世界遺産でも日本遺産でもなく「京都遺産」 南禅寺水路閣などが追加される

2018年5月30日(水)11時0分 Jタウンネット

2018年5月24日、京都新聞ウェブ版で「京都遺産第2弾に3件認定」という記事が報じられ、話題となっている。


認定されたのは、「千年の都の水の文化」「京町家とその暮らしの文化」「明治の近代化への歩み」など、それぞれのテーマの文化の集合体だという。


しかし、そもそも京都遺産とは何か、読者の皆様はご存じだろうか? Jタウンネット編集部は京都に電話して話を聞いてみることにした。


水路閣が有名な琵琶湖疏水も、京都の明治時代に輝く金字塔...!


電話で答えてくれたのは、京都市文化市民局の文化財保護課の担当者だ。


「京都市には、約1200年の歴史の中で蓄積された、国宝、重要文化財、市指定登録文化財をはじめ、数多くの文化遺産があります。それらを、新たな視点でテーマごとにまとめ、個別ではなく、集合体として認定しようというのが、京都遺産です」

2017年3月、第1弾として、「北野・西陣の伝統文化」「庭園文化」「火の信仰と祭り」の3件が認定されたという。それぞれの内容については、パンフレットが配布されており、京都市文化財保護課が運営するサイト「まち・ひと・こころが織り成す 京都遺産」の中で掲載されているという。


その一つ、「北野・西陣でつづられ広がる伝統文化」をのぞいてみよう。1日で千両を超える絹織物の取引が行われていた「千両ヶ辻」など、京の伝統工芸・西陣織の歴史を振り返るスポットが紹介されている。また北野に伝わる「長五郎餅」、江戸初期からロングヒットを続ける「粟餅」など歴史スイーツなどにもふれられている。この「北野・西陣」編のパンフは人気が高いという。


冒頭で紹介した「千年の都の水の文化」「京町家とその暮らしの文化」「明治の近代化への歩み」は、2018年3月、第2弾として認定された。こちらの内容はまだウェブサイトには掲載されていない。


京都市発表の資料によると、例えば「明治の近代化への歩み」では、テーマについては、次のように解説されている。


「全国に先駆けた小学校の創設や高等教育機関の開設,琵琶湖疏水の建設,日本初の事業用水力発電所の創業や電車事業の開始など、先進的な取組に挑戦して今日の発展の礎を築いた」

また具体的な構成遺産の一つとして、水や電力を供給してきた琵琶湖疏水の文化が取り上げられており、主な構成遺産として、南禅寺水路閣、蹴上発電所、インクラインなどがリストアップされている。近ごろ観光船の運航で注目を浴びている琵琶湖疏水関連の施設は、1000年を超える京都の歴史の中では新しい方だ。それでも明治中期、かなり年代ものだ。


他にも、柳池校跡、島津製作所創業記念資料館、同志社彰栄館など、さまざまな施設が取り上げられている。こちらも興味深い。


ツイッターには、こんな感想があった。


「水の文化」には、個人的に想い入れが。水路閣が有名な琵琶湖疏水も、京都の明治時代に輝く金字塔ですねー!
京都遺産第2弾に3件認定 水の文化、京町家、明治の近代化 https://t.co/C9bs5Dvkm5
- 龍志 (@shangrilagrove) 2018年5月24日

世界遺産はもう古い。時代は京都遺産だよ https://t.co/a0utwp9Wrq
- ぺいがん(?o o?) ←サンポーニャ (@paganheartjp) 2018年5月24日

世界遺産「古都京都の文化財」(京都市、宇治市、大津市)はあまりにも有名だ。京都遺産の方はまだまだ知られていないが、内容はなかなかのものだ。さすが京都だ。


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