ホンダの新型フリードに試乗! 売れているのに刷新する理由は? 走りは?

2024年6月19日(水)11時0分 マイナビニュース

ホンダが8年ぶりに「フリード」のフルモデルチェンジを実施し、もうすぐ発売する。このクルマ、発売からかなり時間が経つのに今でも売れ続けているホンダの人気商品だが、なぜ今、フルモデルチェンジなのか。新型になって走りはどう変わったのか。プロトタイプに試乗してきた。
なぜ今? フリード刷新の背景
2008年に初代、2016年に2代目が登場したフリードは、5ナンバーサイズの取り回しのいい小柄なボディに多人数が乗れる3列シート(5人乗り2列シート仕様もある)を組み込んだコンパクトミニバン。「ちょうどいいホンダ」をキャッチコピーとするCMでおなじみだ。
30代の子育て世代をメインターゲットにしたそのクルマ作りは、あらゆる面で“ちょうどいい”仕上がり。トヨタ自動車「シエンタ」とともに、コンパクトミニバン市場で長く2強時代を続けてきた。
日本自動車販売協会連合会の乗用車販売ランキングでフリードは毎年トップ10以内をキープしてきた。現行モデルがマイナーチェンジした2019年ごろからを振り返ってみても、ライバルのシエンタに勝ったり負けたりと大健闘。2022年にフルモデルチェンジしたシエンタには少し差をつけられたが、直近の2023年度(2023年4月〜2024年3月)でも国内10位、ホンダ内ではあの「N-BOX」の次に売れるクルマとして約7.5万台/年が売れ続けていた。
ただ、そんな大ヒットモデルとはいえ、ほぼ国内専用モデルという立ち位置もあり、コスト面からいって頻繁にモデルチェンジを繰り返すわけにもいかなかった。現行型登場から8年目となる2024年のフルモデルチェンジは既定路線だったようだ。
ハイブリッドの「エアー」に試乗
栃木県宇都宮市にあるホンダのテストコースで最初に乗ったのは新型フリードの標準車「エアーEX」のFFモデル。ハイブリッドシステムは現行の「i-DCD」から「e:HEV」に進化している。ハイブリッドのエアーEXは最も売れると目される組み合わせだ。
全長4,310mm、全幅1,695mm、全高1,755mm、ホイールベース2,740mmというサイズ感は、車台を2代目から引き継いだこともあり、相変わらずコンパクトで使いやすそう。楕円形の2つのデイタイム/ウインカーランプとビーム式ライトを組み合わせたヘッドライトや四角形を十字に切ったコンパクトなリアライトなど、クリーンなデザインが印象的だ。ガンダムチックなデザインが多かったちょっと前のホンダ車とは完全に決別したスッキリ感があり、誰にでも快く受け入れられそうに思える。
インテリアも同様にスッキリとした。メーターは先代のアウトホイール型からインホイールメーターに変更。水平基調となったインパネが広い視界を提供してくれていて、特に子供達を乗せることが多いパパやママにとってドライブする際の安心感が高い。
e:HEVは最高出力78kW、最大トルク127Nmの1.5LアトキンソンサイクルDOHCエンジンに90kW/253Nmの2モーター内蔵電気式CVTを組み合わせる。走りは想像していた通り、モーター駆動で走行する時間が長くなっていた。低・中速域で走行する環境が多い日本では、静粛性や燃費の面でより優れた性能を発揮してくれそうだ。
駆動力は穏やかさとスムーズさを徹底的に追求した感じが顕著で、アクセルを踏んでも同乗者になるべくショックを与えないようしっかりと調教されている。一方で、Bレンジに入れておけば約2倍の減速度を得ることができて、ワンペダルに近い速度コントロールが可能となるので、ドライバーの疲労度軽減にもつながるはずだ。
サスペンションは柔らかめの設定。コーナーにちょっと速いスピードで侵入した時には結構なロールを許すものの、コース内にある荒れた路面や3連続で続く段差を通過する際には、ボディがゆすられることなく穏やかに通過できた。乗り心地抜群のセッティングは先代譲りだ。
ハイブリッドシステム自体に関しては、現行モデルが搭載しているi-DCDの方がダイレクト感があって、峠道や高速道路主体の走りが多い場合にはそちらの方が良かったと判断するユーザーさんがいらっしゃるかも。なぜそう思うかというと、筆者の次男(20代、3歳と1歳の子持ち)が乗っているのが現行のフリードハイブリッドで、自分でもステアリングを握ることが何度かあったからだ。
ガソリンの「クロスター」は軽快な走り
次に乗ったのはガソリンエンジン搭載のFFモデル。アウトドアテイストの「クロスター」というタイプだ。新型フリードは基本的に、エアーとクロスターの2タイプから選ぶことになる。
87kW/142Nmの1.5Lポート噴射エンジンに「フィット」よりもギアをローレシオにしたCVTを組み合わせた走りは、フル加速時にはステップアップ、ブレーキング時にはステップダウンするシフト制御がエンジン車らしい。鼻先の軽さがあり、コーナーではハイブリッドモデルよりロールが少ない感触が伝わってきた。
減速時に行うフューエルカット機構は、全気筒を一斉に行なっていた現行モデルに対し、新型は1気筒ずつタイムラグをつけて順番に行うことで、ボディに伝わるショックをほぼ感じないレベルにまで軽減している。エンジン屋のホンダらしい新機軸だ。
最後に興味深かった点をひとつ。同じモデルであるにも関わらず、タイヤがヨコハマ「ブルーアース」とグッドイヤー「エフィシェントグリップ」の2種類あった。前者はサイドウォールが角張った形状、後者は丸く膨らんだ形状で、一目でタイヤの違いがわかる。これによって走行性能に差が出そうだが、製造時のタイミングでどちらになるかは分からず、購入時に選択はできないそうだ。
原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら

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