フランス人もびっくり!? 最先端クリーン電力で作られる長野県伊那市のガレットがおいしい理由

2023年5月26日(金)10時47分 食楽web


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 キャンプや車中泊などを筆頭に、自然を体験できる施設や場所に今、大きな変化が生まれているのを知っていますか? 実は近年、キャンプの大手メーカーや関連企業が中心となりより自然を感じられる施設を建設し体験できるプロジェクトが増えているんです。

 そこで、今回注目したのは、ポータブル電源メーカー『EcoFlow』が2022年9月に長野県伊那市にオープンした施設『EcoFlow House』。プロジェクトに参加した人たちから高評価を得ているその魅力の秘密を調査してきました!


東京から中央道を長野方面に3時間少し走ると、車窓からは日本で2番目の標高を誇る北岳が見えてきます(食楽web)

 伊那市駅から車で30分、険しい山道を進んでいくと『EcoFlow House』は突如現れます。数年前に閉鎖し長らく廃墟だった建物とキャンプ場をリノベーションして建設した施設です。

 電気も水も電波もないノーインフラの場所だったところから始まりましたが、EcoFlowパワーシステムというエネルギーマネジメントシステムを搭載することで、「電気の自給自足」が可能になり、サステナブルなまったく新しいハウスに生まれ変わりました。


(左)元々廃墟だったとは思えない「EcoFlow House」のエントランス。(右)自然に囲まれた環境で、ゆったりとした時間が流れている。3人家族の1日当たりの電気使用量を発電できる(晴天時で日照時間6時間の場合)ハイブリッドなハウスです

『EcoFlow House』では、宿泊の場だけに留まらず地域文化の発信の場も兼ねています。伊那市周辺の企業が手を取り合い、地元企業を始め、伊那市に縁のある酒造メーカー「信濃錦」、「カモシカシードル」や「kurabe」などレストランも参画しています。その中心を束ねているのがポータブル電源メーカーの『EcoFlow』です。

県外には出回らない伊那谷野菜とは?


伊那市を中心とした企業や地元の方々の座談会の様子

 施設では、宿泊者限定で伊那市が誇るレストラン『kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN』の地元食材を使用したスペシャルコース(※出張料理プラン。宿泊者限定・希望者のみ・別途料金)を楽しむことができるのもポイントの一つです。

 特に驚くのは珍しい野菜とその味の力強さ。地元の伊那谷野菜は、地産地消され中々県外では出会えない逸品なのだとか。その伊那谷野菜をふんだんに使用した、サラダから始まるコースに期待が高まります!


「『清明』の季節の伊那谷温野菜のサラダ、岩魚のバーニャ・カウダ」。原木しいたけ、野蒜、ヤブカンゾウの零余子(むかご)、黒長大根、ヤーコン、冬菜、なばな(小松菜)、アスパラガス、ケール、春掘り長芋、プチヴェールなど伊那ならではの野菜がふんだんに使われたサラダ

 この日前菜として提供されたサラダは、「『清明』の季節の伊那谷温野菜のサラダ、岩魚のバーニャ・カウダ」。『kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN』の渡邊シェフに料理についてお話を伺うと。

「啓蟄(けいちつ・3月上旬)を経て、清明の季節となった伊那谷の春野菜や芽吹き始めた野草などを温野菜サラダに仕上げました。ソースはジャパンアルプス(南アルプス、中央アルプス)を東西に抱える伊那谷の強みである渓流の冷涼で清冽な流れで育つ岩魚をアンチョビの代わりに使ったバーニャ・カウダソースです」と渡邊シェフ。

 伊那の自然をぎゅっと一皿に体現したかのようなサラダに舌鼓を打ち、お次はガレットに。

本場フランス人も舌を巻いた渡邊シェフのガレット


本場フランス人も舌を巻いた「伊那谷ガレット・コンプレ」

「長野と言えばそば」というくらい、そばのイメージの強い長野ですが、同じそばでも本日はガレットです。本場フランス人も驚いた品質の良いガレットとのことですが、その秘訣はなんなのでしょうか?

「フランスの栽培標高は海辺であることからあまり高地ではありません。いっぽう伊那谷では最低でも640m帯から高くて1200m帯で栽培が行われています。また、日本の中でもとりわけ日射量の豊富な伊那谷はトップの宮古島に次ぐ2位から3位。この絶好の環境が高次元に整う伊那谷のそばは当然美味しくなるのも不思議ではありません。

 そして、そばに対する日本農業の技術レベルの高さと、製粉に対する手間を惜しまない技術が収穫後のそばの品質を落とすことなく流通させることにも成功しており、そばを美味しく食べる事に対する日本人の愛情がこうした評価に直結していると考えています」と渡邊シェフ。

 奇跡的な条件と、長野の人々の「そば愛」が至極のガレットを産み出しているのでした。

 伊那市高遠産のそばを独自ブランド「伊那谷シードル」で溶き、醗酵させたガレット生地で作る香り高いそばガレットで、「そば」と「りんご」どちらも伊那谷の風土気候で豊かな味わいに仕上がる代表的な食材が融合してできる世界で無二の地域限定型ガレットです。


スペシャルコースを担当する『kurabe CONTINENTAL DELICATESSEN』の渡邊シェフ

「どちらも伊那谷の環境が作り上げる『ここにしかない』『今しかない』まさにオフグリッドな味わいです。ぜひ召し上がってほしいです」と渡邊シェフ。伊那の自然と人々の叡智が詰まったコース料理の品々は、伊那の特徴をぎゅっと圧縮したような魅力を感じました。

 今回『EcoFlow House』を訪れてみて、「ハウス」というその名にふさわしく、地元の人々が家のように集える場所、自然や環境を守り続けたい人や企業を繋ぐ場所だということが分かりました。「ハウス」というプロダクトをモチーフに、つながるコミュニティを再構築したデザインは、日本が抱えるコミュニティや地方創生の解決のヒントを垣間見た気がしました。

●DATA

EcoFlow House

https://jp.ecoflow.com/pages/ecoflow-house-2023
※出張料理プランは宿泊者限定・希望者のみ・別途料金がかかります

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