スパイクジラの出現に北欧の漁協が警告! ロシア秘密部隊に訓練された?

2023年6月1日(木)17時0分 tocana

 船にイルカやクジラが寄ってくる光景は微笑ましいものだが、中にはとんでもないものが近寄ってくる可能性もあるとか。


 2019年、ノルウェーのハンマーフェストにてカメラ付きのハーネスをつけたベルーガ(※)の雄個体が漁師によって目撃された。ハーネスには「サンクトペテルブルクの装備」と書かれており、ベルーガはそのハーネスを取ろうとして漁船に体を擦り付けていたそうだ。


(※)北極海周辺の冷たい海に生息する、全身白色のイルカの仲間。(鴨川シーワールドより)


 当時、専門家はCNNの取材に対し、このシロイルカは充分に人になついた訓練された個体であったことから、ロシアが訓練して海に放った「スパイクジラ」である可能性が高い、と語っている。また、以前、ノルウェー漁業局の海洋生物学者ヨルゲン・リーウィグ氏は「ロシア海軍が以前からベルーガを訓練して軍事作戦を行うことは知られている」と語っていた。それによると、ベルーガは海軍基地の警備やダイバーの手助け、紛失した装備の発見などの活動に従事していたようだ。


 ノルウェー漁業総局によると、2019年以降このベルーガはノルウェー沿岸で確認されるようになり、現在はオスロ付近のフィヨルドの内側に生息しているという。しかしスパイとして訓練され、人に馴れすぎてしまったせいか、今度は逆にベルーガたちがボートや人間に自分から近寄っていくようになり、結果的に怪我をしてしまう事態が増加しているという。


 5月24日、漁業局長のフランク・バッケ・イェンセン氏はベルーガ達がボートとの接触により怪我が増えていると発表、ベルーガたちの安全のため、地元の人々には接触を避けるよう声明を出した。


「ベルーガ達は遊び感覚でボートに近寄ってしまいます。特にボートに乗っている人たちは、ベルーガ達が船の往来によって怪我をしたり、最悪の場合死んでしまったりしないよう、距離を置くように注意をお願いします。」


 ベルーガ達を飼育下に置くという話もあったが、バッケ・イェンセン氏はその可能性について次のように語っている。


「私たちは常に、問題のベルーガ達は自由に生きているので、わざわざ捕獲する理由はないと考えています。しかし、彼らが餌のとれない環境に立たされている可能性が出た場合、保護などの手段も検討しています。」


 ちなみに、冷戦期にCIA(アメリカ中央情報局)は、水中からの港湾施設への侵入ミッションのためにイルカを訓練していた。イルカにソビエトの核潜水艦と放射性兵器の痕跡を検出するためのセンサーを搭載したり、フロリダ州キーウェストでは、敵に対する水中攻撃にイルカを使用しようとしていたことも判明している。


 スパイ猫やスパイカラスなどもかつては存在したようだが、知能の高いイルカはスパイにうってつけだったということだろう。とはいえ、人間世界の汚い諜報戦に動物が使われるのはいたたまれない。


参考:「Daily Star」「CNN」ほか


【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】



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