塩竈市出身の記者でも、「竈」の字は書けなかった! あなたは書けますか?

2018年5月27日(日)11時0分 Jタウンネット

宮城県の沿岸部に位置し、生鮮めばちまぐろの水揚げ量で日本一の塩釜市。実はこの塩釜市、市公式サイトや公用文では「塩竈市」と、書くのが難しい「竈」の字で表記されている。


なにを隠そう、この記事を書いているJタウンネット記者は、同市の出身だ。現在24歳の筆者。小学生の頃、国語の授業で練習したのだが......いまなお「竈」の字が書けず、「釜」の方で書いている。そこで故郷・塩釜市(以下、記事中ではこの表記とする)に「竈」と「釜」について聞いてみた。


小学3年に社会科で学ぶ


「塩竈」のこの「竈」。訓読みでは「かまど」「へっつい」で、音読みで「そう」と読む難読な漢字だ。21画と多く、市サイトの紹介ページでは書き順が、漢字ドリル風に紹介されている。


地名の由来は、海水を煮て塩をつくる製塩用のかまど「塩竈」に起因する。日本各地の砂浜にこうしたかまど(塩竈)がかつてあった。現在の塩釜市域にあったものが、そのひとつとして有名になり、そのまま地名になった。


自治体として「塩竈」表記に統一するようになったのは、市制施行された1941年から。それまでは「鹽竈」、「塩竈」、「鹽釜」、「塩釜」などが、混在して用いられていた。同市の市名は「鹽竈神社」にちなんでいる。しかし「鹽」は当用漢字の「塩」を使って問題はないが、「竈」と「釜」は字義が違っているため、「釜」ではなく「竈」に統一された。


塩釜市総務課によると、


「市の方から、通知書といった公文書を市民の方に送る際は『竈』の方を使っていますが、市民の方が市役所に提出するものや郵便物などを送る際に『釜』を使っても問題ありません」

としている。実際、筆者自身も「塩釜市」と表記して、実家などに郵便物を送っている。


市内の小学校全7校では、社会科の授業の一環として、「わたしたちのしおがま」という市の歴史、島などについて学ぶ副読本を1992年4月頃から使っている。この副読本を使う中で、字を練習しているという。


市民が「竈」をどれくらい書けるのか、といったアンケートは行われたことが無いというが、1981年に市が「『塩竈』の地名に不便を感じるか」とアンケートをとったところ、「特に不便を感じない」が54.8%だった(有効回答率40.9%)。


市は「使い慣れない字ではありますが、市の名前に由来しているのでぜひ覚えて使ってもらいたいですね」と字への思いを語ってくれた。


Jタウンネット

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