家飲みをワンランクアップさせる「カマンベールチーズ」の楽しみ方

2020年6月7日(日)10時50分 食楽web


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 外出自粛のピリピリとした雰囲気も、緊急事態宣言の解除でちょっとひと段落。巣篭もり生活のおかげで、家飲みや3食家ゴハンはそろそろ飽きてきた〜という人も多いのでは?

 そんな、家ゴハンに&家飲みにちょっとした変化が欲しい時こそおすすめなのがチーズ! 濃厚だったりくさかったりフルーティーだったりと、いろんな味があって、一口味わうだけでも幸せな気持ちに。そのままでおやつや宅飲みのつまみにはもちろん、料理の素材や味変にだって応用可能。

 しかし、巣篭もり生活が続いた今だからこそ、素朴な疑問が。普段何気なく使っているとろけるチーズって、そもそも何チーズ? カマンベールって、そもそも何語? どんな意味?

 そこで、チーズに関する素朴な疑問を解消&家庭で楽しめるワンランク上の楽しみ方を教えてもらうべく、向かったのは東急東横線の学芸大学駅から徒歩6分の場所にある『ユーロアール(Euro Art)』。輸入チーズ&オーナーが生み出す個性豊かなオリジナルチーズを販売している“オートクチュールのフロマージュ専門店”です。


『ユーロアール(Euro Art)』オーナーの鈴木荒太さん。若い頃に単身渡仏しチーズを本場で学ぶ。店にはオーナーが作るオリジナルのチーズもいろいろ

 今回お話を伺ったのは、子供から大人まで大好きな人が多い「カマンベール」。くさみがなく、トロッとしたクリーミーな口あたりの、白くて丸いチーズ。そのまま味わうのはもちろん、衣をつけてフライにしたり、イタリアンな鍋の具材にするなど、日本人にとって昔から馴染みのあるチーズの一つです。

「カマンベールはフランス・ノルマンディーのチーズ。カマンベールって村の名前なんだよ。このチーズはね、昔、逃げてきた聖職者をかくまった農婦が、お礼に教えてもらったチーズと言われているんだよ。当時の教会は、ご奉仕でチーズやワインを製造・販売していてね。その製法を教会の外に伝えたことから、ノルマンディー地方で普及したんだろうね」。なるほど。かくまってくれたお礼に秘伝の製法、ということですね。

「フランスには“ブリー・ド・モー”って同じような白カビのチーズがあったんだけれど、カマンベールはコンパクトにして店に置きやすいサイズだったから、売れるようになったんだな」とオーナー。ちなみにブリー・ド・モーの一般的なサイズは直径36〜37cm。1個の重さは約2.5〜3kg。確かに一般的なカマンベールよりかなりでっかい。冷蔵庫もラップもない18世紀、たとえ切り売り、量り売りだとしても、お手頃サイズのカマンベールは便利だったんだろうなぁ。

大手メーカーと輸入との差は“熟成”だった!


「カマンベール・ジョー」250g 2800円。本家ノルマンディーで作られたカマンベールチーズ

 カマンベールは、生乳に乳酸菌や酵素を混ぜ成形。水分を抜いたのち、白カビを吹き付け、熟成させたら完成するチーズです。熟成期間が短く、作り方も比較的シンプルなため、日本国内でも牧場やチーズ専門店などで、オリジナルのカマンベールを作っているところが多いようです。

 大手メーカーが販売しているカマンベールには、熟成の進まない、包装後加熱殺菌済み「ロングライフタイプ」と呼ばれるカマンベールが多く見受けられます。逆に、本場フランスなど、輸入のカマンベールは、製造後の加熱殺菌をしていないので購入後も熟成が進み、時間が経つと、よりこってりとした味わいに。熟成が進むのと進まないのと、どちらがいいのかは、好みで別れるところです。

 そんなカマンベール、どんなお酒が合うんですか?「カマンベールはどんなお酒でも合うよ。でも個人的にイチオシなのはシードル。リンゴのスパークリングワインだね。ノルマンディーはリンゴの産地でもあるから、同じ出身地同士、相性がいいんだよ。もちろん、リンゴの蒸留酒、カルヴァドスも。ワインだったら、白よりも赤かな」とのこと。チーズに合うお酒を選ぶときは、同じ産地で作られているお酒を選ぶと、相性間違いなしってことですね。

 さらに、オススメの食べ方をオーナーに聞くと「カマンベールはね、意外とロースハムが合うんだよ。カマンベールを縦にスライスして、ロースハムと一緒にバゲットに挟むと美味いよ〜。あとはね、カマンベールの頭、上をスパッと切って、とろとろにしてね。中をくり抜いて日本酒や白ワインを入れて、チーズフォンデュ風もいいね。シンプルに味わうなら、カマンベール1切れ、リンゴ1切れを合わせて一緒に食べるのがいいよ」。リンゴの甘みと酸味、カマンベールの塩気が絶妙のバランスとのこと。カマンベールにはリンゴ。覚えておきます!


店内にはオーナーの愛車、イタリア・ドゥカティのバイクが置かれている

「アングロサクソンにしてみれば、チーズは所詮ミルクでできた漬物。主菜ではなくあくまで副菜。食後のデセール(フランス語でデザートの意味)、つまみ、調味料なんだから、うんちくや知識なんて気にせず、気軽に楽しめばいいんだよ」とオーナー。

 数多あるチーズの中でも、日本人に馴染みのあるカマンベールは、気軽に楽しめるチーズの筆頭格ではないでしょうか。専門店じゃなくてもスーパーやコンビニなどで購入できるカマンベールチーズですが、本場ノルマンディ産のものを食べてみたい、または、他にはないスペシャルなカマンベールが食べたい! というときは『ユーロアール』へ。トリュフを合わせた「トリュフベール」や、大島桜の葉で包んだ「スリーズペール」など、個性あふれるカマンベールも販売していますよ。

●SHOP INFO

ユーロアール(Euro Art)

住:東京都目黒区中央町2-35-17
TEL:03-5768-2610
営:11:15〜19:00
休:月曜(祝日の場合翌日)

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