ストーンヘンジの建設者はピタゴラスが生まれる2000年前にピタゴラスの定理を用いていた

7月14日(土)22時30分 カラパイア

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 古代ギリシアの数学者、サモスの賢人「ピタゴラス」の代名詞とでも呼べるものを一つ挙げるとしたら、それは直角三角形の3辺の長さを表す定理だろう。

 彼の名を冠す「ピタゴラスの定理」であるが、その定理自体は歴史を通じて世界各地で独自に登場している。

 その仲間に新たに加わったのが、古代ブリタニアの有名なモニュメント「ストーンヘンジ」の建設現場だ。


・ストーンヘンジの巨石の配置

 『Megalith: Studies in Stone(巨石:石の研究)』という本によれば、ストーンヘンジを構成する巨大なブロックの配置は、建設者が斜辺とそれに相対する辺との関係について、一つ二つのことは知っていたことを示唆しているという。

 斜辺の長さをc、他の2辺の長さをa、bとおいた場合に、c2 = a2 + b2 と表されるピタゴラスの定理は、直角三角形や四角形上の2点の距離を求める際に非常に便利で、モニュメントの建設や星座のマッピング、土地の分割などに使うことができる。

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・ピタゴラスの定理はかつてからいたるところで存在していた

 バビロニア、古代中国、ヴェーダ・インド文化でそれが使われたらしい痕跡が窺われているのも、驚くには当たらない。

 この定理にピタゴラスの名が冠されているのは、歴史のいたずら以上の何物でもない。

 ピタゴラスやそれ以降の著者は定理の数学的証明について記しているが、同時代の多くの文献と同じく、残念ながら一番最初になされた証明は失われてしまっている。

 にもかかわらず、ヨーロッパ、イスラム圏、ペルシャ、そしてギリシャの学校と教科書によって、その公式と証明をピタゴラスのものとする伝統が出来上がった。

 では辺の長さの関係に感づいた他の数学者たちはどうかと言えば、証明でもって世間を感心させることはなく、その功績を称える吟遊詩人の類が登場することもなかった。

 しかしヒントは残されており、例えば4500年前のストーンヘンジの配列の中にその例を見ることができると、本の著者ジョン・マルティノー氏は話す。

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 彼によると、そこにある三角形の辺が、ピタゴラスの定理の割合を形成しており、その証明がなかったとしても、建設者は直角三角形を作る便利な方法であることを知っていたのだという。

 またブロックを建設するだけでなく、ストーンヘンジという遺跡それ自体が、巨石を切り出した採石場によってピタゴラス三角形を形成しているとも論じている。


・ストーンヘンジは一日にして成らず

 ローマのように、ストーンヘンジは1日にして成ったわけではない。

 地面を掘り、大量の木材を集め、円形に石を配置するまでには数世紀が費やされた。建材は2つの生産地から輸入され、その一つは島だった。

 日曜大工のようなものでないことは明らかで、建設者は自分たちの行いを把握し、細心の注意を払って作業を進めた。また建設はおそらく異なる文化からの貢献もあった。

 石の積み上げを担った新石器時代の農民らは、数学的発見の偉大な記録を残さなかったが、それは彼らがいくつもの秘儀を駆使していなかったということではない。

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・ただし研究論文ではないことに注意

 しかし、こうしたことは話半分に聞いておくことだ。何しろこれは専門家の査読をパスした研究論文ではなく、一般の書籍で述べられていることだからだ。

 構造物や場所に隠された数学的関係は、歴史家のお気に入りのトピックである。知識や文化が発達したというはっきりとしたサインが提示される一方、それらはまた想像力による虚構にもなりえる。
 
 こうしたことを踏まえた上でなら、便利な数学の公式が文化的に重要な建造物に利用されていたという発見は、いかにさまざまな文化で建設や移動、さらには単なる楽しみのために数学ツールが開発されていたのか我々に教えてくれる。

 ピタゴラスは栄光を独占したかもしれないが、三角形の市場まで独占したわけではないのだ。

References:ancient-code / express / telegraph/ written by hiroching / edited by parumo

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