福岡人にしか分からない?立つときのかけ声は「ヤー!!!」

7月4日(水)19時2分 おたくま経済新聞


 地域独特の文化や習慣というものは、特に地方ならば必ずどこでもあるものですが、福岡人なら殆どの人が思わず“あるある”と共感する「体育の時のかけ声」が話題になっています。

 紹介したのは、福岡人である鶏めしさん。Twitter上に

『体育の授業の「座れ!」「ヤー!!」のやりとりが福岡独特って知ったときは驚愕だった』

と当時のことをつぶやいたところ1800以上ものいいねがつく事態となり、同じ福岡出身者からも続々と共感の声が集まっています。



 福岡県の小学校および、周辺県(佐賀、長崎、大分など)一部の小学校では、体育の授業や運動会の「立つ」「座る」という行為に対し、かけ声が決まっています。それが鶏めしさんのツイートにある「ヤー!!」。しかも元気よく大声で素早く立ったり座ったりすることが求められるのです。

 実は筆者、小学生の頃、福岡県に住んでいたので、もれなくこの「ヤー!」経験者の一人。今でも覚えているのですが、体育祭が近づくと特にこの「ヤー!!」の指導に先生方の熱が入り、専用の練習時間も設けられていました。

<例>

(先生)赤組起立!

(生徒)ヤー!!(ばらばら立ち上がる)

(先生)やり直し!!!

(生徒)ヤー!!!(座る)

(先生)赤組起立!!

(生徒)ヤァァ!!!

(先生)まだ声が小さーーーい!!やりなおし!!

(生徒)ヤァァァァァァァ!!(少しやけくそになりながら座る)

(先生)赤組起立!

(生徒)ヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!(ここまでくると完全にやけくそ)

 というコールアンドレスポンスのような感じで、立ったり座ったりの練習をクラスや学年、もしくは運動会の組分け単位で団体で行うのです。私が通った学校の場合には5分程度の短い時間で行っていましたが、熱血先生が係の場合は10分15分と繰り返される場合も……。今ではそこまでする学校は少なくなっているようですが、この経験から鶏めしさんのツイートには「泣き出す子もいた」「ある意味トラウマ」といった声がよせられています。

 また、この「ヤー!!」というかけ声の文化。福岡とその周辺県だけの文化かと思いきや大阪、四国、兵庫の方から「言いますよ!」といった趣旨のコメントがツイートに寄せられていました。どうやら広範囲に「ヤー!」の文化が散らばっているようです。

 そして「ヤー!」の意味ですが、私が小学生の頃に聞いたのは福岡県を代表する祭の一つ「博多祇園山笠」のかけ声「ヤー!」をまねたという説と、ドイツ語のYes(はい)にあたる「Ja(音はヤーと聞こえる)」からだという説があり、説としてはどちらも有名。これまで様々な方が由来を調べていますが、どちらが正しいかは未だ確定してません。ちなみにドイツ語説の場合は、昭和15年の「日独伊三国同盟」結成からドイツ教育理念が日本に伝わってきた影響と言われています。

 しかしそれに先立つ昭和13年、ドイツからヒトラーユーゲントの一行が日本を親善訪問したことがあるのですが、その様子を記録したフィルムには、掛け声で立ち上がったりする様子はありません。規律正しく体操をしたり、フォークダンスを踊って見せる姿はあるのですが……。また、この時の訪問は東京や京都なども訪れており、「ヤー!」のかけ声文化圏とは一致しません。ドイツ語説は今一つ信用性に欠ける感じもします。

 また……「ヤー」がドイツ語由来だというならば、個人的には長崎経由で福岡に影響を与えた「オランダ語」の方がまだありえるんじゃないかな?と実は前から気になっています。

福岡にはもう一つ有名なお祭り「博多どんたく」というものがありますが、この「どんたく」はオランダ語の「ゾンターク」(休日)が語源というのは有名。明治12年から呼ばれているそうです。

 そしてオランダ語は広義でドイツ語の一種。ドイツ語の方言の一種とも言われ、ドイツ語・オランダ語でスムーズに会話できないにしても共通表現は多くあり、オランダ語でもYesは「Ja(ヤー)」。 地域に影響を与えた過去を考えると、オランダ語の方がまだ可能性はありそうな?そんな気がしています。あくまで個人の考えですが。

<参考>

山笠ナビ「ヤー!」

博多どんたく「博多どんたくの由来」

<記事化協力>

鶏めしさん(@GHBR_1046)

(栗田まり子)

おたくま経済新聞

「体育」をもっと詳しく

「体育」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ