「妊娠中、2歳の娘と乗った電車は男子高校生でいっぱい。席を譲ってくれようとした子に向かって、娘が...」(福岡県・60代女性)
2022年6月1日(水)11時0分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Kさん(福岡県・60代女性)
妊娠中、2歳の娘とともに電車に乗ったKさん。学生の帰宅時間と重なり、車両には多くの男子高校生が乗っていたという。
彼女たちが座る場所はなかったのだが、娘は「座りたい!座りたい!」の連発で......。
<Kさんの体験談>
下の子を妊娠していた時の話です。その日わたしは2歳の娘を連れて、筑肥線の電車に乗りました。
それがたまたま学生さんの帰宅時間に重なり、車内には沢山の男子高校生。わたしたちが座れる場所はありませんでした。
おしゃべりな娘は、車内で「座りたい! 座りたい!」の連発。「今、乗ったばかりだからもう少し待って。無理を言ったらいかん」と、コソコソと伝えたのですが......。
40年も前のことだけど...
そうしていると、私たちの前に座っていた学生さんが、「ここどうぞ」と席を立とうとしました。
しかし娘はその子に向かって、「お膝がいい」と言い出したのです。
娘の言葉に、周りも「膝の上のほうが高くていいよねえ」と言って、娘は席を譲ってくれようとした学生さんの膝に座らせてもらえることになりました。
「いくつ?」
「2しゃい」
「へぇ、おしゃべり上手やね」
娘と学生さんたちは、そんな風におしゃべり。彼らには私にも席を譲ってくれようとしたのですが、「子供だけで大丈夫です、ありがとうございます」と気持ちだけいただきました。
ほのぼのとした時間が過ぎ、娘を膝に乗せた学生さんが「次で降りるから、1人で座れる?」と娘に聞きました。すると、娘が5本束になったキャンディから1本取って、彼にプレゼント。
周りから「イェ〜イ」と声をかけられ、彼は少し照れて「ありがとう」って言ってくれました。
次の駅でほとんどの学生さんが降りて行き、ホームから電車に向かってずっと手を降っておられました。
40年も前の出来事ですが、ほのぼのとした優しさはしっかり覚えています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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