子供に多い感染症「ヘルパンギーナ」急増、宮崎県が最多

2023年6月23日(金)17時45分 リセマム

ヘルパンギーナの定点当たり報告数

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国立感染症研究所は2023年6月23日、感染症発生動向調査週報(第23週)を公表した。乳幼児を中心に流行する急性ウイルス性咽頭炎「ヘルパンギーナ」の第23週(6月5日〜11日)の報告数は9,390件で、過去5年間の同時期と比べると10倍以上となっている。

 ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎。いわゆる夏かぜの一種で、2日から4日の潜伏期を経過し、突然の発熱に続いて、のどに強い痛みが現れる。口の中やのどの奥に小さな水ぶくれができ、つぶれて潰瘍ができると痛みがあり、飲んだり食べたりしにくくなることがある。また、発熱時の熱性けいれんや、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症などを起こすことがある。熱は2日から4日間程度で治まり、それにやや遅れてのどの痛みも消える。

 国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、ヘルパンギーナの報告数は、第19週(5月8日〜14日)以降増加が続き、第20週(5月15日〜21日)2,276件/定点あたり0.73件、第21週(5月22日〜28日)4,154件/定点あたり1.33件、第22週(5月29日〜6月4日)5,863件/定点あたり1.87件、第23週(6月5日〜11日)9,390件/定点あたり3.00件と増加している。

 6月5日〜11日の第23週の定点あたり報告数を都道府県別にみると、「宮崎県」10.67がもっとも多く、「和歌山県」7.10、「愛媛県」6.14、「大分県」6.06、「鹿児島県」5.94が続いた。また、東京都と大阪府が新たに発表した、6月12日〜18日の定点医療機関において報告された患者数は、いずれの地域においても「流行警報」の基準6.0人を超え急増しているという。

 ヘルパンギーナは例年5月ごろより増加し始め、7月ごろにかけてピークとなり、9月半ばから10月にかけてほとんど見られなくなる。治療は通常、対症療法のみ。水分摂取を心がけ、安静と栄養に気をつけることが大切となる。感染者は、全体の90%以上が5歳以下で1歳代がもっとも多い。特異的な予防法はなく、感染者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒を励行することなどがあげられる。

リセマム

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