【秘境グルメ】一生に一度は食べたい!和歌山の“かつお茶漬け”と“生まぐろ丼”は忘れられぬ美味

2025年5月25日(日)10時50分 食楽web


生マグロの日本一水揚げ量を誇る那智勝浦漁港の「生まぐろ丼」

●これまで食べたことのないような新鮮でおいしい魚が食べられる和歌山県。そこで出会った驚くほど美味な『萬口』のかつおの茶漬けと、もちもち生まぐろ丼をご紹介。和歌山観光にぜひ、訪れてみてほしい。

 和歌山県を旅して感動したのは、魚介類のおいしさ。季節ごとに黒潮が育む獲れたての海産物が楽しめます。中でも感動したのが、日本屈指の「かつお」と「生まぐろ」。これが今まで食べてきたものと別格の食感、とろける旨さでした。

 そんなおいしいかつおを茶漬けでいただく和歌山最南端の人気料理屋と、那智勝浦漁港の獲れたて生まぐろを丼で味わう名店をご紹介。きっと、和歌山に旅したくなる秘境グルメですよ。

和歌山・串本の家庭料理から生まれた『萬口』の絶品かつお茶漬け

 お茶漬けは奥が深い。食後にサラッと残りのご飯をお茶でかきこむ、時にはかき揚げや刺身などとともに郷土料理の一皿として味わう。

 そんな日本の食文化の一つとも言える「お茶漬け」が大好きな筆者。感動の一杯に出会ってしまいました。それが、和歌山県・串本にある人気料理屋『萬口(まんこう)』の「かつお茶漬け」です。こちらのかつおを食べて、目を見開いた。モチッとした弾力ながら歯切れがよく、濃厚な旨み。そこに臭みなどはまったく存在しません。普段食べているかつおと別格のよう。

「なぜこんなにおいしいんでしょう?」
「これがかつおなんです。としかお伝えできないですね」

 萬口の店主、尾代孝哉さんがそう笑顔で答えてくれました。なんとも説得力のある簡潔な言葉!


かつお茶漬けだけでなく、さまざまな魚介を使った料理も絶品

 お店は和歌山県本州最南端、紀勢本線の串本駅近くにあります。この串本町では町内の漁港で、黒潮が育む獲れたての魚介類が水揚げされます。中でも絶品なのが「かつお」。主にケンケン漁が有名な地域で、丁寧に釣り上げた鮮度も身の美しさも格別の“かつお”をお茶漬けで味わえると人気を呼んでいるのです。

秘伝のタレも絶品!締めご飯が口コミで広まった名物料理


「かつお茶漬け」1850円。かつお12切れを漬け丼として、茶漬けとして味わう。満腹セットにはかつお煮物or脂身塩焼き、卵で和えた「かち飯」が付く

 このかつお茶漬け。最初は季節ごとの魚料理が味わえる『萬口』が料理の締めご飯として出していたそうですが、口コミで広まり人気メニューに。元々、この辺りの郷土料理として親しまれてきた一品でもあります。


秘伝のタレが旨みを誘う [食楽web]

 和歌山では春の味覚として希少な「もちがつお」(釣ってすぐ血抜きすることで、身におもちのような弾力があるのが特徴)も有名ですが、実は時折、このお茶漬けにもこっそりと混ざっているというから驚きです。

「かつおは一本ずつ、味が違うんです。バランスよくさまざまなかつおを混ぜてお出ししています」と店主の尾代さん。


まずは漬け丼でいただく

 まずはおひつのご飯とかつおの漬けを半分のせ、タレをかけていただきます。早くお茶漬けをとはやる気持ちと裏腹に、漬け丼のおいしさに箸が進む。もちっとしていながら歯切れのいいかつおに頬が緩む。そして、秘伝のタレがその旨さを加速していきます。

 お次は残りのご飯にかつお、タレ、海苔をのせ、お茶をたっぷりと。絶品のかつおをサラサラっとお茶漬けでいただく贅沢なこと。かつおの臭みのなさを改めて感じ、その優しい弾力と食感が絶妙にお茶漬けに合う。これは、これまで食べてきたお茶漬けの中でも、断トツにおいしい!

 満腹コースを選んだら、さらに卵かけご飯のようにいただく「かち飯」で三段階のかつおご飯を楽しめるという素晴らしさ。


店主の尾代さん(右)とスタッフのみなさん

 テキパキと笑顔でおいしい地元料理を提供してくれるスタッフの皆さんと接していると、串本という街の暖かさも感じることができました。いつか夕方から訪れて、萬口のおすすめ料理とともに一杯、といきたいものです。

●SHOP INFO
料理 萬口(まんこう)

住:和歌山県東牟婁郡串本町串本42-17
TEL:0735-62-0344
営:11:30〜15:00、17:30〜20:30
休:水曜(祝日の場合は翌日 ※臨時休業あり
https://www.kushimoto-mankou.com/

【那智勝浦】世界遺産巡りで立ち寄りたい! 絶品グルメ「生まぐろ丼」


木下水産物の木下勝之社長。受け継がれてきた目利きの技術を持ち、お話からもまぐろへの愛が溢れる

 山と海に囲まれた那智勝浦町は、和歌山の中でも代表する観光名所としても人気のエリア。世界遺産の熊野古道で歴史を感じ、絶景地の温泉で癒され、名物「生まぐろ」に舌鼓を打つ。そんな五感を揺さぶる体験が待っています。

 那智勝浦漁港は「生まぐろ」水揚げ量日本一で有名。この日は勝浦魚商協同組合の組合長でもある木下水産物の木下勝之社長に漁港などを案内いただき、まぐろ丼専門店『鮪十屋(まぐろとや)』で絶品の「もちもち生まぐろ丼」をいただきました。

生まぐろ日本一の水揚げ量を誇る那智勝浦漁港

 早朝に訪れたのは、那智勝浦漁港。そこには黒光りする新鮮な生まぐろがずらりと並ぶ圧巻の光景。この後、仲買人が続々と競り落としていきます。

 この漁港は先に述べた通り、生まぐろの水揚げ量日本一。今では全国でも数少ない「はえ縄漁」という自然保護・乱獲防止に配慮した漁法でまぐろを釣りあげています。この漁法により、比較的ストレスや傷が少なく鮮度の高いまま捕獲できるため、新鮮でもちもちの生まぐろになると言います。

「国産・天然・生のまぐろは貴重でなかなかないんですね。例えば、回転寿司などで食べられる大トロや中トロまぐろなどもほとんどが養殖。冷凍で養殖だったり、生でも養殖だったりするんです」と木下さん。


この日揚がった本まぐろの堂々たる姿

 漁港には本まぐろをはじめ、メバチまぐろ、キハダまぐろ、ビンチョウまぐろなどが水揚げされます。一見同じようにしか見えない新鮮なまぐろたち。しかし、姿や形、肌目、尻尾の身で色目の良し悪し、脂の乗り具合などを仲買人が瞬時に目利きし、入札していくそう。この買付技術でまず、おいしい生まぐろが選別されているんですね。

大正創業。木下水産物の「もちもち生まぐろ」とは?


200円から新鮮なもちもち生まぐろが買える

 大正年間創業の「木下水産物」はこの漁港の徒歩1分の場所に加工場を設けており、目利きにより厳選した生まぐろを熟練の職人が解体・加工しています。同社のオリジナルブランド「もちもち生まぐろ」は、とにかく透明感があり、もっちりとした食感と旨味があふれています。

 そんな極上の逸品がリーズナブルに手に入るのが、木下水産物が運営する「生まぐろセルフ直売所」。中落ちやお刺身、切り落としなどがなんと、200円から買えると地元でも人気なのです。


セルフ直売所の外観

 近くに宿泊するなら、こちらで買い求めて好きなお酒とともに一献なんていうのも乙な過ごし方ですよね。

ランチはまぐろ丼専門店『鮪十屋』のもちもち生まぐろ丼


「もちもち生まぐろ二色丼」1200円。「もちもち生まぐろ丼」1450円、「もちもち生びんちょうまぐろ丼」980円(いずれも税込)もあり。全て特製のあら汁付き

 熊野那智大社を巡った後に、どうしても生まぐろ丼が食べたい! と再び漁港のほうに戻って訪れたのが、セルフ直売所に隣接するまぐろ丼専門店『鮪十屋(まぐろとや)』。漁港の専門店らしいシンプルな店内が居心地いい。丼には全て特製の出汁を使ったあら汁が付くので、セルフコーナーで好きなだけよそって味わいましょう。


まぐろの美味しさを引き立てる専用の醤油も上品

 キハダまぐろとびんちょうまぐろの2色丼をいただきましたが、一切れ持ち上げただけでわかるその透明感! 一口味わえば鮮度を感じるもちもち感で、とろけていく。ごはんとも大変、相性がいい。

 あら汁は身もいっぱい入っていて、これを目当てに来る人もきっと多いはず。おかわり自由なので丼をすすめながらもう一杯。まぐろを知り尽くした木下社長渾身の一杯を存分に味わうことができました。


身もたっぷり入った贅沢なあら汁。上品な出汁が効いています

 まさにここでしか味えない秘境グルメのひとつ、生まぐろ。和歌山の旅グルメに是非一度、味わってほしいですね。

●SHOP INFO
鮪十屋/生まぐろセルフ直売所

住:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字築地8丁目6-5
営:11:00〜14:00/9:00〜15:30
休:火曜
https://kinoshita-tuna.co.jp/

【近隣スポット】生まぐろとともに世界遺産の熊野古道と那智大社を巡ろう


那智山青岸渡寺の三重塔と、日本一の高さを誇る「那智の滝」

 那智勝浦には、世界遺産の熊野古道に熊野那智大社、日本一の那智の滝など、和歌山観光では外せない観光スポットが点在しています。さらに泉質の良い勝浦温泉も有名。旅の醍醐味である観光、温泉、秘境グルメをぜひ、あわせて楽しんでみてください。

●DATA
那智勝浦観光サイト
https://nachikan.jp/

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