意外と知らない「クルマ」の豆知識 第2回 クルマの業界用語「エキパイ」って何?

7月9日(金)11時30分 マイナビニュース

自動車の取材をしていると、さまざまな業界用語に出くわすことがある。中でも、響きが面白くて妙に印象に残った言葉のひとつが「エキパイ」だ。エキ……何かの液なのか? パイ……ってなんだろう? モータージャーナリストの内田俊一さんに聞いてみた。
○「エキパイ」の意味と役割
「エキパイ」とは「エキゾーストパイプ」を略した言葉だ。
山海堂改訂版自動車用語辞典によると、「エキゾースト」とは「①排出する、空にする。②排出するガス、排気ガス、廃気、排気装置」とあり、「エキゾースト・パイプは、排気管。マニホルドからサブ・マフラまでの前部パイプ、マフラから後の後部パイプ、中央のセンタ・パイプがある」と記されている。つまり、排出するガスを通す排気管の総称がエキゾーストパイプである。略してエキパイだ。
エンジンでガソリンを燃焼した後に排出される排気ガスは、それぞれのシリンダーから「エキゾーストマニフォールド」と呼ばれるパイプに出るのだが、それらをまとめた1本、あるいは2本のエキパイが、排出口に向かって伸びている。その排出口手前にあるのがマフラーだ。
よく、マフラーとエキパイは同じものとして語られるが、厳密には違う。マフラーは消音機の役目を果たしており、エンジンが発する爆音をこのマフラーで抑えているのである。マフラーの中には消音材としてグラスウールなどが入っている。また、マフラーの後端には、見栄えをよくするため「マフラーカッター」と呼ばれる加飾が取り付けられることもある。
エキパイの途中には触媒が取り付けられている。「キャタライザー」とも呼ばれるこれは、排出ガスから有害物質を取り除き、排気をクリーンなものにするためのものだ。キャタライザーは内部がハチの巣のようなハニカム構造となっており、それぞれの通路の壁面には白金やロジウム、プラチナなどの貴金属をコーティングしてある。そこを排気ガスが通ることで、壁面で化学反応を起こして浄化するしくみなのである。もともと排気ガス自体に熱があり、さらにキャタライザーでの化学反応の際に熱が発生するため、安易に触ってはいけない。
基本的にエキパイやマフラーはスチールでできているが、近年は腐食を考慮してステンレス製も見られるようになった。その結果、「エキゾーストノート」と呼ばれる排気音に変化がみられ、反響音が発生し、わずかに音が甲高くなる傾向にあるようだ。
マフラーをよく見ると1本や2本、左右に1本ずつなど、さまざまなタイプが見られる。「2本出し」は古くはスポーティーなクルマの見本のようにいわれ、それだけ高出力であるといわれていた。また、V型エンジンの場合、エンジンの左右からエキゾーストマニホールドが出るので、そのままエキパイを通して、左右に1本ずつマフラーを取り付けることもあった。
いずれにせよ、マフラーからは排出ガスが放出されるので、この出口に立つことは避けた方がいいだろう。特に古いクルマや大型トラックなどの場合、エンジンを掛けた瞬間に黒煙を吹くことがあるので、洋服を汚すことになりかねないからだ。
内田俊一 うちだしゅんいち 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験をいかしてデザイン、マーケティングなどの視点を含めた新車記事を執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員。 この著者の記事一覧はこちら

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