サイコパスの脳から明らかになった反社会的行動の秘密

7月17日(月)16時30分 カラパイア

0_e0

 一見した魅力と共感の欠如を併せ持つサイコパスだが、なにもサイコパスだからといってすべてが凶行を犯すというわけではない。

 だが彼らが凶行に及ぶのは、脳が目の前の報酬を過大評価し、その行動が引き起こす結果について考えることを避けるようできているからなのかもしれない。

 サイコパス(精神病質者)は人口全体なら1パーセント、刑務所の受刑者では最大25パーセントを占めると推定されている。

 一般にサイコパスは、良心や良心の呵責の欠如、衝動性、自制心の欠如、感情の乏しさ、表面的な魅力、自惚れといった特徴ゆえに障害があるとされる人を指す。

1_e0


【サイコパスと反社会的行動の関連性】

 2011年の研究によると、投獄されたことのあるサイコパスの4分の3の収監理由は暴力に関連するという。中には暴力に訴えないサイコパスもいるが、それでも嘘、不正行為、窃盗といった反社会的行為を行なっている。

 従来のサイコパスに関する研究はその感情面、特に彼らが冷血で感情に乏しい捕食者であるという見解を主に取り扱ってきた。しかし最新の研究は彼らの行動に着目している。

 米ハーバード大学の神経学者・心理学者のジョシュア・バックホルツ(Joshua Buckholtz)氏らはMRIをウィスコンシン州内の2ヶ所の刑務所に持ち込み、受刑者49名に自制心テスト(すぐに少額のお金をもらうか、あとでより多額のお金をもらうか選択するもの)を受けてもらいながら、その間の彼らの脳を測定した。また受刑者それぞれの精神病質レベルも評価した。

 その結果、精神病質レベルが高い受刑者ほど、脳の腹側線条体という領域が活発で、すぐに報酬をもらう選択をする傾向にあった。これまでの研究からは、腹側線条体は複数ある選択肢の価値を評価する能力と関連することが明らかにされている。
 
 また腹側線条体と腹内側前頭前皮質という別の領域とのつながりが通常よりかなり弱いことも判明した。腹内側前頭前皮質は”精神の時間旅行”、すなわち行動の将来的な結果について考える能力に関連する領域だ。

2_e


【目先の欲にとらわれ、先のことを考えられなくなってしまう】

 これらの発見は、サイコパスの反社会的行動が、彼らの脳が目先の報酬を過大評価し、同時に将来的なコストを無視してしまうことに起因すると示唆している。事実、この2点において異常性が高い受刑者ほど、重大な犯罪を犯している傾向があった。

 「サイコパスとされる個人の意思決定パターンは、薬物の乱用・過食・ギャンプル依存症といった自己破壊的行動をとる人々のそれとそれほど変わりません。サイコパスになるかどうか分けるのは、感情の欠陥といったことかもしれません」とバックホルツ氏。


via:Psychopaths' Brains Reveal Secrets of Their Immoral Behaviorなど/ translated hiroching / edited by parumo

あわせて読みたい
何がサイコパスを作り出すのか?親はこうして我が子をサイコパスに育てあげる(ノルウェー研究)


サイコパス(精神病質者)に関する10の事実


サイコパス(精神病質者)に見られる共通した20の特徴


サイコパスは苦い食べ物が好き?苦いものが好きな人は反社会的人格の持ち主である可能性(オーストリア研究)


サイコパスは脳の構造的に罰を理解できないことが判明(英・カナダ研究)

カラパイア

この記事が気に入ったらいいね!しよう

サイコパスをもっと詳しく

BIGLOBE
トップへ