【紀州のドン・ファン野崎氏】TVやメディアが“犯人を決めつける”かのように報じる理由とは? 業界人が解説

7月3日(火)9時0分 tocana

画像:『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社)

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 2018年6月27日で長野県松本市で起きた「松本サリン事件」から24年が経過した。のちに東京の地下鉄サリン事件へと繋がるオウム真理教による行為だが、当時の報道番組やワイドショーでは、オウム真理教ではない男性が警察から事情聴取を受けていたことから、まるで加害者として決まったかのようにニュースで報じていた。

 その後の捜査によってオウム真理教による犯行であることが明らかになったが、当時各テレビ局は男性に謝罪をした。しかし、あれから24年が経過した今、日本のテレビ業界では同じことが起こっているという。

「冤罪とまでは言わないまでもマスコミがまだ逮捕前の人を取材攻勢し、まるで容疑者であるかのように報じることはこれまでも何度もありました。今現在起こっている『紀州のドン・ファン怪死事件』もそのひとつです」(テレビ局スタッフ)

 紀州のドン・ファンこと野崎幸助さんが亡くなった件を受けて他殺を疑う警察が捜査をおこなっている。この捜査線上には様々な関係者が名を連ねているのだが…。

「他殺説が持ち上がって以降、奥さんや家政婦さんを犯人扱いした報道がほとんどですが、まだ確定ではありません。ただ、報道はご存知のように奥さんもしくは家政婦、または2人が共犯であるかのように扱っています」(同)

 たしかにどこの局の番組を見ても、そうした視点からの報道が目立っている。

「そもそも逮捕前に容疑者っぽい人にインタビューをおこなうことは当然あります。最大の目的は逮捕されたあとにニュース映像に使用できる素材を獲得するためです。逮捕されると移送時しか本人の顔が映せなくなるので、前もって撮っておきたいんです。しかし、その考え方から言えば本来は逮捕前に放送する必要はありません。それでも使用するのは『盛り上がるから』です」(同)

 盛り上がりのためとは驚きだが、裁判の世界には「疑わしきは罰せず」という言葉があるものの、報道の世界にあるのは別の言葉だという。

「報道現場も本来は『疑わしきは罰せず』『推定無罪』の原則で臨まないといけないんですが、実際には『疑わしきは面白いなら放送してしまえ』です。実際、訴えられても慰謝料で解決できると考えているスタッフは多いです」(同)

 慰謝料という制度はあるが、それさえ払えば何をしてもいいという姿勢は問題だ。松本サリン事件から24年、成長した姿を見たいものだ。もちろん、紀州の事件の真相はどう転ぶかまだわからないが。
(文=吉沢ひかる)

画像:『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社)

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