北欧で大気中の放射線量が急上昇。発生源はロシアの原子力発電所か?

7月1日(水)9時0分 カラパイア

放射線物質
北欧で放射線量が急増 /iStock

 6月、北欧諸国で大気中の放射線量が急上昇していたことが明らかとなった。今のところ人体や生態系に影響を及ぼすことはないという。
 しかし観測所ではっきりと検出される程度には増加しており、大気中に含まれる人為的放射性物質の数値が上昇した旨が各国当局によって発表されている。
 たとえばスウェーデン放射線安全局(Swedish Radiation Safety Authority)は次のようにツイートしている。
セシウム134、セシウム137、コバルト60、ルテニウム103といった放射性物質をごく少量計測。」「計測された量は少量で、人体にも環境にも危険はない

・発生源はロシアの原子力発電所か?
 包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)の事務局長ラシィナ・ゼルボ氏は、放射性物質の発生源があると疑われる地域をツイート。その大部分はロシアだが、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーも一部含まれている。
 また同氏は「これらの同位体は民間からのものである可能性が最も高い」とツイートし、核兵器ではなく原子力発電所がらみであることを示唆。しかし発生源があると疑われる地域はCTBTOの管轄外であるため、具体的な調査までは行えないようだ。
 オランダ国立衛生環境研究所(RIVM)は、入手可能なデータを分析した結果、「放射性物質の組み合わせは、原子力発電所の燃料要素の異常によって説明できる可能性がある」と述べている。
 同研究所によれば、検出された放射性粒子はロシア西部の方角から飛来しているが、ロシア国内の発電所との関連を断定することはできないという。
 なお、この点について一部メディアの間で混乱が見られるらしく、RIVMは次のように説明している。
 「最近、一部のメディアによって放射性物質がロシア西部で発生したと報じられているが、おそらくは本研究所の報告の原文(オランダ語)の誤訳に起因すると思われる。
 RIVMの主張は、放射性物質がロシア西部の方角からスカンディナビアへと移動しているが、現時点で発生源のある特定の国を指摘することはできないというものだ。」
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・ロシアの原子力発電企業は関係を否定
 こうした憶測を受けて、ロシアの原子力発電企業ロスエネルゴアトムは、問題の地域にある2基の原子力発電所は正常に稼働しており、報告されてくる放射線レベルも正常であると発言。
 「どちらの施設もいつも通り稼働中だ。施設の動作に関する異常の報告はない」とロシアの地元メディアTASSで述べている。
 「言及された期間中に特定された全同位体の総排出量は、参照値を超えていない。封じ込め構造の外部に放射性物質が漏出するような事故も報告されていない。」
 今後、放射性物質の発生源が特定されるかどうかは不明だ。しかし今回の状況は、やはりヨーロッパ全域で「放射能雲」が検出された「2017年の状況」にも似ている。
 そのときも人体には無害なレベルの放射性物質が検出され、ロシア国内の原子力発電所が発生源ではないかとの憶測が流れた。のちに憶測を裏付ける科学的な発見もあったのだが、ロシアの国営原子力企業ロスアトムは当時これを否定している。
References:rivm/ futurismなど/ written by hiroching / edited by parumo

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