意外と知らない「クルマ」の豆知識 第3回 ハイヒールで運転するのはあり? なし?

7月16日(金)11時30分 マイナビニュース

クルマを運転するときに、ハイヒールやビーチサンダルなどは履いてはいけないと聞いたことがあります。それはなぜでしょうか? 法律で定められているから? 運転しにくいから? はたまた靴が傷むから? 今回は運転する際の履物の話をモータージャーナリストの内田さんに聞きました。
道路交通法を見ると、第4章の第70条(安全運転の義務)に「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」とあるのみで、具体的にどういった靴で運転してはならないという規則はない。従って、この条文のみで判断するなら、履物に関しての言及はないので、どんな履物で運転したとしても、ペダル類の操作さえできれば問題はないということになる。
ただし、都道府県ごとに定められている道路交通法施行細則には、“運転に不向きな履き物”が記されていることもある。
例えば東京都道路交通規則第2章8条(2)には、「木製サンダル、げた等運転操作に支障を及ぼすおそれのあるはき物をはいて車両等(軽車両を除く。)を運転しないこと」とあり、神奈川県道路交通法施行細則第11条(4)にも、「げた、スリッパその他運転を誤るおそれのある履物を履いて車両(軽車両を除く。)を運転しないこと。」とある。つまり、確実なペダル操作を行えることが大前提となるわけだ。
従って、ハイヒールやサンダルはかかとが固定しにくいことや、場合によっては脱げやすいとも考えられることから、現場の警察官の判断により違反と判断され、罰則が科せられる可能性が高くなる。また、長時間そのままの状態でペダル操作を続けると、足首に疲労がたまり、誤操作の遠因にもなりかねないので注意が必要だ。
では、どういった履物が運転に向いているのだろうか。ひとつはドライビングシューズと呼ばれる靴だ。
以前は運転以外のシーン、例えば街中を歩くのはちょっと……と思うような、どちらかというとレースシーンで履くような商品ばかりだったドライビングシューズ。しかし近年は、そういったものばかりではなくなっている。いくつものファッションブランドがドライビングシューズを発売しているので、かなりメジャーな存在になってきているのだ。もちろん、街中で履いても違和感なく、色使いも含めてお洒落なものが多い。
ドライビングシューズとはどういう靴なのか。これという定義はないが、いくつか共通した特徴がある。ひとつは、靴底(ソール)に滑りにくいラバーなどの素材を使用しているものが多いこと。アクセルペダルやブレーキペダルを操作する際、靴底が革などの場合は滑ってしまうことがあり、いざという時に危険が生じる可能性がある。
次に、ラバーなどがソールだけでなく、かかと部分にまであしらわれていること。運転の際には、床にかかとを固定してペダルを操作する。かかとに滑りにくい素材を使うと足を固定しておけるだけでなく、靴が床と擦れた際にかかとやその周辺に傷を付けてしまったり、おかしなすり減り方をさせてしまったりすることを防ぐことができる。また、足首が安定するため、疲れなどもかなり減ることになるので、長時間の運転にも適している。
こういったことのほかに、脱げにくいことや、ソール部分に固すぎず柔らかすぎずという適度な弾性があることも、ペダルを正確に踏むことや誤操作防止に役立つ。
いずれにせよ、お洒落は足元からというように、運転により痛めた靴を街中では履きたくないものだ。もし、どうしてもということであれば、クルマの中に運転専用の靴を入れておくこともお勧めだ。クルマに乗ってすっとその靴と履き替えるという行為からは、運転に対するこだわりが感じられるし、ひいてはそれが同乗者にも安心感を与えることだろう。
内田俊一 うちだしゅんいち 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験をいかしてデザイン、マーケティングなどの視点を含めた新車記事を執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員。 この著者の記事一覧はこちら

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