昼寝を多くする子供たちは、幸福度や学力が高く問題行動が少ないという研究結果(米研究)

6月7日(金)9時30分 カラパイア

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 「寝る子は育つ」と言われるように、子供にとって睡眠は心身の成長に大切なもの。夜に足りない睡眠を補うために昼寝を推奨する専門家もいる。

 実際に昼寝は子供にメリットをもたらすようで、今回、アメリカの研究チームが小学生を対象とした調査を行ったところ、昼寝をする子供ほど幸福度や学力が高く、行動面においても問題が少ないという結果が報告された。
・睡眠不足による子供たちへの影響

 この研究はアメリカのペンシルベニア大学とカリフォルニア大学アーバイン校の研究チームにより行われたものだ。

 「睡眠不足と昼間の眠気は、米国の子供たちの最大20%に影響を及ぼしている」と語るのは、今回の研究リーダー、ペンシルベニア大学のジャンギョン・リウ准教授だ。

 睡眠習慣が悪いと、子供たちが認知的、感情的、身体的に悪影響を受けることは過去にも立証されているが、その研究のほとんどは就学前の幼児を対象にしたものだった。

 これは、アメリカのような国は、子供が大きくなるにつれて昼寝の習慣を完全に止めることが多いためだ。

 しかし、中国では昼寝は日常生活に取り入れられており、小学校から中学校、更には成人期まで続けられているという。

 他にもインド・ベトナムの一部地域や、ギリシャ・イタリア・スペインなどラテン系の国、南米などでも午睡(シエスタ)の習慣が残っている。


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5477687/ Pixabay

・小学生を対象に大規模調査

 そこで、リウ准教授と共同研究者で神経鑑定士のエイドリアン・レイン氏は、両大学の睡眠研究者や生物統計学者らとともに、2004年から開始された中国金壇(ジンタン)区のコホート研究を活用し、幼児期から思春期までの被験者を追跡した。

 小学4年生〜6年生に該当する10歳〜12歳の中国の子供たち2,928人から、昼寝の頻度とその時間についてのデータを集めた。特に6年生には、幸福度や気骨精神などの心理面やBMI、血糖値などの身体面における計測も行われた。

 また、教師には各生徒についての行動的および学術的情報を提供してもらい、性別、学年、学校の所在地、更には両親の教育レベル、睡眠習慣を調整しながらそれぞれの結果と昼寝の関係性を分析した。


・昼寝は子供たちに良い影響を与えることが判明

 その結果週に少なくとも3日、30分〜60分の昼寝をした子供たちは、全ての面においていい効果が表れることが明らかになった。

 幸福度はもちろん学力も向上し、問題行動を起こすことが少なかったという。

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Wavebreakmedia/iStock

・学校に昼寝タイムの導入を

 この結果を考慮し、研究者らは学校に「昼寝タイム」の導入を勧めている。

1週間に3回以上昼寝をした6年生の子供は、成績が7.6%向上していることがわかりました。学校の成績をあげたくないなどという子供はいないでしょう。(レイン氏)

昼寝は簡単に実行できるし、費用もかかりません。小・中学校には昼寝の時間を設けるべきです。下校時刻を少しずらせば、授業を短縮する必要もありません。

昼寝の効果は子供たちを助けるだけでなく、スクリーンの使用時間からも遠ざけることに繋がります。(リン准教授)

 今回の昼寝を課題にした研究では、様々なことが明らかになったが、興味深いのは、高学歴の親を持つ子供たちの方が、昼寝を多くしていることだ。

 この要因については、今後調査を進めていくと研究者らは話している。昼寝の効果については、まだまだ不確定要素が多いが、文化や個性の影響を調べることによって、昼寝の導入を世界規模で進められるかどうかも調査していくとのことだ。

 現段階では、この研究結果が思春期の眠気を対象とした将来の研究に役立つことを願っていると研究者らは述べている。

 なおこの研究論文は、学術情報誌『SLEEP』に掲載された。

References:Children who nap midday are happier, excel academically, and have fewer behavioral problems | Penn Today/ written by Scarlet / edited by parumo

カラパイア

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