江戸川区「ここにいてはダメです」 ド直球すぎるハザードマップ話題、制作の意図を聞いた

2019年5月31日(金)20時0分 Jタウンネット


2019年5月下旬、東京都江戸川区が発表した「江戸川区水害ハザードマップ」が話題となっている。


冊子の表紙には、東京都の東部、江東5区のイラストマップが描かれている。江戸川区の位置を示す場所に、


「ここにいてはダメです」



というキャッチコピーがデザインされている。そこから伸びた吹き出しの中に、「洪水のおそれがないその他の地域へ」という言葉もある。


ツイッターには、これを見た人々から、こんな感想が寄せられている。


「まさか自分が住んでる区から『どっか行け』って言われるとは思わなくて笑っちゃった」
「江戸川区内には居場所はないのんか?」
「江戸川区のハザードマップが話題だったので、自分も住んでる地域のハザードマップを見てみたら、自宅のあたりはもし河川氾濫があったら5m級の真っ赤っか地域でしたw」



多くの江戸川区民にとっては、かなり衝撃だったようだ。これはいったいどういうことなのだろう?


「区内にとどまるのは危険です!」


ショックを受けた人も、もう一度冷静になって、江戸川区発表の冊子PDF「江戸川区水害ハザードマップ」をよく読んでみよう。


「水害が起きたら、どうなる?」と解説するページがある。これによると、「江戸川区のほとんどが水没します」と記されている。しかも江戸川区だけでなく、江東5区のほとんどが「水没」し、「250万人が浸水」するそうだ。


江東5区とは、江戸川、墨田、江東、足立、葛飾のこと。この地域内には海面より低い海抜の「ゼロメートル地帯」が広がっている。最大10メートル以上の浸水が、1〜2週間以上続く場合もあるそうだ。


浸水が長く続くと、水道・電気・ガス・トイレが使えない生活に耐えなければならない。衛生的にも、精神的にも厳しい状況となる。ピンチだ! どうしよう?


パニックになる前に、「江戸川区水害ハザードマップ」内の、「どうする?」ページをじっくり読んでみよう。冒頭に紹介したイラストマップが再度登場する。


巨大台風や大雨が予測されるときは、「区外」へと強調されている。「区内にとどまるのは危険です!」という見出しも立てられている。ただし、「各自で避難先を確保」しなければならない。「区外の親戚・知人宅や宿泊施設・勤め先などで各自避難先を確保してください」とのこと。


「江戸川区水害ハザードマップ」を熟読したが、読めば読むほど、不安が増してくる。


ツイッターには、こんな声も届いている。


「何かあっても『責任とりません』(=「事前に危険であることは伝えた」)という宣言なのか」
「江戸川区民って69万人いるんだけど...。これだけの人間を大雨の中、山の手や郊外に移動させるなんて可能なの?」



そこで、Jタウンネット編集部は、江戸川区役所に電話で詳しい話を聞いてみた。答えてくれたのは、江戸川区防災危機管理課の本多吉成統括課長だ。


「水害は地震と違って、ある程度の予測が可能です。江戸川区は2日(48時間)前を目安に、自主的な広域避難を呼びかけます。1日(24時間)前に広域避難勧告を発表します。広域避難は早ければ早いほど良いと思います。
広域避難についての正しい情報を、正しく理解してもらうために、このハザードマップを作りました。6月からは区内各所で説明会を行っていく予定です。より多くの方に関心を持っていただき、避難に備えていただきたいですね」



避難するタイミングを逃して、江戸川区内にとどまってしまうと、リスクは増えるだけだと、本多課長は断言した。早めの広域避難について、職場や家族で前もって十分に相談しておく必要がありそうだ。

Jタウンネット

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