心霊体験を引き起こす5つの現象! カビが原因の場合も?

2023年7月14日(金)7時0分 tocana

 幽霊を見たことがあるだろうか。何らかの心霊現象を体験したことがあるという人はけっこういるかもしれないが、幽霊が科学的に説明できるケースが5つあるという——。


1.睡眠麻痺

 目覚めているのに身体はまだ眠ったままで動かすことができない現象、いわゆる“金縛り”は真夜中に不意に目覚めた時や、朝になってこれから起床しようとする時に起こったりするが、睡眠麻痺(sleep paralysis)の症状では入眠時に起こることが多く、しかも幻覚を見やすいといわれている。


「入眠時幻覚」と呼ばれるこの現象では「人や動物がそばにいる、体に触れる」と感じたり、「体が空中に浮く」といったような鮮明で現実感のある幻覚を見る傾向があり、そのぶん“幽霊”を見やすい状態にあるといえる。


 ヨーク大学の専門家ダン・デニス氏によると、体験される幻覚には3種類あるという。


●部屋の中に邪悪な存在がいる。


●インキュバス幻覚。胸の上に乗られ実際に胸が圧迫される感覚を伴う。


●浮遊体験。


 睡眠麻痺は睡眠不足によって引き起こされる可能性があるため、やはり7〜9時間のじゅうぶんな睡眠をとることが推奨されている。定期的な運動も効果があるが、就寝前の4時間以内の運動は効果がないということだ。


2.カビ

 科学者たちは幽霊の目撃と空気の質の悪さとの関係に着目している。部屋の中の有毒なカビ胞子に長時間さらされると、気分の変動、不合理な怒り、さらには認知障害を引き起こす可能性があるというのだ。


 最近の研究ではカビの影響は不安や恐怖の増大だけでなく、脳の炎症や記憶喪失の症状も明らかになっている。研究者らはこれらの特徴が超常現象を経験したと主張する人々と奇妙に似ていると主張し、部屋のカビと幽霊目撃に関連性がある可能性を示唆している。


 ニューヨークのクラークソン大学のシェーン・ロジャース教授は「多くの心霊スポットで報告される体験は、有毒なカビにさらされた人が報告する精神的または神経学的症状に似ています」と説明する。


「一部の菌類の精神活性効果はよく知られていますが、屋内のカビなど他の菌類の影響についてはあまり研究されていません。アレルギーや喘息の症状、その他の生理学的影響は十分に確立されていますが、屋内のカビへの曝露が認知機能やその他の脳の機能に及ぼす影響については長い間議論がありました」(シェーン・ロジャース教授)


“出る”といわくつきの廃屋は確かにカビ臭そうである。とすれば“幽霊屋敷”はカビ臭さが重要な舞台装置なのかもしれない。


3.頭内爆発音症候群

 頭内爆発音症候群(exploding head syndrome、EHS)は寝入る直前や目覚めた直後に瞬間的な大音量の幻聴が発生する症状なのだが、決して軽視できない現実的で恐ろしい感覚障害であるという。


 ゴールドスミス大学の研究者によると、EHSの特徴は「通常、深い睡眠に移行するとき、または深い睡眠から抜け出すときに、頭の中で大きな騒音や爆発の感覚を知覚すること」である。


 音は文字通りの爆発音から銃声、さらには叫び声まで、あらゆるバリエーションに及ぶ可能性がある。


 2年前の研究では、患者の44.4パーセントがこれらのエピソード中に重篤な恐怖を経験し、少数は超自然的な何かによって引き起こされたと信じていることが判明した。


 同大学のクリス・フレンチ教授は「これまでの研究では、世界中のかなりの割合の人々が人生で少なくとも一度はEHSを経験することが示唆されている」と説明している。


「したがって『超自然的な何か』や『電子機器』の影響など、型破りな説明を選んだ体験者はほんのわずかですが、この現象はおそらく世界中の何百万人もの人々によってそのような言葉で説明されています。」(クリス・フレンチ教授)


 心理学者のルイーズ・ゴダード・クローリー博士は「これらの幻覚は夢のようなもので、点滅する光、形、人が見えることから、声、音楽、その他の音を聞くことまで多岐にわたります」と説明する。人物を見ることがあるというが、それが“幽霊”であったと報告するケースもありそうだ。


「これらの幻覚の内容はさまざまで、時には奇妙なものであることもあります。それらは非常に現実的で没入型であるため、実際の認識と区別することが困難になります」(ルイーズ・ゴダード・クローリー博士)


 謎が多いEHSだが、時には超常現象を体験させるものでもあるようだ。


4.一酸化炭素

 一酸化炭素と超常現象との関連性は第二次世界大戦前から考えられてきた。


 多くの場合、ガスや灯油などの燃料の燃焼、七輪の木炭や薪の暖炉や煙突の詰まりが原因で有毒な一酸化炭素が発生する。


 1921年に「American Journal of Opthalmology」で発表された研究では“ミセス・H”として知られる女性のぞっとするような体験を詳しく紹介している。


 ミセス・Hが新しい家に引っ越してから、彼女と家族は奇妙な声を聞くようになり、就寝中には何かに圧迫されているよう感覚に煩わされていたという。


 脱力感と頭痛も伴うものであったが、調べてみたところ一酸化炭素中毒の結果であることが判明したのだ。


 一酸化炭素は無味無臭であることから、たとえ低濃度であっても気づかずにある程度吸入してしまうと永続的な健康被害を引き起こす可能性がある。


 ミセス・Hの場合、一酸化炭素は炉から出たもので、炉が修理されるとすぐに家族の症状は治まった。


 さらに最近の研究では、一酸化炭素中毒によって一部の患者に精神疾患が引き起こされることも示されている。6週間以上一酸化炭素にさらされると、うつ病、不安症、さらには認知機能障害の発症率が高くなる可能性があるのだ。つまり一酸化炭素中毒によって幻覚や“幽霊”を見たとしてもおかしくないのである。


5.パレイドリア

 日常生活の中で時折見間違いをすることは誰にでもあることだが、パレイドリアは見た対象に親しみのあるパターンを投影して認識してしまう心理現象である。満月の月面に餅をつくウサギを見たり、壁のシミが人の顔に見えたりすることなどのことだ。


 2年前のタンタ大学主導の研究では、超常現象を体験したと主張する者を含む82人の参加者にアナログテレビの“砂嵐”ノイズのようなパターンの画像が見せられた。


 超常現象を体験したことがあると主張する参加者は、これらの画像の中で“顔”を見つける可能性が有意に高かったのだ。


 ルイーズ・ゴダード・クローリー博士はまた、2つの無関係な出来事や経験の間に関係があると認識する傾向である「幻想的な相関関係」がこれに寄与している可能性があると確信している。


「幽霊の目撃という文脈で、誰かが特定の出来事や出来事(奇妙な音や偶然の一致など)を幽霊の存在と結びつけるかもしれません」(ルイーズ・ゴダード・クローリー博士)


 この知覚された相関関係は、たとえその関連性が客観的な証拠に基づいていないとしても、“幽霊”を見たという信念を強化する可能性がある。


「悲しみに暮れているとき、または重大な喪失を経験しているとき、亡くなった愛する人たちからの連絡や訪問として解釈する経験に敏感になるのはよくあることです。これらの経験には、失われた人々を見たり、その存在を感じたりすることが含まれており、幽霊や霊魂への信仰につながる可能性があります」(ルイーズ・ゴダード・クローリー博士)


 やはり超常現象を信じている者ほど“幽霊”を見やすいようである。このように“幽霊”の科学的な説明はいくつかあるわけだが、かといってすべての幽霊を幻覚であると高を括ってしまうのは真実を見誤うことにもなりかねない。あらゆる可能性に心を開いておきたいものだ。


参考:「Daily Mail」ほか

tocana

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