夫婦間の「異常な関係」が苦痛に…2つの経験談に共通する支配手法「ガスライティング」の事例

2024年5月27日(月)22時5分 All About

「モラルハラスメント(モラハラ)」とは違う、新たな支配手法「ガスライティング」を知っていますか? ガス夫(ガス妻)によるガスライティングの罠に無意識にやられてはいないか、全10問のチェックリストで確認しましょう。

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夫婦関係は100組あれば100通り。夫と妻のパワーバランスもさまざまです。
一般的に昭和の夫婦が「主従関係」であったのに対し、令和の夫婦は「対等」であるといわれています。
しかし、まだまだ収入面、社会的な地位、学歴、体格や体力面でも男女に差があることも多く、自然と「強いものが弱いものを支配する」という関係になってしまいます。

家庭を支配する「テイカー」、搾取される「ギバー」

例えばビジネスでは対等な関係の中で人と人とがお互いに与え、受け取る「ギブ&テイク」がルールです。
しかし家庭の中のいびつな上下関係に基づく間柄では、自分の利益優先で一方的に奪い取る「テイカー」が、自己犠牲を払って相手に与え続ける「ギバー」を搾取し続けるようなことも起こります。
そしてその搾取を続けるために相手を支配する方法の一つが一般的に周知された「モラハラ」です。
はた目には愛想がよく社会的な地位もあり、頼れる夫(妻)に見えていた人が、実はとんでもないモラハラモンスターだったなんてことも、筆者が主宰する夫婦仲相談所では、よく聞きます。

新たな支配方法「ガスライティング」とは?

さらに最近、もっと外から見えにくい支配方法である「ガスライティング」の事例も増えてきています。
「ガスライティング」の語源は、1944年のアメリカ映画『ガス灯』。
妻が夫により精神的に追い詰められ、次第に正気を失っていく様子を描いた心理サスペンスの名作で、ヒロイン役のイングリッド・バーグマンがアカデミー主演女優賞を受賞した作品としても有名です。
ガスライティングの手法は、ささいな嫌がらせを行ったり、わざと誤った情報を提示し続けたりすることで、被害者が自身の記憶や知覚、正気などを疑うよう仕向ける心理的虐待。
自分が虐待されていることをモラハラよりも自覚しにくく、「私がおかしいのかも?」と自分を疑い続けているうちにメンタルを病み、パートナーに完全に支配されてしまうことも少なくありません。

夫婦間の「ガスライティング」実例

最近、夫婦仲相談所に寄せられたものにも、ガスライティングを思わせる案件があります。

(1)妊娠中の体調不良に苦しむ30代女性の事例

「今妊娠中ですごい倦怠感なんです。体調がすぐれず、買い物や家事がうまくできないことがよくあります。夫に頼まれたものを買い忘れたり、やろうと思っていた手続きができなかったりすると、夫からは、
『なんで昨日言ったことを忘れるわけ?』
『子どもが生まれたらもっといろいろ大変になるよ。今からそんな風でどうするんだ』
『母親としてやっていけるのか心配だ』
などと、ため息交じりに言われます。決して怒鳴られるとか責められるわけではないのですが、毎日このように言われていると、本当に私ってバカなんだなあと思って落ち込みます。
このまま出産を迎えて子どものお世話をしなければいけないと思うとどんどん不安も大きくなって、妊娠していることが苦痛になってきました。いい母になれるでしょうか」(30代女性)

(2)ママ友コミュニティで疎外感がつらい40代女性の事例

「うちのマンションは比較的居住者のコミュニティがしっかりできていて、共有スペースでのイベントを通じて顔見知りの方がたくさんいます。
前回のイベントは私が仕事の都合で参加できず、夫と息子が参加しましたが、今月は久しぶりに私が息子と参加しました。
以前は声をかけてくれるママ友も多かったのですが、今回は私たち抜きでおしゃべりをしているママ友が多く、なんとなく仲間外れにされている雰囲気。
思い切って近くのママに『久しぶりに来たら、みんな冷たいじゃない〜。なんだかぼっちになっちゃった』と声をかけたら、『あ、旦那さんから聞いたよ。体調大丈夫なの?』と困ったような反応をされました。
家に帰って夫に、前回のイベントで何かあったのかを質問したのですが、『何もない』と言うばかり。ママ友たちとは、その後も疎遠が続いています。夫かママ友のどちらかが嘘をついているのでしょうか?」(40代女性)
どちらも、モラハラのようにわかりやすくはないですが、相手からじわじわと心理的攻撃が進んでいる可能性が匂ってきます。

全10問でわかる「ガスライティング」チェック

もし、以下のようなことがご自身とパートナーの間に起こっているとしたら注意が必要です。
1. 自分自身の尊厳を否定されるようなひどい言葉を言われる
2. 自分の勘違いや間違いを指摘されることが多い
3. 物が無くなる、壊れるなど、自分にとって不都合なことや不思議なことがよく起きる
4. 友人・知人や親兄弟との交流を制限されたり禁止されたりする
5. パートナーが嘘をついたり言っていることがすぐに変わったりするが、それを指摘しても「そんなことはない」と否定される
6. 親戚や周囲に対して悪いうわさや評判をたてられたことがある
7. 自分が一番大切に思っていることやものを、価値のないものだと否定される
8. 身に覚えのないことも、自分のせいにされる
9. 同じことを何度も繰り返し言われる
10. 自分の感覚や感情を「異常だ」「被害妄想だ」などと否定される
いずれも、怒鳴りつけるとか手が出るわけではありません。これら10問のうち、半分以上当てはまるようならガスライティングの可能性が高いです。

まとめ

それでもまだ、「まさかそんな大げさな! きっと私の思い込みよ……」と思うようなら、さらに注意。冷静なジャッジができなくなっているかもしれません。
あなたのことを尊重しない人と、老後を健やかに過ごすことができるか? それまでに心を病んでしまいそうです。
まずは状況を冷静に判断してくれる第三者に、二人の関係性を相談してみましょう。

三松 真由美プロフィール

男女関係に悩む1万3000名の女性会員が集うコミュニティを展開。セックスレス・ED・女性性機能に詳しく、性を通して男女関係を円滑にするメソッドを考案。講演、メディア出演、著書多数の恋愛・夫婦仲コメンテーター。執筆家。
(文:三松 真由美(夫婦関係ガイド))

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