世界的に低い日本の女性議員比率 参院選で擁立された自民党・女性候補5人でマシなのは……?

7月2日(土)0時0分 messy

今井絵理子公式サイトより

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7月10日の参院選が近づいています。この連載では「女性の問題」に目を向けることをテーマにしていますが、政治における最大の「女性の問題」は、女性議員の数があまりにも少ないことです。

参議院の議席定数242に対し、女性議員数は39人、女性議員比率は16%と非常に低い水準にとどまっています。衆議院の状況はもっと悪く、議席定数480に対して、女性議員数は45人。女性議員比率はたったの9%です。これは国際的に見ても非常に低く、日本の女性議員比率は世界で147位となっています。これでは女性を代表し、女性の声を議会に届け、女性の置かれている社会的状況を改善することなどほぼ不可能でしょう。

女性議員が必要な理由

参議院も衆議院も、自民党、民進党、公明党、共産党の4党が議席の9割近くを占めています。この4党の女性比率は議会における女性比率を高めることに直接的に関わる問題です。

この4党を政党別に参議院議員の女性比率を見ていきましょう。

●自民党116人中、女性議員は16人で女性比率は13%
●民進党・新緑風会63人中、女性議員は9人で女性比率は14%
●公明党20人中、女性議員は3人で女性比率は15%
●日本共産党11人中、女性議員は4人で女性比率は36%

一番女性比率が高いのは日本共産党ですが、それ以外の党はどこも軒並み女性比率が10〜15%と低い状況です。子どもを産む当事者であり、子育てや介護の負担のほとんどを担っている女性を候補にすらしていないのに、少子化がどうのこうの、働く女性がどうのこうのというのはちゃんちゃらおかしいとしか言いようがありません。どの党の候補の顔ぶれを見ても中年男性ばかりで、これで女性の働き方だの少子化だのと言っているのは、私たち女性の声を無視して、おじさんが寄ってたかって「女性をどう働かせるか」「女性にどう産ませるか」ということを議論しているようなもので、女性がさらに追い詰められる未来しか想像できません。

以前、この連載でも当事者性のお話をしたことがあります。特定のテーマを議論するとき、必ずしも当事者のみで議論しなければいけないというわけではありませんが、一方で当事者でなければわからない苦しみや痛み、語れない問題もあります。当事者の声を届けること、当事者が声を出していくことこそが民主主義であり、それを代弁する議会制民主主義です。その議会に女性の声を代弁できる人がほとんどいない状況は改善しなければいけません。

そこで、女性議員の比率を上げること、また今回の選挙を通じて女性の状況を少しでも改善することを目的に、選挙までしばらく比例代表の女性候補の政策、これまでの実績、発言などを紹介していきたいと思います。

自民党、5人の女性候補

今回は自民党の女性候補を、次回は民進党と日本共産党の女性候補を見ていきたいと思います。ちなみになぜ与党の一角を務める公明党を取り上げないのかと言うと、公明党は今回の比例区に女性候補を出しておらず、おじさん6人を候補にしているからです。当然、女性比率は0%。

自民党はトータルで25人の比例候補がいます。そのうち女性は5人なので、候補の段階での女性比率は20%です。この5人を紹介していきましょう。

今井絵理子
言わずと知れた、元SPEED出身の歌手・ダンサーです。内縁の夫が未成年風俗店で働き、未成年に性的サービスを提供させていた疑いで逮捕されていた件がニュースになり、出馬を見送るのでは、とも言われていましたが、結局出馬することにしたようです。夫を見る目は無さそうですが、政策を見る目があるのかどうか不安なところです。聴覚障害児を育てるシングルマザーという立場から、障害を含めた多様な個性を持つすべての人々が社会の一員となれる社会を目指す、という公約を掲げていますが、具体的な政策案などは無く、これまで女性の立場を向上する、社会の多様性を上げるという点について具体的な実績はありません。

片山さつき
自民党ネトウヨアイドル四天王の一角を占める片山氏は、辞任した舛添元東京都知事の元妻としても知られています。在特回会のヘイトデモに飛び入り参加したり、ツイッター上の中国関係のデマ情報を拡散したりと、ネトウヨ関連のスキャンダルが絶えません。ツイッター上では、中国、韓国、生活保護受給者、在日韓国朝鮮人、外国人、朝日新聞が大嫌いなことだけは伝わってきますが、政策はよくわかりません。一方、改正生活保護法、生活困窮者自立支援法などの議員立法もしています。二つの法律には「生活保護を受けにくくさせる」「生活困窮者のセーフティーネットとして機能しにくい」などの問題点はあるものの、現状と見合っていない生活保護や支援のあり方に改善が必要なことを(偏った視点ではあり、おそらく意図せず)提起したという点は評価に値するでしょう。

自見はなこ
いわゆる族議員かつ二世議員です。本人は小児科医で日本医師会とその政治団体である日本医師連盟のメンバーですが、父親の自見庄三郎氏も医師で、自民党を経て国民新党代表を勤めていました。自見はなこ氏は「日医連がどれだけ支持を得て国政送り出せるか、これだけが政治の場で唯一の力を持つ」と訴えていますが、日本医師会は自民党(自民党議員)に毎年数億円の政治献金を行っていることでも知られています。もちろん目的は、診療報酬の値上げです。自見氏本人についてはネットなどを見ても面白いことも目立つ実績も何も出てこないので、本人の実力というよりは周囲から持ち上げられて候補になったのかなという印象を受けました。

たかがい恵美子
いわゆる族議員です。本人は看護師で、自民党の支持団体である日本看護連盟のメンバーです。日本看護連盟は看護手当の値上げ、准看護師廃止と看護師の専門性の向上、看護師の処遇・地位改善を目的に活動しています。看護師は「女性の仕事」「誰にでもできる」「女でもできる」「専門性の低い」仕事とみなされてきたため、日本の看護師の地位は非常に低く、病院内での地位も、許されている医療行為の範囲も限定的なので、看護師である高階氏が自民党女性局長としても活躍していることは、看護師の人たちにとって心強いことでしょう。また、介護・看護の立場から関わってきた労働・介護問題を改善するという堅実な目標を掲げており、今回の自民党女性比例候補の中では一番信頼できます。

山谷えり子
自民党の誇るネトウヨアイドル四天王のもう一人、山谷氏は在特会幹部と写真を撮ったり、統一教会との親密さが問題になったりと、脇の甘い議員です。非常に保守的なジェンダー観を持っており、そもそも「男性らしさ」「女性らしさ」を否定するような教育には問題があるとしており、自民党の「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の事務局長も務めていました。ちなみに、このとき同チーム座長を務めていたのが安倍晋三・現首相です。第1次安倍政権では、教育再生担当の首相補佐官をしていましたが、科学的根拠が全く無い「親学」を提言したり、性教育を否定したりと、女性の敵とも言うべき人物です。

というわけで、自民党の比例候補の女性を見てきましたが、政策や実績を考慮すると自然と4人が消去され、残るたかがい氏が唯一まともな候補者ではないか、という印象を受けました。比例選挙は候補者個人の名前か政党名を記入することになっています。どの候補も知名度や組織力がありますが、選挙は政策で勝負してほしいものですし、投票する私たちも個人名や政党ではなく、各人が掲げる政策をしっかりチェックして投票先の判断をしていきましょう。

messy

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