定年後の住まい “引っ越さない”選択のメリットは?

6月15日(金)11時0分 NEWSポストセブン

あえて「引っ越さない」という選択もある

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 定年し、子供が独立した場合、これまでのように大きな家はいらなくなると考える人もいるだろう。定年後の引っ越し、住み替えには大きく分けて3つのパターンがある。「郊外の戸建て」から「都会のマンション」に引っ越すか、逆に「都会のマンション」を離れて「田舎暮らし」を始めるか。もう一つは「子供との同居」だ。同居まではいかなくても、子供と“スープの冷めない距離”に住むことを考えている人は少なくないだろう。


 もちろん、住み慣れた家から“引っ越さない”という選択もある。


 都会に引っ越したものの、近所に知り合いがいないために家に引き籠もりがちになって一気に認知症が進むリスクを指摘する専門家は少なくない。リタイアすれば地域コミュニティが人間関係の中心になり、ご近所と助け合いができる関係は代えがたい財産だからだ。


 ただし、注意が必要なのは自宅の立地条件だ。関西の山の手の住宅地に住むAさん(76歳)は800万円をかけて自宅をバリアフリーにリフォームした。ところが、脳梗塞に倒れ、一命を取り留めたものの、運転はできなくなった。


 困ったのは妻だ。自宅はバリアフリーでも、駅まではアップダウンが多く、一歩外に出るとバリアだらけなのだ。妻は免許がない。買い物も夫のリハビリもタクシーを使うことになった。


「リフォーム代を頭金にして駅近くにマンションを買っておけばよかった……」とAさんは後悔しきりだ。


 引っ越しで地域社会との付き合いを断ち切りたくないが、今の家では年を取ると生活が難しいという場合は、「住んでいる地域で駅に近いマンションに移る」方法もある。そうすれば地域の交流にも参加しやすい。


 しかし、そうした“ご近所さん”も、いつまでもいるとは限らないことは覚悟しておかなければならない。


「ずっと付き合おうと思っていても、懇意にしていた人たちも年を取って都会に引っ越したり、老人ホームに入ったりと、だんだん少なくなっていくものです」(ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏)


※週刊ポスト2018年6月22日号

NEWSポストセブン

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