「日本遺産」ポータルサイトに〝聖地巡礼特集〟誕生! 名作の舞台巡りつつ「ストーリーを体験して」

2024年6月24日(月)8時0分 Jタウンネット

好きな作品の舞台になった場所を巡る、いわゆる"聖地巡礼"。

2024年3月18日、この活動に関して文化庁の公式Xアカウント「ぶんかる」(@prmag_bunka)が言及した。

「聖地巡礼を楽しみながら、日本遺産地域を巡ってみてはいかがでしょうか?」というコメントが添えられている。

読者の皆さんは「日本遺産」をご存じだろうか。世界遺産は知っているが、日本遺産って......何だっけ? 首をかしげる人が多いかもしれない(筆者も同様だ)。

文化庁の日本遺産ポータルサイトでは、次のように説明されている。

「地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを『日本遺産(Japan Heritage)』として認定し、ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組を支援します」

つまり、文化財が「点」であるのに対して、日本遺産は「面」だという。さまざまな文化財を総合的に、市町村、県といった地理的な制約を超え、あるいは時間的な束縛も超えて、一つのストーリーとして紹介していこうという試み......らしい。

18日の投稿は、その日本遺産のポータルサイト上に「小説・映画・ドラマ・アニメ/漫画の舞台」の特集が登場したと周知するものだ。

「日本遺産」だけではお堅そうだが、そこに"聖地巡礼"を絡めることで、一気に親しみやすい雰囲気に。

なかなか面白そうだと思ったJタウンネット記者は、文化庁に話を聞いてみることにした。

『ゴールデンカムイ』の舞台、小樽を訪ねてみると?

文化庁の担当者は、「小説・映画・ドラマ・アニメ/漫画の舞台特集」のきっかけ・狙いについて、こう語った。

「日本遺産ポータルサイトでは、日本遺産のストーリーの魅力にあったテーマを設け、テーマに沿った特集ページを掲載しています。今回のテーマは、幅広い層の方が気軽に日本遺産へ興味、関心を持っていただけると思い、特集ページのテーマとしました」「お気に入りの作品がきっかけとなり、日本遺産へ興味、関心を持っていただくとともに、ロケ地を巡る"聖地巡礼"を通じて、日本遺産認定地域を実際に訪れていただき、ストーリーを体験していただくことが目的です」(文化庁担当者)

例えば、実写映画で大ヒットを飛ばしたばかりの人気漫画「ゴールデンカムイ」を例にとってみよう。

漫画家の野田サトル氏が手掛けたこの作品には、北海道のさまざまなエリアが登場。特集ページでも重要な舞台の一つとなる小樽の、「旧小樽倉庫」について、こう紹介されている。

「明治23〜27年にかけて石川県加賀市の北前船主によって建てられた木骨石造倉庫。煉瓦造りの事務所を挟んで左右対称に建てられ、瓦屋根に鯱を載せた和洋折衷のデザインが特徴的。漫画『ゴールデンカムイ』において、鶴見中尉が武器を仕入れているシーンの背景に描かれている。同建物内の小樽市総合博物館運河館ではアシリパの衣装が展示されている」(日本遺産のポータルサイトより)

ゴールデンカムイの舞台は、日露戦争(1904年〜1905年)終結直後、明治末期の北海道だ。当時の小樽は、北前船交易の拠点として、また幌内炭鉱からの石炭積出港として、はたまた鰊漁の基地として繁栄を極めていた。

小樽市内には銀行や商社の支店が軒を連ね、「北のウォール街」とも呼ばれたほどで、北日本随一の経済都市だったという。

当時の面影をとどめるのは、旧小樽倉庫だけではない。旧日本郵船小樽支店、旧百十三銀行小樽支店(小樽浪漫館)、旧名取高三郎商店(大正硝子館)、鰊御殿など、文化財に登録・指定された歴史的建造物がいくつも残されている。

日本遺産の関連ストーリーとしては、「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」で、北前船交易で繁栄した各港町が紹介されている。小樽はその中の主要な拠点の一つだ。

「聖地巡礼」を楽しみながら、日本遺産認定地域のストーリーを読み返してみれば、原作の理解もより深くなるかもしれない。

日本遺産ポータルサイトの特集「小説・映画・ドラマ・アニメ/漫画の舞台」には、全国から104の聖地、作品の舞台やロケ地になったスポットがリストアップされている。聖地巡礼を楽しみながら、日本遺産地域を巡ってみてはいかが。

Jタウンネット

「日本遺産」をもっと詳しく

「日本遺産」のニュース

「日本遺産」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ