レトロなお菓子「シベリア」が巣鴨で転生! ふわとろ「シベリアロール」が大人気の理由

2019年6月1日(土)12時0分 食楽web


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 突然ですが、みなさんは「シベリア」を食べたことがありますか?

 昔、パン屋さんに必ずあった、カステラ生地に羊羹を挟んだ三角形のレトロなお菓子のことです。最近はあまり見かけなくなりましたが、今、なぜか東京・巣鴨で大人気なんです。

 それが、地蔵通り商店街にある『とげぬき福寿庵』の「シベリアロール」です。実は、このお店、日本初のシベリア専門店なんです。

 “お年寄りの原宿”と呼ばれている巣鴨ですが、このシベリアロールを求めて老若男女がわざわざ遊びに来るほど。実際に、食べてみれば納得の美味しさです。


「シベリアロール」1本1,500円

「シベリアロール」は、その名のとおり、ロールケーキ型。そしてカステラ部分が、ふわふわのスフレのようなスポンジケーキで、中央の羊羮の部分は、まるでクリームのような滑らかなあんこ。すべてが口のなかで一体となってとろけるような食感で、甘さもほどよくしつこくありません。まさにシベリアの進化版なんです。


2年前にオープンした『福寿庵』

不思議なお菓子「シベリア」


『福寿庵』の「シベリアロール」1/4カット390円

 ここで、少し「シベリア」の歴史についてご紹介しましょう。

 とはいっても「シベリア」は、ルーツをたどっても謎が多いお菓子なんです。まず、ナポリタンやトルコライスと同じように、ロシアのシベリア地方のお菓子ではありません。あんこが入っているのでどうやら日本独自のものらしいのですが、いつ、どこで生まれたのかも、誰が作ったのかも、どうしてその名前になったのかも全く不明。また、今でも洋菓子、和菓子のどちらにも分類されていないのです。

 ただ、明治後半から大正初期頃には食べられていたようで、昭和初期には「子どもたちが食べたいお菓子No.1」だったという記録が残るのみ。


昔ながらの三角形のシベリア

 ではなぜ、今、このシベリアが巣鴨で大人気になっているのでしょうか? 「シベリアロール」を考案した『とげぬき福寿庵』総支配人・土井征哉さんにお話を聞いてみました。

「実は私、シベリアの魅力に惹かれて、日本全国のシベリアを食べ歩いていたんです。カステラ×あんこという日本人が大好きな組み合わせですから、各店、それぞれに美味しいのですが、現代人にとっては少し甘すぎるうえ、食感も少し硬めだと思いました。今では売っているところも少なくなってきているので、このシベリア文化を残すために、現代版を作ったらどうかな、と思ったんです」(土井さん、以下同)

 そこで、シベリアを改良すべく、まずは食感をやわらかく、甘さを控えめにすることに取り組んだそうです。カステラ部分にはメレンゲを加えて食感がふわふわのスポンジケーキに、また羊羹の部分は、口の中でとろけるようなクリーム状のあんこを詰め、ロールケーキ型にしたんだそう。

「食感を柔らかくすることで、新しい食べ方も提案することができました。冷やしてアイスクリームを載せたり、温めてバターを載せたり。食べ歩きにもちょうど良いということで、TVにも紹介されて、おかげさまで人気になったんです」


「シベリアonアイス」463円、「あったかシベリア(バター載せ)」390円も販売中

 昔ながらのシベリアを知っている人も、知らない人も、進化版「シベリアロール」には感激すること間違いなしです。とくに今の季節は、アイスクリーム載せで「シベリアロール」を体験してみてください。みずみずしいあんこと冷たいアイスが相性バッチリです。ちなみに「シベリアロール」は通販でも買うことができますので、ぜひお試しを。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:とげぬき福寿庵

住:東京都豊島区巣鴨4-26-3
TEL:03-5961-038
営:10:00〜18:00
休:不定休
https://peraichi.com/landing_pages/view/2910

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