2024年度「缶ビールの売上」ランキング! 2位「一番搾り」、1位は?【ビールの専門家が解説】

2025年5月27日(火)19時45分 All About

マーチャンダイジング・オンの提供する流通POSデータサービス「RDS-POS」をもとに、2024年度の「缶ビールの売上」をランキング化。2位「一番搾り」、1位は? ※サムネイル画像出典:チリーズ/PIXTA(ピクスタ)

プッシュ!とふたを開け、手軽にビールの味や香り、のどごしを楽しめる缶ビール。仕事や家事が一段落してゆっくりくつろぎたいとき、バーベキューやパーティーのお供、暑い季節のドリンクとしても人気です。そんな缶ビールはいったいどんな商品が売れているのでしょうか。
今回はマーチャンダイジング・オンの提供する流通POSデータサービス「RDS-POS」をもとに、2024年度の「缶ビール(350ml)の売上」をランキング化。その結果を紹介するとともに、All About ビールガイドのタカバシショウヘイさんが、商品の特徴などを解説します。

3位:キリンビール 晴れ風


3位は「キリンビール 晴れ風」。キリンビールの標準的な価格帯のビールとしては17年ぶりの新ビールブランドで、「ビールとしてのうまみや飲みごたえ」と「飲みやすさ」のバランスの取れた味わいが特徴。売れ行きは好調のようで、年初目標を1.3倍に上方修正した550万ケース(大びん換算)を達成したと言います。

2位:一番搾り


2位は「一番搾り」。ビール作りにおける麦汁のろ過工程で最初に流れ出る“一番搾り”麦汁のみを使う製法を採用。麦のうまみが感じられる、飲みやすい味わいを追求したビールです。パッケージも“一番搾り”らしさにこだわり、1990年3月の発売から今までに14回のデザインリニューアルを行っています。

1位:アサヒスーパードライ


1位は「アサヒスーパードライ」。1987年に誕生した、スッキリとした飲み口とキレのある味わいが特徴の辛口ビールです。2022年には発売以来初のフルリニューアルを実施し、中身やパッケージデザインなどを刷新。“辛口”のコンセプトはそのままに、キレのよさを維持しながら飲みごたえを向上させています。

ランキング上位商品の共通点

All About ビールガイドのタカバシショウヘイさんに、それぞれの商品の特徴や、ここ最近の缶ビールのトレンドをお聞きしました。
タカバシ:1位のアサヒスーパードライと2位の一番搾りは、いずれも30年以上の歴史を持つフラッグシップです。この2ブランドが上位を維持しているのは、長年にわたって築き上げてきた確固たるブランド認知と消費者からの信頼の表れでしょう。
一方、3位の晴れ風は、キリンビールが新時代のフラッグシップとして市場に投入した新鋭ブランドです。17年ぶりの新ブランド立ち上げという挑戦が実を結びつつあることは注目に値します。
ランキング上位のビールに共通する特徴として、「商品の特徴が強すぎない」点が挙げられます。消費者は、単にのどの渇きを潤すだけでなく、食事との相性や、さまざまな飲用シーンに柔軟に対応できるバランスのよさを求めています。
特に晴れ風は「すっきりと楽しく飲みたい」というニーズを的確に捉えた製品設計と、効果的なプロモーション戦略が功を奏したと言えるでしょう。知名度の高いタレントを通じたイメージ訴求も市場浸透に寄与したものと考えられます。
酒税法の改正により、従来の「ビール」「発泡酒」「新ジャンル」といった境界線が薄れる中、消費者の選択基準は「カテゴリ」から「ブランド価値」や「飲用体験」へとシフトしつつあります。この環境下で、長い歴史と高い認知度を持つブランドが強みを発揮する一方、「晴れ風」のように明確なコンセプトと効果的なコミュニケーション戦略を持つ新ブランドも市場で存在感を示しています。
ビール市場における「イメージ」と「実際の飲用体験」の調和が、今後も売上を左右する重要な要素となるでしょう。
<参考>
・マーチャンダイジング・オン RDSスーパー全国 ビール類 2024年4月〜2025年3月 100店舗当たり累計販売金額
※RDS MD分類:ビール類から抽出
・キリンビール「販売絶好調の『キリンビール 晴れ風』飲食店展開開始へ」
※20歳未満の飲酒は法律で禁止されています

タカバシ ショウヘイのプロフィール

フードブロガー。2005年より生ビールブログを開始。2013年の沖縄移住後は地元密着型のランチブログを開始し、10年以上運営中。沖縄での暮らしの中で見つけた、食の楽しみと各地のグルメ情報などを発信している。All About ビールガイド。
(文:タカバシ ショウヘイ)

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