孫が非常事態に! 祖父母の立場からどうすれば守れるか

6月19日(火)11時0分 NEWSポストセブン

”宝もの”が傷つけられないために

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 東京・目黒区で起きた5歳児の虐待死事件では、犠牲になった船戸結愛ちゃんは継父や母親から暴行・虐待を受け、「おねがいゆるして」と覚えたばかりのひらがなで“反省文”を書かされていた。そのニュースは結愛ちゃんの祖父母世代には胸を絞めつける話だった。


「もし自分の孫が……と想像すると耐えられない。結愛ちゃんの実父の祖父母が“助けてあげられなくてごめんね”とコメントしていたが、決して責められない。もし自分が結愛ちゃんの祖父だったら、一体何ができただろうかと考えてしまいます」(61・男性)


 息子や娘の夫婦が不仲になってしまったことで、孫が苦しい立場に追い込まれてしまった末に起きてしまった痛ましい事件は少なくない。各地で相次ぐいじめ問題のニュースにも同様の受け止め方がある。


「なぜ学校の教師や両親が救ってやれなかったのかという憤りの一方で、祖父母が“避難先”になれなかったのだろうかという思いもある。孫が可愛いと思うなら、そういう時にこそ役に立ちたいのに」(63・男性)


 孫が“非常事態”となったとき、祖父の立場からどうすれば守ってやることができるのか──。


◆「お泊まり」の効用


「遠くに暮らしていても、孫にしてあげられることはたくさんある」


 そう話すのは、子供のメンタルに詳しい臨床心理士の石割美奈子氏だ。


「孫たちが遠方に住んでいて普段なかなか会えないなら、誕生日に電話をかけるだけでもいい。両親が不仲だと子供は家庭の外に愛情を求めるようになります。そのとき、祖父母が話を聞いてあげるだけでお孫さんは安心するんです。また、お祝いの日にお孫さんが嬉しそうな声をしているかどうか、それで心理状態や家庭環境も推し量れる」


 ただし、孫可愛さにプレゼントを頻繁に送るのはNGだ。


「孫がほしがっていたゲームソフトを買ってあげたら“甘やかさないで頂けますか”と嫁が激怒してしまい、しばらく孫に会わせてくれなくなった」(68・男性)と、かえって交流が途絶えてしまうことにもなりかねない。


 孫が一人で外出できるくらいの年齢なら、こんな方法もあるという。


「例えば定期的に祖父母が孫を預かって『お泊まり』させるのは、孫の置かれた環境を観察するのに効果的です。親たち抜きで“どんなご飯が好きなの?”“好きな遊びは何?”“休みの日はどうすごしているの?”などと質問するだけで、孫の普段の姿が見えてきます。


 その間、育児から解放された両親が息抜きでき、夫婦で落ち着いて話し合うこともできるというメリットもあります」(石割氏)


 68歳男性・Aさんは、娘から5歳の孫を預かったとき、気になる言葉を聞いた。


「最近、お母さんがお父さんとケンカするの」


 心配して娘に話を聞くと、口から出てくるのは夫の愚痴ばかりだったという。


「旦那が忙しくて、平日どころか土日も家にいない状況。娘もパートに出ていて、仕事と育児で相当なストレスがあることがわかりました。たまに旦那が帰ってきても寝てばかりだから、つい文句を言ってしまうという。


 それ以来、『子育てで大変だろうから、たまには夫婦で旅行でも行ってきなさい』と娘を促し、定期的に孫を預かるようにしました」(Aさん)


 空き部屋などの事情で「お泊まり」が難しければ、保育園・幼稚園の送り迎えを買って出るだけでも効果はある。


 Bさん(72・男性)の義理の娘はキャリアウーマンとして忙しく働いている。


「嫁は『仕事を休めない』と口癖のようにいっていて、4歳の孫娘は毎日、夜間保育もやっている保育園に朝早くから夜10時まで預けられっぱなしでした。これではかわいそうだと週3回は私が夕方にお迎えに行き、晩御飯を食べさせてから、夜、息子の家に送り届けるようにした。


 ストレートに『孫がかわいそう』なんていったら嫁を怒らせるだけなので『せっかく汗水たらして稼いだお金を、保育園に払うのはもったいない』といって。送り迎えに40分かかるので体力的には大変ですが、孫も私の料理を楽しみにしてくれているようだし、私にも嫁にも、孫にとってもよかったなと思っています」


※週刊ポスト2018年6月29日号

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