オリパラ学校連携観戦、足立区や武蔵野市…中止表明相次ぐ

2021年7月5日(月)13時15分 リセマム

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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の学校連携観戦プログラムについて、参加取り止めを表明する自治体が増えている。感染拡大の収束がいまだ見えない中、児童・生徒の安全を確保することは困難として、足立区や武蔵野市等が中止を決めている。

 学校連携観戦プログラムは、東京2020大会に向けた「オリンピック・パラリンピック教育」の集大成として、学校単位で競技を直接観戦する機会を提供する取組み。チケットは自治体や学校単位で購入し、東京都では都が公費でチケット費用を負担する。当初、関係自治体や被災地等の小中高生を中心に100万人以上の規模が想定されていた。

 しかし、東京都内では新型コロナウイルスの感染者数が依然として増加傾向にあり、さらに従来株より感染力が強い変異株の割合が増えていることから、児童・生徒の安全を確保することが困難な状況にあるとして、中止を表明する自治体が相次いでいる。

 7月5日現在、足立区、板橋区、立川市、三鷹市、武蔵野市、小平市、国立市等が、学校連携観戦プログラムへの参加取り止めを表明している。参加中止を表明する動きは東京都内にとどまらず、神奈川県や千葉県、埼玉県等にも広がっている。

 このうち、足立区では区立小学校3〜6年生の全児童、区立中学校1〜3年生の全生徒が観戦を予定していたが、「感染拡大の収束が見えず、また、かねてからの懸念事項であった観戦会場までの移動に係る熱中症対策にも不安が残る状態で、学校連携観戦における児童・生徒の安全を確保することは、いまだ困難な状況」として、中止を決めた。児童・生徒の保護者には、6月29日付で各学校から通知している。

 武蔵野市では、市立小中学校において小学3年生以上の児童生徒の観戦を希望していたが、「複数の学校が電車に乗車する駅に集合する」「観戦時間に合わせた電車での移動の場合、ラッシュアワーと重なる学校があるため、混雑が避けられず、密による感染リスクが大きくなる」「電車での移動や学年単位の集団での行動は、駅や電車内、観戦会場での混雑等が考えられる」ことを理由に「行動管理、人流抑制は極めて困難」と判断。教育委員会として、児童生徒の安全・安心を第一に考え、学校連携観戦の中止を決断した。

 一方、学校連携観戦プログラムへの参加を表明している自治体もある。千葉市では7月1日、Webサイトに「すべての千葉市立学校がパラリンピックを観戦します」と掲載。パラリンピックを実際に観戦することで、多様性理解や国際理解の力を育み、児童生徒の一生の財産として心に残る機会とするため、市立小学校5・6年生、市立中学校1年生等が幕張メッセで開催されるパラリンピック4競技を観戦する。移動には、小中学校や高等特別支援学校は教育委員会が借り上げた往復送迎バス、養護学校はスクールバス、高校は公共交通機関を利用する。

リセマム

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