老人性難聴は喫煙や紫外線も原因に、関西弁で脳の刺激を

6月21日(金)7時0分 NEWSポストセブン

川越耳科学クリニック院長の坂田英明氏

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 健康診断にあたって気にするポイントは、血圧や血糖値の数値のほか、内臓の疾患、あるいは目や歯の異常といったところだろう。しかし、「聴力」についてはそこまで問題視されていないかもしれない。だが、「老人性難聴」は“忘れっぽくなった”、“言うことを聴かなくなった”と思われてしまいやすい。聞こえないからイライラするようになって“怒りっぽくなった”との評判を生むこともある。また認知症の発症リスクの1位は年齢だが、実は2位は難聴。難聴は決して放置すべきではない。


 川越耳科学クリニック院長で『あぶない! 聞こえの悪さがボケの始まり』著者の坂田英明氏はまず、難聴に繋がる生活習慣の見直しから始めるべきだとアドバイスする。カフェインの摂り過ぎ、座りっぱなし、慢性的な睡眠不足、メタボ体型などはよくないという。


「老人性難聴を引き起こす原因となる『活性酸素』は、喫煙や暴飲暴食によって体内で増えていきますが、意外なところでは紫外線を浴びることも原因になりますので、日中の外出には注意が必要です。


 また、自律神経の乱れも難聴の原因となりやすいため、睡眠をしっかり取ることも重要です。神経毒性の強い化学物質が含まれているヘアカラー(毛染め液)の場合、神経が障害されるため難聴になるリスクを高めることがある。白髪染めを使っている人は成分をチェックしてください」


 その上で坂田氏は、日常生活の中で簡単に実践できる、“耳を鍛える”方法を教えてくれた。


●速聴トレーニング


 録画や録音をした音声を2〜3倍の速さで再生して聞き取るのが、「速聴トレーニング」である。


「高速で流れてくる音声を聞き取るためには、脳をフル稼働させて聴覚器を研ぎ澄ませる必要がありますが、それが脳を活性化することに繋がります。慣れてくると、通常の会話がゆっくりと聞こえるようになり、脳で会話内容をしっかり認知することができます」


●井戸端会議


 3〜4人程度のグループでおしゃべりをする「井戸端会議」も、耳を鍛える訓練になる。ただニコニコと聞いているだけでは意味はなく、多方面から聞こえてくる会話についていき、なおかつ自分も会話に参加しなければならない。


「ちなみに標準語に比べ、関西弁の方が音に抑揚があって脳が刺激されるので、より効果的です」


●ビタミンB群の摂取


 食事に関しては、ビタミンB群を意識して摂取することが重要だ。中でもビタミンB12は傷ついた神経を修復する働きを持ち、耳鳴りや難聴の内服療法などにも用いられる。ビタミンB12を多く含む食品としては、魚、レバー、貝類、卵などが代表的だ。


「平安時代に書かれた日本最古とされる医学書には、耳の疾患に“鯉の頭”を用いていたという記述がある。鯉の脳にはビタミンB12が豊富に含まれているので、治療法としてはあながち間違っていないと思います」


※週刊ポスト2019年6月28日号

NEWSポストセブン

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