まさか、監視されてる...? 傘泥棒を不安にさせる盗難対策が「頭いい」と話題に
2020年6月26日(金)20時0分 Jタウンネット
傘立てに入れておいたはずの傘が、いつの間にかなくなっていた。そんな経験がある人は多いだろう。
誰かがわざと取っていったのか、それともただ間違えて持っていっただけなのか。いずれにせよ、傘がないことに気づくとかなり絶望的な気持ちになる。
傘が盗まれないようにするためには、どうしたらいいのだろう?
ツイッターではこんな方法が注目を集めている。
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こちらは、ツイッターユーザーのsora.F(@13237sora)さんが2020年6月24日に投稿した写真。よくあるビニール傘の柄には、
「犯罪心理学 実験 B03」
と書かれたテープが貼られている。
犯罪心理学の実験——。どんな実験なのかは全くわからないが、とにかく誰かがこの傘を監視している気がする。手にした途端にどこからか人が現れて、研究室に連れて行かれるかも...。
そんな不安を感じる薄気味悪い傘だ。
sora.Fさんの投稿を見た人からは
「頭いい...」
「一瞬、リアルかと思ったww」
「罠感、見張ってる感を言葉だけで演出するというスマートさ」
など、感嘆の声が寄せられている。
「GPS搭載」では信憑性ないが...
26日、Jタウンネット編集部の取材に応じたsora.Fさんによると、彼は最近、「身近な社会問題をアイデアやデザインでいかに解決するか」を考えているそう。
梅雨に関するニュースを見た際に、傘の窃盗問題についてもアイデアで解決できるのではないか、と感じたという。
「傘窃盗犯は、衝動的にその場にあった傘を盗むと思うのですが、傘の持ち手が特殊である場合、いくら衝動的であるとはいえ警戒するのではないかと考えました。
特に、文言が記載されていた場合、何が書かれているのか目を凝らすだろうと。そこで、窃盗犯に対する何らかのメッセージを持ち手に貼付しようという結論に至りました」(sora.Fさん)
貼り付けるメッセージは何にするか。sora.Fさんの中には100案ほどのアイデアが浮かんだ。
その中でも特に、「誰かに監視されている」と思わせることが効果的だと考え、たどり着いたのが「犯罪心理学 実験 B03」というフレーズだ。
「『GPS搭載』『防犯カメラ録画中』などテクノロジーで訴える方法もありましたが、どうしても信憑性に欠けるので『犯罪心理学 実験』という単語を用いました。
このフレーズだと、どうやって監視されているのか、実験の主体は誰なのか、目的は何なのか全く分からず気味が悪いですよね。そこに『B 03』という意味ありげな記号を付けることで変なリアリティを出し、気味悪さを増幅させました」
確かに、GPSや監視カメラにまで言及すると、かなり嘘っぽい。盗まれたくないから書いているだけなんだろうな、と思われてしまうかもしれない。
その点、「犯罪心理学 実験 B03」は、得体が知れず恐ろしい。「どうせ嘘だろ」と思ったとしても、「もしかして...」といつまでも考えてしまいそうだ。
傘を盗まれることがなくなるアイデアです
— sora.F (@13237sora) June 24, 2020
sora.Fさんは実際にこの傘を10回ほど使用したが、未だ盗まれてはいないという。ただ、「代償として、自分自身も手に取ることに抵抗を感じるようになります」。
この傘を持ち歩くということは、周りの人に「この人、犯罪心理学の実験中なんだ」と思われる可能性がある。
例えば、この傘を持って電車に乗ったら、他の乗客に好奇の目で見られてしまうかもしれない。妙にリアリティがある故に生まれた弊害だろう。
ちなみに、sora.Fさんはこれまで5〜6回ほど傘を盗まれたことがあるらしく、その時の気持ちについては
「あの無力感は筆舌に尽くし難いですね」
とのこと。投稿が話題になったことについてコメントを求めると、
「皆様の傘窃盗の被害が一日でも早く減少するとともに、全ての窃盗犯の来世がミジンコになりますことを強く願っております」(sora.Fさん)
傘泥棒への深い怒りがあるからこそ、今回のアイデアは生まれたのかもしれない。