顔と名前の一致しない「大量交換の名刺」…個人情報満載だけど、捨てたら犯罪?

5月24日(木)9時42分 弁護士ドットコム

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もらい続けて、ふと扱いに困る大量の名刺たち。最近では名刺管理ソフトにデータを読み込ませて、オンライン上で管理している人も増えていることでしょう。


紙の名刺の行き場に困り、いっそのこと全て捨ててしまおうかと思っても、全てをシュレッダーにかけるのは結構な手間です。そこで、そのままゴミ箱に捨ててしまうにしても、個人情報がふんだんに含まれる名刺たちを捨てていいのかと悩みます。


最近は個人情報の取り扱いに世の中の反応は厳しいもの。そのまま捨てる行為が何らかの法律に抵触して、罪に問われることはないのでしょうか。近藤暁弁護士に聞きました。


●丁寧な名刺帳、個人情報データベース等に該当

ーー名刺との関係で、個人情報保護法はどう考えればいいでしょうか


「名刺には個人情報が含まれているものの、個人情報保護法(以下「法」)では、すべての個人情報について一律に厳格な規制が設けられているわけではなく、個人情報の存在形式・処理形式によって規制の内容に差が設けられています。


ある情報が『個人情報』に該当するにとどまる場合には、主に利用目的や取得方法に関する規制(法15条ー18条)が及ぶだけですが、大量の個人情報が集まって『個人情報データベース等』(法2条4項)となっている場合には、そのデータベース等を構成する個々の個人情報は、『個人データ』(法2条6項)と呼ばれ、より厳格な規制が及びます」


ーー名刺をどのように整理しているかによるということでしょうか


「はい。本件で、名刺がばらばらに散在しているような場合、それらの名刺は『個人情報』にとどまるのに対し、名刺が50音順やアルファベット順に体系的に整理されており、その並び順につきインデックスが付けられているような場合、そのような名刺帳は『個人情報データベース等』に該当し、そこに含まれている名刺は、『個人データ』に該当します」


●直ちに刑罰なくても、シュレッダーなどの活用を

ーー「個人データ」に及ぶ規制はどのようなものでしょうか


「『個人データ』に該当する場合、不要なデータを消去すべき義務(法19条後段)や、安全管理のために必要かつ適切な措置を取るべき義務(法20条)を負います。したがって、前述のように整理された名刺帳をそのまま捨ててしまうと、これらの義務に違反することとなります。


義務違反に対して直ちに刑罰が課されることはありませんが、指導・助言(法41条)や勧告・命令(法42条)の対象となります」


ーー「個人情報」にとどまった場合はいかがですか


「『個人情報』にとどまる場合、前述の消去義務や安全管理措置を取るべき義務は負いません。もっとも、個人情報保護法の問題とは別に、プライバシー侵害、名誉毀損の問題やレピュテーションリスク(会社などの評判が悪化する恐れ)の問題が生じうることに注意が必要です。


情報の重要性が高まり続ける昨今、『個人データ』に該当しない情報であっても粗末に扱うべきではなく、シュレッダーなどで容易に復元ができないようにした上で廃棄するべきでしょう」


(弁護士ドットコムニュース)


【取材協力弁護士】
近藤 暁(こんどう・あき)弁護士
2007年弁護士登録(東京弁護士会、インターネット法律研究部)。IT・インターネット、スポーツやエンターテインメントに関する法務を取り扱うほか、近時はスタートアップやベンチャー企業の顧問業務にも力を入れている。


事務所名:近藤暁法律事務所
事務所URL:http://kondo-law.com/

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