自分で自律神経をカンタンにコントロールできる方法とは。小林弘幸「あの行為こそが体内に影響を及ぼし、体の調子を変化させる」
2025年5月29日(木)6時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「朝起きたばかりなのに疲れている」「会社や学校に行くのが憂鬱」といった体調不良に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。自律神経の名医・順天堂大学医学部の小林弘幸教授いわく、「自律神経を整えれば、自然に体調はよくなっていく」そうで——。そこで、小林教授の著書『毎日の体調がよくなる本 − ちょっとしたことだけど効果的な方法50』から一部引用・再編集し、〈おうちでできる、自律神経を整える健康法〉を当連載にてお届けします。今回のテーマは「呼吸で体調をコントロールする」です。
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呼吸で体調をコントロールする
呼吸と副交感神経
人は安心しているとき、呼吸がゆっくりと深くなります。逆に、イライラしたり、緊張したり、怒っていたりするときは、呼吸が速くなって浅くなります。
これまで繰り返し「緊張したときは深呼吸」と本に書いてきましたが、その理由は副交感神経が優位になって、交感神経と副交感神経のバランスがとれ、血液を押し流す力がうまくはたらき出して末梢血管の血流がよくなるからです。
すると、筋肉がゆるんで体がリラックスしてきて、精神的に安定していくのです。呼吸と自律神経には強い関係があり、自分で意識できる呼吸で間接的に自律神経をコントロールできるようになります。
呼吸を意識する習慣
呼吸は、よくも悪くも、体内のさまざまなところに影響を及ぼし、体の調子を変化させます。
呼吸の速度や深さは意識的に変えられるので、「浅くなっている」「速くなっている」と思ったら、ゆっくり深く呼吸しましょう。それだけで、交感神経優位に傾いていた自律神経のバランスが回復し、末梢血管の血液量が増えて体の調子が整っていきます。
呼吸法は、自分の意思でできるもっとも簡単で無料の自律神経のコントロール法です。
『毎日の体調がよくなる本 − ちょっとしたことだけど効果的な方法50』(著:小林弘幸/興陽館)
ストレスや加齢によって自律神経のバランスが乱れやすくなっている方は、ぜひ自分の呼吸を意識して整える習慣を身につけてください。
※本稿は、『毎日の体調がよくなる本 − ちょっとしたことだけど効果的な方法50』(興陽館)の一部を再編集したものです。
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