コンタック、パブロン他 市販薬にも命に関わる副作用あり

7月2日(月)7時0分 NEWSポストセブン

市販薬にも副作用はつきまとう

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 薬の副作用には、盲点がある。医師から処方される薬については気にしていても、薬局やドラッグストアで売られている市販薬の場合、副作用の危険性など考えずに購入している人がほとんどではないか。しかし、医薬品としての効き目がある以上、市販薬にも副作用がつきまとう。命に関わる重篤な症状を引き起こすリスクを徹底調査した。


◆「副作用」の項目がない


 処方薬(医療用医薬品)の場合、医師や薬剤師が対面で薬の副作用を説明するため、薬のリスクを認識しやすい。また薬とともに渡される薬剤情報提供書にも副作用の説明が記載される。


 一方、市販薬は利用者が直接、副作用を説明してもらう場が少ない。市販薬は健康被害のリスクの高い順に、「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」に分類される。第1類には薬剤師からの指導と文書での情報提供が義務づけられるが、第2類と第3類の販売時には不要だ。


 だからと言って、市販薬に副作用のリスクが存在しないわけではない。薬剤師で医薬情報研究所取締役の堀美智子氏が指摘する。


「薬である以上、副作用のリスクは免れません。命に関わるものも存在するため、市販薬の副作用はしっかりチェックすべきです」


 ドラッグストアなどで買った市販薬の副作用を知るには、購入時に同封されている添付文書を読まなくてはならない。だが、副作用がどこに記されているかがわかりにくい。処方薬は添付文書の「重大な副作用」という欄に記載されているが、市販薬の添付文書には「副作用」という項目がない。厚労省所管の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)はこう説明する。


「市販薬の場合、添付文書の『相談すること』の項目に薬の副作用の症状が記載されます。ここに記載された症状は処方薬における副作用と同じ意味を持ちます」(企画調整部広報課)


 何より怖いのは、市販薬のリスクを知らないと実際に症状が出ても副作用に気付かず、病気の悪化を招いてしまうことだ。本誌は、過去1年間のドラッグストアでの売り上げ上位の市販薬のうち、重篤化する可能性のある副作用のある薬をリストアップし、一覧表にまとめた(関連記事〈市販薬「命に関わる副作用」実名リスト29〉参照)。


◆かぜ薬で肺炎に


 まず気づくのは、副作用が共通しているものが多いことだ。


「同じ効能を持つ薬だと含まれる成分はほぼ同じで、薬自体に対するアレルギーが起こるからです」(堀氏)


 多くの市販薬で「ショック(アナフィラキシー)」が報告されている。


「アナフィラキシーは薬に対するアレルギー反応で、免疫反応のため誰にでも起こり、命に関わることもある。発疹が初期症状で、その後に下痢、吐気、腹痛や喉の詰まった感じ、立ちくらみが続く。最悪の場合、呼吸困難により死を招くこともあります」(堀氏)


 個々の薬を見ると、使用頻度が高いかぜ・解熱鎮痛薬の副作用が目立つ。「新コンタック」「エスタック」などの有名薬には「スティーブンス・ジョンソン症候群」という皮膚障害のリスクがある。


「高熱や倦怠などの症状を伴い、目や口などに水疱や赤い発疹が生じます。日本皮膚科学会によれば、この症状が中毒性表皮壊死症に発展すると、2〜3割の患者が死亡します」(同前)


「パブロンエース」「ルルアタック」などで起こる「間質性肺炎」は初期症状に注意したい。


「アレルギー反応で肺の組織に炎症が起こり、呼吸困難や咳が出るなどの初期症状があります。かぜ薬を飲んで間質性肺炎になった場合、かぜの症状と似ているので副作用のせいと気づきにくいのが最大の難点。薬を服用後、階段を上って息切れをしたり、動悸が出たら副作用を疑いましょう。間質性肺炎も命にかかわる危険な副作用です」(同前)


 前述の独立行政法人・PMDAは製薬会社または医療機関から報告された医薬品の副作用が疑われる症例を「医薬品副作用データベース」として公開している。


 ここには去年、70代の男性がある市販のかぜ薬を服用後、副作用で間質性肺炎を起こして死亡した例が掲載されている。報告では「情報不足等により被疑薬と死亡との因果関係が評価できない」としているが、死に至る可能性もゼロではないことは知っておきたい。


◆初期症状を見逃さない


 鼻炎用薬「アレジオン」は「血小板減少」に注意だ。


「この薬は骨髄で血小板をつくる幹細胞の働きを弱める。血小板が減ると出血しやすくなるほか、血液中のたんぱく質が足りなくなり、水分が外に漏れて全身がむくみます。重篤化すると血小板が作れなくなり、血小板輸血が必要となる怖れもある」(医師の北野國空氏)


 使用頻度の高い「バファリンプレミアム」などの解熱鎮痛剤にも副作用がある。


「解熱鎮痛剤などに含まれる熱冷ましや痛み止めの成分のアセトアミノフェンは、肝機能を壊死させる毒性物質に変わる可能性があり、場合によっては重度の肝機能障害が生じる怖れがある。壊死した筋肉組織が血液中に流れだすとコーラのようなどす黒い色の尿となり、副作用のサインになります」(堀氏)


 多くの風邪薬の副作用である「無顆粒球症」は高齢者にとって危険だ。


「薬が幹細胞に影響して白血球が作られなくなる病気で、貧血が進むと輸血が必要になります。高齢者は骨髄中の幹細胞が老化しているため若い人よりリスクが高い。万が一、幹細胞が全滅したら骨髄移植が必要になります」(北野氏)


 市販薬の副作用から身を守るために必要なことは何か。


「服用後に病状が改善しない、あるいは服用前と違う症状が出たら、速やかに薬剤師やかかりつけの医師に相談すること。『薬局で売っている薬だから、大丈夫』と軽く考えてしまうことが最も危険です」(堀氏)


 製薬会社も添付文書を使用者が読むよう、CMやホームページ上で注意喚起をしている。市販薬と長く付き合うためにも、効能とともにリスクを深く知ることが重要だ。


※週刊ポスト2018年7月13日号

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