アメリカ陸軍の新型地対地ミサイル「ディープストライク」の弾頭性能試験が成功 年末の実射試験に向け前進

5月27日(月)16時43分 おたくま経済新聞


 アメリカ陸軍用にレイセオンが開発を進めている、新型の地対地ミサイル「ディープストライク」。その弾頭の性能試験が行われ、所定の破壊力を示したと2019年5月22日(現地時間)、レイセオンが発表しました。すでに2019年4月にはロケットモーターの燃焼試験にも成功しており、今年秋以降に予定されている実射試験に向けて、開発計画は大きく前進したことになります。

 アメリカ陸軍が現在使用している、1970年代に開発され、まもなく運用期限を迎えようとしているロケット兵器を置き換えるために計画された「高精度打撃ミサイル(Precision Strike Missile=PrSM)」に対し、レイセオンが提案したミサイルシステムが「ディープストライク」です。ロッキード・マーティンがアメリカ陸軍用に生産しているMGM-140 ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)の倍となる、およそ300km以上の有効射程距離を持つ弾道ミサイルで、GPS誘導とクラスター弾頭により精密な面的制圧を実現するもの。既存のM270A1 MLRS(多連装ロケットシステム)や、M142 HIMARS(高機動ロケット砲システム)といった自走多連装ロケット砲のランチャーから発射できるように要求されています。

 レイセオンのディープストライクはMGM-140 ATACMSよりも直径が小さく、同じスペースに倍搭載できることが大きな特徴。ATACMSは1発あたりM26無誘導ロケット弾6発分のスペースを占めますが、ディープストライクは同じスペースに2発搭載可能なので、MLRSでは最大4発、HIMARSでは最大2発搭載でき、打撃力が向上します。



 アーカンソー州カムデンにある試験施設で実施された、弾頭性能試験の成功を受けて、レイセオン次世代ミサイル部門のトーマス・ブッシング副社長は「今回、ディープストライクの予備設計に立脚した試験に成功したことで、我々が迅速に陸上兵力の要求に合致したものをお届けできるということを示せたと思います。先進技術とミサイル設計開発に関する豊富な経験により、レイセオンは陸軍に最適な長距離地対地ミサイルの供給における無二の地位を築いています」というコメントを発表しています。



 ディープストライクの有効射程距離は、使用する目的や発射する弾道などにもよりますが、おおむね60km〜499kmの範囲。計画では2019年の第4四半期に実射テストを予定しており、2023年に初期運用能力獲得を目指すとしています。日本の陸上自衛隊をはじめとする多くの国で採用されているM270 MLRS(多連装ロケットシステム)で運用可能なことから、アメリカでは将来的な有償軍事援助(FMS)による海外セールスも視野に入れています。

<出典・引用>

レイセオン ニュースリリース

アメリカ陸軍装備取得サポートセンター(USAASC)

(咲村珠樹)

おたくま経済新聞

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