冷麺、うどん…見た目も涼しい「冷やし麺」のお店3選

6月15日(金)7時0分 NEWSポストセブン

冷麺 900円(別辛)(撮影/小松 潤)

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 だんだん暑さ厳しくなるこれからの季節、食べたくなるのが「冷やし麺」だ。全国には、ご当地の名物冷やし麺が数多くある。ここでは、冷麺とうどんの名店を紹介しよう。


●食道園(岩手県・盛岡冷麺)


 弾力のある麺のツルツルとした喉ごしとスープの透明感が涼を運ぶ、「盛岡冷麺」。わんこそば、じゃじゃ麺と並ぶ盛岡三大麺として地元で愛されている。


 盛岡冷麺は赤いスープを連想させるがベースは澄んだ牛スープ。キムチを入れることで赤くなり、漬け汁で辛さを調節する。


 盛岡冷麺発祥の「食道園」では辛さの違う4種類のスープを供すが、キムチが別盛となる「別辛」では牛スープをストレートに味わうことができる。


 同店では良質な国産牛を肉9:骨1の割合で煮込んでエキスを抽出し、丁寧に脂を濾す。繊細なスープはコクがあり、上品なビーフコンソメのよう。具の大根キムチの瑞々しい辛さや三杯酢で味付けしたキュウリのほんのりした甘さ、牛チャーシューの甘辛さが少しずつ溶け出すと、スープがより深みを増す。


 盛岡冷麺が誕生したのは、昭和29(1954)年。平壌の近郊で生まれ育った初代が好物だった故郷の冷麺を売り出したが受け入れられず、日本人の舌に合うように研究を重ねて生み出した。


「そば粉が入った黒くてコシの強い麺は当初、輪ゴムのようだと酷評されて散々だったようです。そこで小麦粉と片栗粉でオリジナルの白い麺を作り上げたのです。筒に生地を入れて絞り出す製麺機も自分たちで考案しました」


 こう語るのは2代目の青木雅彦さん。軌道に乗るまでに10年ほど要したが、経営が行き詰まるたびに店の味に惚れ込んだ地元の文化人らに励まされ、徐々に周囲にも店が増えたという。平壌生まれの冷麺は盛岡の人々に育まれ、盛岡名物へと発展した。


・住所:岩手県盛岡市大通1-8-2

・営業時間:月〜土11時半〜15時、17時〜23時/日・祝11時半〜15時、17時〜21時

・定休日:第1・第3火曜日


●冷麺温麺専門店 胡月(大分県・別府冷麺)


 旧満州(中国の東北部)で食べられていた冷麺を和風にアレンジした「別府冷麺」。昭和43年(1968)年から別府冷麺を売り出した「胡月」によれば、別府冷麺はそば粉配合のコシの強い麺、キャベツの自家製キムチ、牛肉のチャーシューの3つが入っていることが条件だという。昨年末まで店に立っていた初代の浦田直美さんが、誕生の舞台裏を明かす。


「かつての別府温泉は農閑期の骨休めや修学旅行生で賑わっていましたが、昭和40年代当時は温泉だけではなかなか人を呼べなくなっていました。これといった名物もなかったので、温泉に入った後に食べられる冷たい麺があれば、セットで町おこしができるんじゃないかなと。そこで別府独自の麺料理を作りたいと考えて、そばでもうどんでもラーメンでもない、新しい麺を作り出したんです」(浦田さん)


 ラーメンとうどんの中間ほどの太さで大陸譲りのもっちりしたコシの強い麺は、アルデンテのスパゲッティのような味わい。力強い麺とマッチするように、葉がやわらかい白菜ではなくパリッとした歯触りのキャベツをキムチに使う。辛さの違う唐辛子をブレンドしたキムチは爽やかな辛みが後を引き、思わずおかわりをしたくなる。醤油ベースの和風出汁は「二日酔いでも喉を通る」というほど、さっぱり。淡いスープと力強い麺が互いの風味を絶妙に引き立てる。


 店は一度閉店したが、10年来の常連客2人が名店の味と想いを引き継いで再開を果たし、別府冷麺の歴史を守っている。


・住所:大分県別府市石垣東8-1-26

・営業時間:月11時〜16時/水〜金11時〜17時半/土、日11時〜19時

・定休日・火曜日


●手打ちそば 泉の里(埼玉県・すったてうどん)


 埼玉県中部に位置する川島町は昔から小麦栽培が盛んで、うどん文化が発展。夏に農家の人たちが好んだ冷や汁“すったて”は、うどんやご飯と合わせて食べられることが多かった。「泉の里」では4〜10月に期間限定で「すったてうどん」が提供される。


 手打ち麺がゆで上がるまで10分以上かかるが、待ち時間の楽しみはすったて作りだ。すり鉢で地元産の金ゴマをすりつぶしたら、田舎味噌、玉ネギ、キュウリの順にすり合わせ、自家製出汁を加減しながら、好みの味に仕上げていく。ミョウガと大葉を加える頃には、冷水でキリッと締まったうどんが運ばれてくる。すったてにつけて平らげた後は、残り汁にご飯(200円)を入れて〆るのもいい。


・住所:埼玉県比企郡川島町吹塚755-1

・営業時間:11時〜14時半、17時〜22時(L.O.21時)

・定休日:水曜日


※週刊ポスト2018年6月22日号

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