日本の大麻解放運動はメンバーが残念? 元参加者が語った内情とは?

6月2日(木)8時0分 tocana

イメージ画像:『レアリテ(2007年2号)』(エクスナレッジ)

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 女優の高樹沙耶の参院選出馬が話題だ。

 1980年代から90年代にかけて数多くのトレンディドラマに出演していた高樹は、ここ10年ほど女優業は廃業状態で、本名の益戸育江名義で“ナチュラリスト”として活動。現在は石垣島に居住し、講演活動などを行っている。そんな彼女が激戦が予想される東京選挙区において新党改革からの出馬を表明、公約には医療用大麻の推進を掲げている。

 大麻解放というと、60〜70年代に花開いたヒッピー文化の残り香といった印象がある。ヒッピー文化はアメリカ西海岸で生まれたムーブメントで、自然回帰とラブ&ピースを主張し、ニューエイジ運動に強い影響を与えた。実際、高樹の現在の生活も、自然とともに生きる“スピリチュアル全開”な暮らしだ。大麻解放運動の実際のところはどうなのか。何度か大麻解放系の集会に参加したことのある鈴木氏(30代・仮名)に話を訊いた。

「まず高樹さんが掲げる医療用大麻の推進は、世界的な流れであるのは確かです。アメリカなどでは、ヘルニアなどの慢性的な痛みを抱える患者に医療用大麻が処方されており、また末期がんの激しい痛みにも効果があるといわれています。実際、がんの痛みの緩和ケアに用いられるモルヒネは、ドラッグであるアヘンが原料で、ヘロインはそのモルヒネを精製して作られます。それなのに大麻が医療用に使われないのはおかしい、という議論があることは確かです。ただ、日本の大麻解放運動の場合、ほかにもいろんなものがセットになっています」(鈴木氏)

 大麻は覚せい剤などのケミカル系ドラッグとは異なるとはよく使われるフレーズである。実際、大麻は大麻取締法、覚せい剤は覚せい剤取締法と適用される法律が異なる。大麻が非合法化されたのは戦後になってからである。それまでの日本には大麻から繊維を採取する産業があった。それまでの日本は大麻と共存していたが、アメリカの押し付けにより大麻文化が破壊されたというのが、推進派の言い分の一つだ。

「大麻解放運動の主流にいるのは、昔ながらのヒッピー文化の延長線上にあるような人たちです。大麻はいいことずくめだから解禁しようというもの。ただ、国家のあらゆる規制に反対する“なんでも反体制”みたいな人が大麻解放運動にコミットしていたりしますし、大麻解放は世界的な流れだから日本も見習えといった、“なんでもグローバル派”みたいな人もいます。主張は同じであっても、内実がまったく異なるんです」(前出・同)

 推進派が掲げる大麻のメリットは多い。丈夫な繊維が取れたり、オイルが取れたり、果ては放射性物質除去にも効果を示すという。東日本大震災後にも、福島の汚染地域に大麻を植えようという主張がなされたこともある。もっとも、世間的にはトンデモ扱いされていたが…。しかし、何より医療用大麻ばかりが注目されるのはなぜだろうか。

「それが一番、主張しやすいポイントだからでしょう。大麻解放派の人たちはとにかくメリットばかりを主張し、デメリットには目を向けません。いっそ“思い切り吸わせろ”といわんばかりに開き直ってくれた方がまだマシです。実際、本物の嗜好家は“こっそり楽しんでいるんだからとやかく騒ぐな”という人たちが多いですね。とにかく日本の大麻解放運動は玉石混交すぎるという印象です。もう少しまともな人が増えて、そういう人たちがこの運動に取り組めば風通しもよくなりそうなんですが…」(前出・同)

 ひとまず、スピリチュアル全開の高樹沙耶が、日本の大麻解放運動の真の先駆者となりえる可能性は低そうだ。
(文=平田宏利)


※イメージ画像:『レアリテ(2007年2号)』(エクスナレッジ)

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