体外受精を試みた夫婦、別の夫婦の遺伝子を持つ双子を出産。不妊治療クリニックを提訴(アメリカ)

7月21日(日)22時30分 カラパイア

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 自然妊娠に恵まれない夫婦にとって、不妊治療は心身の葛藤を伴う辛いものだ。しかし、その治療で赤ちゃんを授かることができた時の喜びは、とても大きい。

 アメリカに住む1組のアジア人夫婦が、ある不妊治療クリニックで体外受精(IVF)による妊娠を試みたところ、2回目で双子を妊娠した。

 しかし、生まれてきた双子は人種が異なっていた。DNA検査の結果、双子は夫婦とは無関係で、同クリニックで治療を受けていた別の夫婦の遺伝子を持っていることがわかったのだ。

 夫妻は、クリニックの医療過誤を非難。心身ともに苦痛を与えられたとして現在訴訟を起こしている。

・不妊治療クリニック、体外受精(IVF)治療で医療ミスか

 ニューヨーク在住のアジア人夫婦は、自然妊娠に問題があることがわかり、不妊治療クリニック「CHA Fertility(ファーティリティー)」を利用し、体外受精による妊娠を試みた。

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sciencefreak/pixabay

 同クリニックは、去年の初めにこの夫婦から精子と卵子を集め、正倍数体の胚を5個形成した。そのうち4個は性別が女性だった。

 最初の受精は失敗に終わったが、去年9月に双子を妊娠していることがわかり、夫婦は喜びに沸いた。ところが、超音波検査でこの双子の性別が男であることが判明した。

 5個の胚のうち、男性だったのは1個のみと医師から告げられていたため、困惑した夫婦はクリニックの経営者の1人に連絡した。

 するとその共同経営者は「自分の妻も妊娠時に男の子だと告げられていたが、出産したら女の子だった」と伝え、超音波検査は不正確だったとして、そのまま治療を続行した。

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Zaid Abu Taha/pexels

・人種が異なる双子の男児が誕生

 今年3月、治療をうけていた女性は出産。しかし、超音波検査通り双子はどちらも男の子だった。それだけではなく、夫婦ともにアジア人であるにも関わらず、人種が異なっていたのである。

 自分たちの遺伝子素材を使って生まれたはずの子供が、性別も人種も違って生まれてきたことに夫婦は大きなショックを受けた。

 その後のDNA検査では、双子の赤ちゃんはこの夫婦と全く無関係で、同じクリニックを利用していた別のカップルと関係があることがわかり、夫婦は赤ちゃんの親権を放棄した。

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DarkoStojanovic/pixabay

・アジア人夫婦、クリニックを相手に訴訟を起こす

 その後夫婦は、医療過誤と心身ともに多大な影響を与えられたことを理由に、CHA Fertilityを提訴した。

 米連邦地方裁判所に提起された訴訟内容によると、夫婦はクリニックの施設使用料や医師への支払い、専門家のサービス受託料、薬代、研究費用、交通費などを含む不妊治療代に、10万ドル(約1,080万円)以上を費やしたそうだ。

 また、夫婦は自分たちから収集された2つの胚がどうなったのかも知らされていないという。これまでのところ、同クリニックはメディアのコメントには答えていない。

References:Oddity Centralなど / written by Scarlet / edited by parumo

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