バスガイド気分で「通勤コース」を歩いたら、ビジネス街が「バズる観光地」に見えてきた

2018年6月2日(土)11時0分 Jタウンネット


私ことK編集長は、先日30歳になった。20代のうちは目前の仕事を片付けるのに精一杯だったが、そろそろ楽しむ余裕もできれば......と欲が出てくる。ウキウキしながら生きるには、どうしたらいいんだろう。そういえば日々の生活で、羽を伸ばせる場面は、だんだん減ってきてる気がする。


そんなある日、ふと日常を「旅行」だと思えばいいんじゃないかと考えた。毎日の通勤コースでも、旅行中なら楽しく歩けそう。そんな思いから、旅っぽい格好に身を包み、見慣れた街を散策してみることにした。


あの人気アニメの聖地を巡礼


旅行するからには、まず形から入りたい。観光客でも楽しそうだが、「旅へ導く側」になって、ご近所を案内したら、新たな発見ができそうだ。ネット通販で、それっぽい服を購入。ウイッグと帽子をかぶり、首にはスカーフと笛をあしらう。白手袋をしたら......完成だ。


「本日、旅のお供をさせていただきます! Jタウン旅行社のKと申しますっ!!!!」

苦笑する編集部員(お客さん)を前に、あいさつをする新人ガイド。社旗っぽいのは、自宅でアイロンプリントを駆使して作った。今回の行程は、すべて徒歩。「バスガイド」とは呼べないので、おもわず話題にしたくなるスポットを紹介する「バズガイド」を名乗ることにした。我ながらいいネーミングだ。


Jタウンネットの編集部は、東京・四ツ谷が最寄駅だ。まず駅前に向かい、周囲の目が気になりつつも、1つ目のスポットを案内する。


「お客さま、このあたりが有名な映画の舞台になったって、ご存知ですか? もっと先の方にある神社が有名なんですけど。アニメの作品で思い浮かぶ......」

誘導尋問で「君の名は。」と答えさせて、斜め上にある看板を指さす。いまは「綿半」と会社名のみだが、この1〜2年前まで「綿半野原ビル」と書かれていた。もちろん「君の名は。」に描かれているのは、後者の看板。あまり知られていないが、れっきとした聖地巡礼スポットである。


「四ツ谷には、もうひとつ代表的な看板があります」と連れて行ったのは、雪印メグミルクの本社前。雪をかたどったおなじみのマークが、でっかくあしらわれている。「給食の牛乳が雪印だった」と語るお客さん(後輩)に、「ここは本社ですが、登記上の本店は札幌にあるんですよ」なんて豆知識を披露する。白手袋で指させば、それなりの様になる。


もちろん最新スポットもご紹介します


バズガイドたるもの、最新スポットも当然押さえている。こちらは四ツ谷駅麹町口のロータリーにある公衆トイレ。つい最近リニューアルしたばかりの(個人的には)注目スポットだ。インスタ映えはしないが、生活を支える大切な存在。千代田区公式サイトによると、「四ツ谷見附公衆便所」が正式名称らしい。


トイレから少し東へ行くと、大きな時計が見える。ここは宴会場などが入った「東京消防庁スクワール麹町」。ある時から「調整中」の張り紙がされ、正午を指したまま動かなくなっている。今回初めて知ったのだが、時計の上にある柱のようなものは、火消しの「纏(まとい)」をイメージしているようだ。


「こちらのコンビニエンスストアをご覧ください。店内に銀行ATMがないんだと、ひと目でわかるようになっています」。あえて雑談で出す話題でもないかと、胸の中にしまっていた「ちょっとした気づき」も、ガイドという大義名分があれば共有できる。やっと言えて、スーッとした。


ここ数年で、一気に現代語となった「バズ(Buzz)」だが、実は「うわさ話」の意味も持っている。トイレが新しくなったり、時計が止まったり、看板にバッテンされたり......。これらの話題は、根拠なしに「こんな理由なんじゃない?」と推測するだけでも、なんだか楽しくなってくる。


Jタウンネットは、この夏で5周年。「いつもの街が、ちがって見える」を新たなキャッチフレーズに、見慣れた風景を「旅行」に変えるお手伝いをしたいと、ひそかに考えている。あなたの街に「Jタウン旅行社のバズガイド」が訪れる日も近いかもしれない。


Jタウンネット

「観光地」をもっと詳しく

「観光地」のニュース

「観光地」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ