西島秀俊&三浦透子、濱口竜介監督に迫る特番に出演
2022年7月9日(土)10時0分 シネマカフェ
第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞をはじめ4冠に輝き、第94回アカデミー賞では作品賞や脚色賞を含む4部門にノミネート、国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』。7月23日(土)にはWOWOWで独占初放送されるが、これに先駆けて、本作をより楽しむことができる特別番組が放送。
俳優、プロデューサー、脚本家と、様々な視点から濱口監督を語る同番組。収録は、劇中の稽古場を思わせるセットでスタート。本作は、村上春樹の短編小説が原作となっており、原作との関わり方についてプロデューサーの山本晃久は「濱口監督が最初におっしゃっていたのが、例えていえば、村上春樹さんが掘った井戸とは別の井戸を自分は掘って、最終的に村上さんの見つけた水脈にたどり着きたいみたいなことをおっしゃっていました」と語る。
西島さんは「原作が一つの問いのようになっていて、濱口監督がその問いに答える、原作のもう一つ先を考えて作られていた脚本だった」とふり返る。三浦さんも、原作と脚本は異なるが読んだ後に残る根底に通じるものがあったと感想を明かした。
濱口監督の演出方法について、自身が演じた家福と比較した西島さんは「家福が映画の中でやっているものとは全然違い、もっと繊細。現場での濱口さんは本当に恐ろしく繊細に演出を進めていた」と話し、「俳優がそのときに感じることを信じてくれている」と現場について語った。
三浦さんは、劇中に登場する名匠ジャン・ルノワールが使っていた「イタリア式本読み」について、「普段からフラットに入るように心がけていたので、それを準備として西島さんや濱口監督と一緒にできるのはとてもありがたかった」とコメント。番組ではほかにも、印象的な赤いサーブやカセットテープについて、濱口監督の俳優に対する思いなどが語られる。
なお、番組のナレーションは、家福音役の霧島れいかが務める。
<収録コメント>
●西島秀俊
今回収録にあたり、脚本を改めて見返したのですが、すさまじい量のテキストと内容でした。ことばの持つ力が本当に強い脚本で、俳優たちがどれだけそのことばを身体化して発するかということを大切にして作っている映画です。ぜひそこを観ていただきたいなと思います。
●三浦透子
身体化され俳優たちから発せられたセリフは、その人の身体から鳴っている音のように、私には聞こえました。特に赤いサーブに乗りながら、西島さんや岡田さんのセリフを聞いている時間がすごく心地よかったです。ぜひ、この映画の“音”を楽しんでほしいと思います。
WOWOWオリジナル特別番組「『ドライブ・マイ・カー』と濱口竜介監督の世界」#1 脚本編は7月16日(土)15時15分〜ほか、#2 演出編は7月17日(日)21時30分〜ほかWOWOWプライムにて放送。