昔は月100時間残業も当たり前だったけど......コンサル業界の働き方、今はどうなってるの?

2022年6月17日(金)22時22分 キャリコネニュース

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どうも、外資系うさぎのちょこさんです。前回は、コンサルティングファームへの就職や転職にあたってあるあるの「外資コンサルって仕事できなかったら3ヶ月で首になるって本当なの?」という疑問について解説しました。今回は、同じく定番の「コンサルって実際どのくらい残業してるの?」がテーマです。


コンサルファームにも働き方改革が一定浸透していきたかなという今日この頃、”とは言え実際どうなのよ?”ってところ、気になりますよね。では早速、ちょこさんの実体験など交えつつ、解説していきましょう。(文:外資系うさぎのちょこさん)


波はあるけど、トータルで見ると明らかに残業は減っている



まず前提として、コンサルタントの負荷は、アサインされたプロジェクトによって大きく変わってきます。プロジェクトの予算や納期、期待値などによって、そんなに大変じゃないときもあれば、激務にならざるをえないときもある、といった感じです。


ただ、ファーム内の全コンサルタントの平均、ひとりのコンサルタントの年間残業時間、など大きな単位で考えると「コンサルタントの残業時間は明らかに減っている」というのが現役コンサルとしての見解になります。


体感としては、マネージャより下のスタッフクラスの平均が30時間/月(所定労働時間8時間の場合)くらいです。もちろん、波が結構激しいので、毎月コンスタントに30時間の残業かと言うとそうでもないなく、全く残業しない期間もあれば、今週は毎日遅くまで頑張らないとな...って日が続くこともあります。


今と昔、どういうところが違うの?


コンサルファームは高い報酬と大きな成長を求めてハードワークも厭わないツワモノたちが集まるところ、いわばプロスポーツの世界に近いような環境。働く側も入社する側も発注する側も、みんながそう思っていた頃がありました。


そういう世界、とみんながわかった上で働くのであれば、それは全然問題ないことだと思います。でも、前回の記事でも触れたように今やコンサル業界は大量採用時代。昔に比べたらかなり一般的な就職先になったと言えるでしょう。


色々な考えを持ったコンサルタントたちが各々の価値観を大事にしつつ高いパフォーマンスを発揮していくためにも、昔ながらのハードワーク上等な働き方からはどうしても脱却していかないといけません。


ファームもそのあたりを強く意識していて、特に働き方改革以降、「マネージャはスタッフクラスの残業を極力減らすように」と労務管理の徹底を求められることが多くなりました。


残業は毎日事前申請が必須で、月45時間(36協定の規定)を超えることが想定される場合は別途部門長の承認を得ないといけません。さらにプロジェクトごとの稼働時間モニタリングを強化し、残業が多いプロジェクトには改善のため支援が行われます。ほかにも、定時後のミーティングは原則禁止など、各ファームともあの手この手で残業を減らしにかかっています。


じゃあコンサルタントってもう全く残業しなくていいの?って言われると、やはりそれはそうでもないので、こんなときには結構忙しくなるよってのをいくつか例示していこうと思います。


残業が多くなるのはこんなとき


クライアント役員への報告タイミングの直前に、プレゼン内容を考えてパワポをひたすら作る…とか、新しい案件の提案機会をゲットして、競合先に負けないように魅力的な提案書を作ろうと期限ギリギリまで内容を吟味…といったときは必然的に遅くなります。


大きな会議室に集まって夜中までホワイトボードにたくさんお絵かきしながら、スライド1枚1枚のメッセージやボディ(図やグラフなど)を作り込んでいくのは、ザ・コンサルって感じの仕事風景かもしれません。


他にも、何かしらトラブルがあったり、突然の仕様変更があったり、いわゆる炎上状態になってしまったときも忙しくなります。コンサルプロジェクトは高単価短納期であることが多く、何が何でも締め切りまでにちゃんと成果物を納品しないといけないのが辛いところです。運悪くアサインされたプロジェクトが炎上してしまうと瞬間最大風速的にものすごく働かないといけないので、なかなかエキサイティングですね。


炎上プロジェクトに入るとどんな感じ...というのはまたの機会に...。


「残業できない」状況下で若手コンサルの成長機会はどうなるの?


10年ぐらい前までは、「コンサルファームでは一般企業の3倍の速度で成長できる。なぜなら3倍長く働くからだ」なんて言われてたりもしました。ちょこさんも若手のころは月100時間残業も珍しくはなく、ファームの規定で定期的に産業医面談に呼ばれてたりもしたのですが、でもさすがにこのご時世、そんな働き方をしたら一発アウトです。


そうすると、ひとつ大きな疑問が湧いてきませんか? 3倍長く働けなくなったコンサルタントの成長速度はどうなるの?って。


そう、昔の若手コンサルタントはとにかく時間を投下して成果物の品質をあげる、経験値を時間で稼ぐ、なんてことができたんです。でも、今の若手コンサルタントはそういうことができません。ではどうするか、生産性をあげて、より短時間でより高品質な成果物を、より短時間でより高い経験値を稼ぐ。そんなワークスタイルが求められてきます。


同時に、マネージャ以上の層にとっても、限られた時間内で若手が結果を出せるように指導しなければいけない、そんなプレッシャーが年々強くなっているとシャレにならないくらい感じています。


昔の「とにかく長時間働いてナンボ」みたいな価値観から「定時の範囲で最大限の成果を出すにはどうするべきか」。 コンサルファームも大きな変革を迫られています。


新しい時代の新しいワークスタイル、そして新しいコンサルタントとしてのバリューの出し方。変化の激しいこの時代、どうやって所属コンサルタントのパフォーマンスを高め、プレゼンスも維持していくか。そしてコンサルタント自身も限られた時間の範囲でどうやって成長してどうやって高い価値をクライアントに提供していくのか。コンサル業界、これからもますます目が離せませんね!


ではまた次回!


外資系うさぎのちょこさん
職業:プロの転職家、外資系渡り兎。現在は某グローバル総合系コンサルファームのシニアマネージャ。 コンサル業界ネタを中心に、若手ビジネスパーソン、就活生、転職活動中の各位向けの有益な情報を呟いたり有益なnoteを書いたりしています。フォローすると有益になれます。


Twitter → @ChoConejito
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