2種類のインフルエンザウイルスがコロナ禍に絶滅? 感染予防対策の思わぬ副産物

6月17日(木)19時0分 FINDERS

Photo by Shutterstock

文:角谷剛

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、私たちの生活様式を一変させた。外出時にはマスクを着用し、人との距離を保ち、手を頻繁に洗うようになった。

いまだこのパンデミックに勝利したとはとても言えないが、こうした感染予防対策が思わぬ副産物を生んだようだ。

昨年3月から1年間以上見つかっていないインフルエンザウイルス

新型コロナウイルスの脅威が世界中を覆った時期、インフルエンザの感染数は歴史的な低水準に収まった。アメリカ疾病予防管理センターは、マスクの着用など地域社会の緩和対策が、その理由と見ている。

医学ニュースサイト『STAT』によると、2種類のインフルエンザウイルスが2020年3月から1年以上、世界中のどの医療機関でも検出されていないということだ。

その2種類のウイルスとは、A型インフルエンザウイルスの亜型の一つであるH3N2と、B型インフルエンザウイルスの山形系統。これらは地上から絶滅した可能性もあるという。

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インフルエンザのワクチン開発が簡素化する可能性

毎年、インフルエンザが流行する前に、医学者たちはその年に流行すると予測されるウイルスに対応したワクチンを開発する。このウイルスの種類は年を追うごとに多様化しており、ワクチン開発が困難になりつつあった。しかし、今回ウイルスが絶滅した可能性が出たことで選択肢が減り、ワクチン開発が簡素化することが期待されている。

世界保健機関(WHO)のリチャード・ウェビー氏は楽観視を戒めながらも、インフルエンザ感染数の低下について、「間違いなくインフルエンザウイルスの多様性に、何かしらの変化が起きるでしょう。何が変わり、またその変化がどれだけ続くのかは、今も大きな疑問として残っています。ただ、我々は今までこのような状況を経験したことがありません」と語っている。

新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだアメリカでは、マスク着用を義務つける社会的ルールが各地で緩和されつつある。しかしながら、マスクは必ずしも新型コロナウイルス対策に限ったものではない。今後もインフルエンザが流行する時期などは、マスクは人々が健康と生命を守るための有効な手段として受け入れられていくかもしれない。


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