8歳の養子が実は22歳成人… リアル「エスター」が養母殺害未遂について初めて口を開く

2023年6月3日(土)11時45分 tocana

 養母の殺害を企てたと目されている“リアルエスター”の言い分とは——。ドキュメンタリー番組のインタビューで元養子は何を語ったのか。


“リアルエスター事件”とは

 これまでトカナでは何度か“リアルエスター事件”を紹介してきたが、養母の殺害を企てたといわれている元養子のナタリア・グレイスがついに口を開いた。


過去記事:リアル「エスター」事件発生!8歳少女を養子に迎えたら、実は22歳のサイコパスと判明、大事件に発展中! 殺害予告も…


 2009年のホラー映画『エスター』は養子として迎えた少女が実は発育不全の成人女性であり、里親家族を破滅に導く恐怖のモンスターとして暗躍するストーリーだが、それを地で行く物語がこの“リアルエスター事件”である。


 2010年4月26日、米インディアナ州在住の夫妻、夫のマイケルと妻のクリスティンのバーネット夫妻(2014年に離婚)はウクライナの孤児院にいたナタリア・グレイス(6歳)を養子として迎え入れた。ナタリアは小人症の症状があり身長は90センチほどで歩行に障害があった。


 夫妻はナタリアを大いに可愛がって育て2年が経った時点で、ナタリアに妙に大人びたところがあることに気づき、医者に診せたところこの時点で8歳のはずのナタリアが少なくとも14歳以上であると診断されたのだ。


 この頃からナタリアの家庭内での問題行動が目立つようになる。養母のコーヒーに漂白剤を入れたり、バスルームに自分の血で「殺す」と書いたり、養母を害獣対策用の庭の電気柵に押し付けようとしたりと、夫妻を危険な目に遭わせるようになった。


 ナタリアに手が負えなくなった夫妻は、養育義務の免除ために裁判所にナタリアの年齢の修正を申請し、2012年にナタリアが1989年9月4日生まれの22歳の成年女性であることが認められたのだ。その後、夫妻はナタリアにアパートを与えて別居することを決め、実の子供たちとカナダへ移住した。


 夫妻から「小人症の社会病質な大人」だと非難されたナタリアだが、当人の言い分はこれまであまり報じられていない。


 しかしディスカバリー+のドキュメンタリーシリーズ『The Curious Case of Natalia Grace(ナタリア・グレイスの数奇な事件)』で、遂にナタリア本人が疑惑についてカメラの前で語ったのだ。


ナタリア「すべて実際には起こっていないことです」

「私の側の話として、何が起こったのかを話す機会がなかったので、何が起こったのかを話します」(ナタリア)


 ナタリアはようやく自分の声が世に伝わることに安堵しているようだ。


「私がやったこと、クリスティンとマイケルが言ったことは嘘です。クリスティンとマイケルが言ったことを私がやったことは一度もありません」(ナタリア)


 ナタリアは養父母の主張を激しく非難し、根も葉もない嘘だと糾弾する。


「皆さんはクリスティンとマイケルから、そして彼らが言ったことを聞いています。でも、何が起こったのかを知るには、両方の意見を聞く必要があります」(ナタリア)


 ナタリアはこの話は彼らの捏造であると主張する。


「クリスティンとマイケルの言うことをすべて聞くのはとてもイライラします。というのも(その話の中で)私はすでに自分が何者なのか分からず、自分が誰なのか、そして私に何が起こったのか知りたいのですが、クリスティンとマイケルの話はすべて実際には起こっていないことだからです」(ナタリア)


 そして元夫妻以外の人々からも話を聞くようにとナタリアは要求する。


「今から家族(元夫妻の実の子供たち)の誰にでも聞いてください。……ただ聞いてください。『彼女(ナタリア)は何かしましたか?』と。彼らは私が真実の人間であることを教えてくれるでしょう。彼らは嘘をつきませんし、私も嘘をつきません」(ナタリア)


 元夫妻の実の息子のジェイクは「母は100パーセント無実ではない」と述べている。つまりクリスティンにも非があったというのだ。


 またマイケルは過去に元妻がナタリアを殴ったことがあると発言した記録も残されているという。


 ちなみに当時のバーネット家の隣人は、ナタリアに良い印象は持っておらず、連続殺人犯のような雰囲気があったと述懐している。


 育児放棄ではないかと争われた裁判は元夫妻の無罪で結審しているのだが、まだ明らかになっていない真実があるのか気になるところだ。



参考:「Daily Star」「Daily Mail」ほか

tocana

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