開けるまで本の中身が分からない 図書館の「おたのしみパック」が楽しそうだと話題に→なぜ始めた?館長に聞いた

2020年6月10日(水)6時0分 Jタウンネット


神奈川県横浜市にある保土ヶ谷図書館が始めた「おとな向け 本のおたのしみパック」という取り組みがツイッターで話題となっている。

話題になったきっかけは、ツイッターユーザーの森次慶子(@W_Fei_hung)さんが2020年6月7日、この取り組みを「地球上で1番面白いエンタメ」などと紹介したこと。アップされた写真を見ると、企画を説明したボードには、

「テーマに沿って司書が選んだ本3冊をパックにしました!」

とある。

いくつかあるパックの中から、森次さんは「マリー・アントワネットを知る」というテーマを選んだそうで、その中身をツイッターで紹介。そのほか、ボードには次のようなテーマも貼りだされていた。

「あの商品を作ったひと」
「相鉄線の過去・現在・未来」
「シニアの一人ごはん〜おもに電子レンジを使って作ろう〜」

このおたのしみパックは、どんな思いから生まれたものなのだろうか。Jタウンネットは8日、保土ヶ谷図書館を取材し、館長の海老原浩志さんに話を聞いた。

本に出会うきっかけ作りを

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、4月11日から臨時休館していた保土ヶ谷図書館。5月27日から予約本の受け取りなど一部のサービスを再開しているが、まだ書架コーナーの利用はできない状況だ。

海老原館長によれば、「おとな向け 本のおたのしみパック」という取り組みをはじめたのは2日から。

もともとは子供むけだけだったが、書架にも立ち入れないという現状でも本と触れ合えるように、同館の司書がこの案を思いついたという。

「子ども向けは、年齢別に、今までやっていたおすすめ図書のような形で用意していました。
しかし、大人向けではそういうわけにもいきません。ですので、様々な趣味や興味にあったテーマを出して、それに関連した本のパックを貸し出すことにしました」(海老原館長)

最初はもっと小さいボードにテーマを貼り出していたが、世代を問わず利用者から好評だったため、テーマを増やし、大きなボードを用意した。9日現在、76種類のテーマを用意しているという。

このサービスは元々、手に取って本を選べない、という利用者に少しでも本を楽しんでもらえるように、との思いで始めたもの。

「本来なら書架に立ち入れるようになる10日をめどに終了の予定でしたが、大変大きな反響を頂いているので、少なくとも今週末ぐらいまでは続けようと思います」(海老原館長)

今回、ツイッター上で話題となったことはすでに知っていたそう。それを踏まえ、海老原館長は

「市内や、そのほかの図書館でも似たような取り組みはやっているので、今回うちを話題にして頂けたのはタイミングが良かったのだと思います。
こういった図書館の動きを評価していただけることは司書や私たちとしても大変やりがいに繋がりますので、とても嬉しいです。
これからも、当面は各種サービスの制限などで従来の図書館とはやや異なる使い方になっていくかと思うので、新たなサービスの在り方を考えていきたいです」

と話した。

また、おたのしみパックは近い内に終了する予定だというが、

「新たな本に出会う機会を作るのは、図書館としての使命。今回、とてもご好評を頂いたので、今後も何らかの形で普段自分では手に取らないような本に出会えるようなきっかけをを作っていけたら」

としている。


Jタウンネット

「図書館」をもっと詳しく

「図書館」のニュース

「図書館」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ