生年金と組合員期間に相応する部分の職域部分が「遺族共済年金(経過的職域加算を含む)」として遺族に支給されることになりました。
「ポチ」さんは「障害基礎年金と障害厚生年金」と「遺族共済年金」の受給権をお持ちですが、そもそも年金制度には、「1人1年金」の原則があります。
「ポチ」さんは障害年金か遺族年金、どちらか1種類を選んで受けとることとなります。つまり「遺族共済年金(経過的職域加算を含む)」と「障害基礎年金と障害厚生年金」はどちらか選ぶことになります。

現在でも「遺族共済年金(経過的職域加算含む)」の方が多いようであれば、選択替えをすることもできますので、現在受給中の年金と比較して有利な方を選びましょう。
「1人1年金」の原則はあるものの、65歳以降は特例的に2つの種類の年金を選択できます。年金事務所で「障害基礎年金と障害厚生年金額」、共済組合で「遺族共済年金(経過的職域加算含む)」の金額を再確認して選ぶとよいかと思います。
したがって、「ポチ」さんは65歳より前は「障害基礎年金と障害厚生年金」と「遺族共済年金」のどちらかしか選べません。
65歳以降は「障害基礎年金」と「遺族共済年金」の組み合わせでの受給ができる可能性があります。年金事務所に確認してみましょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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