「鉄道部品の販売会&オークション」ってどんなトコ? 興味本位で参加してみたら→あまりの熱さに圧倒された件

2023年6月12日(月)20時0分 Jタウンネット

のりものファンにとって、駅や電車、路線バスで実際に使われていたアイテムというのは非常に魅力的だという。

それぞれがそれぞれの歴史をもつ、一点もの。コレクションすることに情熱を燃やす人も少なくないらしい。

神奈川県民にはなじみ深い相鉄グループが2023年6月3日、そんなアイテムを一般に向けて放出した。

横浜市瀬谷区で開催された「鉄道×バス 部品販売会&リアルオークションin相鉄ライフ三ツ境」に横浜在住のJタウンネット記者も参加してきたので、その様子をご紹介しよう。

会場となる一室に入ると「部品販売会」の商品である相鉄バスと相模鉄道のグッズが両脇に並んでいる。そして奥には相模鉄道・相鉄バスがオークションに出品する珍しい品々が。

駅名標なども並ぶ中、記者の目を引いたのは「羽沢横浜国大」と表示された機械である。

興味本位で訪れた記者は、この謎のマシンを巡って後に激戦が繰り広げられることになることなど、まだ知る由もなかった——。

○○万円の商品も!?部品販売会【相模鉄道編】

部品販売会はA枠からF枠に分けて6回行われた。

時間は各20分。記者は最初のA枠で参加し、まずは相模鉄道の商品を見ていくことに。

販売エリアには回数券の袋を入れる回数券箱、ホームドア用の駅名標、停車駅案内版や、相鉄の定期旅客運賃表が並ぶ。 他にもつり革や駅のホームから吊り下げられていた時計など、さまざまなものが販売されていた。

特に人だかりができていたのは方向幕のテーブルだった。その中でも異彩を放っていたのが「9000系【前面方向幕】2019-8種別・行先セット」。お値段なんと、50万円......!?

下には「大和駅長を納得させる『9000系愛』をお持ちのお客様!是非ご相談下さい!」と書かれたPOPが。

2019年11月に相鉄JR直通線を開業した際、「羽沢横浜国大」で折り返し運転が出来るよう「行先表示」を追加したものなのだが、使用していた車両が1か月で廃車になったため、短期間しか使われなかった貴重な品なのだという。

大和駅長に「ご相談」すると...どうなる?

相模鉄道側の担当者は、営業部駅務サービス課 大和管区長の長澤伸夫さんと、企画発案した同課大和管区 駅務係A担当の井手健太さん。

イベントは去年開催したオンラインオークションが好評だったことを受け、今年に入ってから大和管区員が企画。相鉄本線大和駅の地下化30周年と、相鉄バス綾瀬営業所の開設50周年を記念して相鉄バスと共催したという。

長澤さんは、先ほどの50万円の方向幕についての「ご相談」をされる相手である、大和駅長も務めている。

ぶっちゃけ、どれくらい安くすることが可能なのだろう? 記者が聞いてみると......。

「いやいやも〜それはも〜う〜んっていう感じですけど......笑」

どうやら全ては9000系への愛次第のよう。今後もし同様の機会で出品されることがあれば、挑戦してみてはいかがだろう。

買えること自体がレア?部品販売会【相模バス編】

相鉄バスが部品販売会を開くのは、2012年のファン感謝祭イベント以来。 実際に使用されていた部品など、約150点を選んで販売している。

並ぶのは、紙路線図やバスに取り付けられていた様々なプレート。相鉄のロゴが入ったバスタオルやブランケットなど、家で使えるグッズも販売されていた。

バスで使われていた音声合成機は税込1万円で販売。マニアにはたまらない品なのだろう。記者が見に行ったときにはすでに2つが売れていた。

相鉄バス側の担当者は、運輸部綾瀬営業所・所長の小野直樹さんと、企画発案した総務人事部課長の山北奈穂子さん。

去年の11月に開催された神奈川バス協会の「バス利用感謝デー2022」というイベントで、お客さんとの盛り上がりを実感。バスでも部品販売会をやりたいと思い、大和駅長の長澤さんに共催を呼びかけた。

小野さんによれば、部品販売会はほぼやったことがないため、手探りの部分もあったそう。だが実施して聞くことが出来た参加者からの声、プレートや音声合成機が売れていたことをふまえ、「傾向が分かってきたので、もしまた次回やるとしたら違ったものも出せるかなというふうに思います」と語った。

いよいよオークションへ!

さて......5枠の販売会が終わると、お待ちかねのオークションの時間だ。

会場には椅子が並べられ、抽選で当選した参加者が一点ものや激レアアイテムを見に集まった。

オークションでは鉄道とバスがそれぞれ6点の合計12点を出品。鉄道からは「大和駅 ホーム設置 駅名標2枚セット」、相鉄バスからはバス前面取付の社紋(Sマーク)などが展示されていた。

この日一番の白熱した競り合いが行われたのは、相模鉄道の「新7000系使用! 機械付・前面行先方向幕&設定機セット」だ。「新7000系」は1986年4月から2020年11月に走っていた車両で、「行先方向幕」は行先を表示するために車両に取り付けられている機械。「羽沢横浜国大駅」は2019年11月に開業した駅なので、方向幕にこの駅が入っているということは、運行最終期に制作されたものということだ。さらに、行き先を操作する設定機との販売は貴重だそう。

開始金額5万円から始まった競り合いでは、参加者2人による応酬が過熱し、2分ほどでこの日最高額の17万円に。

熾烈な争いを制したのは神奈川県在住の30代男性。相鉄が好きで、子供の頃からくるくると回る方向幕に惹かれていた。

「緊張していて落札できないんじゃないかと思っていました」(競り勝った男性)

長澤駅長も17万円という値段が付くことは想定しておらず、「びっくりしちゃいました」。

「非常に自分の中で思い入れのある商品だったので、あんなに競り合ってくれるなんて本当にうれしかったです。オークションかどうかは別として、またこういうイベントや企画をやっていきたいなと思っております」

と感慨深げに語っていた。

Jタウンネット

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