歯茎マッサージ、喫煙、抗生物質…歯周病にまつわる嘘や誤解

6月16日(土)7時0分 NEWSポストセブン

歯周病にまつわる誤解を解く

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 日本人の抜歯原因1位が「歯周病」だ。にもかかわらず、患者を惑わせる様々な“嘘”や“誤解”が蔓延し、検査や治療が必ずしも適切に行なわれていない実態がある──発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が“歯周病治療の罠”を告発する。


 * * *

 歯科医が去年出版した著書にこう記されていた。


「歯周病は歯茎マッサージで治る!」


 その“効果”について、歯周病治療のリーダーとして歯科医たちを指導する弘岡秀明氏(スウェーデンデンタルセンター・院長)に聞いた。


「マッサージすると、歯肉が引き締まるので、歯周病の症状が改善したと“錯覚”してしまうのです。昔から、歯肉マッサージで歯周病は治ると主張する歯科医がいますが、原因の細菌を除去しなければ、歯周病は決して治りません」


 間違った情報に騙されないよう注意してもらいたい。


 こんな間違った情報もある。以前取材した歯科医の一人が「定期的に検査を受ければ、歯周病患者でも喫煙可能」と記事に書くように要求してきた。自分のクリニックに患者を誘導する意図が見えたので断わった。日本歯周病学会のガイドラインから、抜粋・要約する。


「喫煙は、歯周病の最大リスクファクターとして強い関連性が示されており、喫煙者は非喫煙者に比べて2〜8倍、歯周病に罹患しやすい。喫煙者の歯周治療には、禁煙が必須であることを十分に説明する」


 タバコのニコチンには、免疫機能や細胞の働きを阻害する作用があり、歯周病を悪化させる要因であることが明確なのだ。


 いま、歯周病治療として、抗生物質を長期的に投与する方法が行なわれるようになった。これについて、口腔内細菌の権威・奥田克爾氏(東京歯科大学・名誉教授)は警鐘を鳴らす。


「歯周病は感染症ですから、抗生物質は一時的に効きますが、中長期的に使用すると腸内細菌フローラを撹乱して、ディスバイオーシス(※注)を起こします。歯周病のような慢性感染症に抗生物質を長期間投与すべきではありません」


【※注/「腸内微生物相のバランス異常」を表わす。免疫機能の破綻、肥満、糖尿病などの原因となる】


 また、抗生物質の長期投与は、“薬剤耐性菌”を生み出す。感染症になった際、薬が効かなく、命の危険に晒される可能性もあるのだ。


 抗生物質の投与は、基本的に“3日間”。これより長い場合は、治療に問題があると考えたほうがいいと、奥田氏は指摘する。


※週刊ポスト2018年6月22日号

NEWSポストセブン

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