建設業界で受けた女性差別「掃除・電話対応・お茶出しは女の仕事」「勤続10年以上でも、未経験の独身男より低所得」

2021年7月4日(日)6時0分 キャリコネニュース

"男女平等"が謳われるようになって久しいが、男尊女卑の価値観を持つ人の心ない言葉に、傷の癒えない女性はいまだにいる。キャリコネニュースには、

「主人の親から『男が偉い』など言われる」(埼玉県/50代女性/福祉・介護/契約社員/年収200万円)
「『女なのに大学まで行かせてやった』と言われてきた」(神奈川県/60代女性/教育・保育/正社員/年収500万円)

と理不尽を嘆く声が寄せられている。こうした男尊女卑の価値観は、しばしば職場にまで持ち込まれる。給与や待遇面など大きな実害があるだけに、ますますタチが悪い。(文:福岡ちはや)

「社命で自転車整備士の資格を取得したのに、レジ担当への異動を強要されました」

千葉県の40代女性(年収150万円)はホームセンターでパートをしている。もともと自転車売場の担当だったが、「社命により自転車整備士の資格を取得。売上貢献に尽力するも、契約更新時に時給や労働時間を減らされ、挙句の果てにはレジ担当への異動を店長から強要された」ともらす。

「『サインしなくても契約更新しないだけだから。辞めてもらって構わない』と言われたので、渋々サインをした。今の自転車売場は、無資格のおじさん2人が担当している。しかしTSマークの発行は、整備士の資格がなければできない。私のレジにTSマークの会計に来た人がいたので指摘すると、『あんたの整備士番号は使ってないよ!』と担当者から逆ギレされた」

自転車売場の現担当者は、整備士資格を持つ社員の整備士番号を無断使用してTSマーク発行をしていたのだ。見かねた女性は労働基準局に告発したが、「本社に電話をしてもらったけど状況は変わらない」と明かす。

理不尽な減給や労働時間の短縮、そして不自然な配置換え。女性は職場の一連の対応を「性差別」と捉えている。

「10年以上勤めても、あとから入社した男性より給料が低いこともありました」

兵庫県の40代女性は、建設関係の会社の正社員として働いている。先ほどのお水や風俗とは逆で、男が圧倒的に多い職業だ。女性の年収は500万円だが、「転職者同士で給料の話をすると、『なぜ経験者採用なのにそんな金額なの?』と同情されます」と嘆き、

「この業界の女は、『未経験の扶養あり男』または『未経験の独身男』よりも、低所得なのが常です。10年以上勤めても、あとから入社した男性より給料が低いこともありました」

と明かす。さらに「専門職にもかかわらず、『女だから』と、掃除・電話対応・お茶出しが仕事内容にプラスされます。一方で、男性事務職はそれらをやらなくていい。理解できないことばかりです」と憤る。

「掃除・電話対応・お茶出し」は、"事務職"の仕事なのか、"女"の仕事なのか。女性の職場の人たちには、今一度よく考えてもらいたい。

※キャリコネニュースでは引き続き「男だから」「女だから」自分の性別がマイナスになっていると感じたこと
のほか職場で起きた窃盗事件や共働き・片働きの不満などのアンケートを募集しています。

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